http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/387.html
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小保方晴子の真実と笹井芳樹の記者会見
http://m-hyodo.com/court-case-13/
2014年04月19日 兵頭正俊 兵頭に訊こう
今回のSTAP細胞論文問題で、小保方晴子側は、記者会見の後に、不服申し立ての補充追加資料を理研に提出している。それに次のような文章がある。
「STAP細胞の研究が開始されたのは5年ほど前のことですが、2011年4月には、論文に中心となる方法として記載された酸を用いてSTAP細胞ができることを確認していました。
(中略)
STAP細胞を作る各ステップに細かな技術的な注意事項があるので一言でコツのようなものを表現することは難しいのですが、再現実験を試みてくださっている方が、失敗しているステップについて、具体的にポイントをお教えすることについては、私の体調が回復し環境さえ整えば、積極的に協力したいと考えております。
(中略)
また、現在開発中の効率の良いSTAP細胞作成の酸処理溶液のレシピや実験手順につきましては、所属機関の知的財産であることや特許等の事情もあり、現時点では私個人からすべてを公表できないことをご理解いただきたく存じます」 http://huff.to/PaK0tq
STAP細胞の研究は5年ほど前から行われていたわけだ。
その驚くべき成果は、医学生物学の学界では広く知られていたわけで、笹井芳樹が理研に呼んだのも当然のことだったのである。
小保方晴子は本質的なことをわかりやすく説明している。相手は生物であり、再現実験にはコツのようなもの、手技が関係してくる。その困難な奥義を、彼女は30歳の若さで究めてしまった。
かりに小保方晴子が手取り足取りして教えても、教えられた研究者のすべてが、STAP細胞を生成できるわけではないのだ。
それは例えば、名医の教室から必ずしも名医が育たないのと同じである。このことを世間はなぜ理解しないのだろうか。
かてて加えて知財の問題がある。理研・ハーバードの知財に抵触する問題に関しては、とたんに説明が歯切れが悪くなるのである。これは理研の誰が記者会見をやっても同じことだ。
ここでわたしは提案したいのだが、知財に関しては、その時点で小保方晴子なり、弁護士なりが、はっきりその旨明言し、記者や世間に教えたらどうだろうか。翌日の記事を読むと、明らかに記者たちはその点について無知である。
知財の概念は知っているのだろうが、どこが知財に抵触しているために隔靴掻痒の発言になったか、わかっていない。そして、「証拠なき疑惑の会見」といったあくどい書き方をする。
世界中の関連企業、ライバル研究者、ジャーナリストがPCやテレビを見ている前で、証拠をいちいちさらして、素人にもわかるような話をできる筈がない。
「ここから先は、知財・特許の問題に抵触するのでお答えできません」と、はっきりいったらいいのだ。
今回のSTAP細胞問題で、明らかになったことのひとつに、日本社会が、天才や神童、あるいは特異な才能をもつ人を、自分の常識のレベルでしか見られないということだ。社会のモラルのレベルでバッシングするというのは、その端的な表れである。
これは今に始まった話ではない。日本は、昔から国の宝を二束三文で売り飛ばしたり、捨てたりしてきた。
日本人が軽薄なのは、これまで見向きもしなかった国の宝を、外国が評価すると、今度は手のひらを返したようにして評価することだ。自分の評価軸がないのである。多くの日本の才人は、これまで異形のもの、奇人・変人として、切り捨てられてきた。日本は、凡庸が傑物を嗤う国である。
4月16日に、理研のNO2笹井芳樹副センター長の記者会見が行われた。
笹井芳樹は、小保方晴子の記者会見の後、「若い研究者(小保方晴子 注 : 兵頭)の芽を枯らせかねない状況になり、慚愧の念にたえない」とのコメントを出していた。このコメントにだまされてはならない。そんなことは、小保方晴子の記者会見までの2か月間のバッシングを見れば、わかっていたことである。
笹井芳樹の真意は、2か月間も、小保方晴子ひとりを、バッシング祭りにさらし続けた行動に表出している。これこそは拱手傍観の見せしめだったのである。
笹井芳樹は、記者会見で、研究を4段階に分けて、自分が関わったのは、その最後の段階で、2か月間のことだ、自分は「アドバイザー」にすぎなかったと開き直った。かりに前の段階で問題が芽生え、最後の段階で問題が顕在化しても、問題発覚時点のリーダーが責任をとるのが、組織というものだ。
また、笹井芳樹は、小保方晴子の生データもノートも見なかったのは、若山照彦山梨大教授がいたので、そこまでしなかったという自己正当化を図った。つまり、間接的に若山に小保方論文の瑕疵の責任を押しつけたのである。
2か月にわたって、小保方晴子ひとりを、リアルとネットのバッシング祭りにさらし、ひとり隠れていた卑劣さが、ここでも顔を出した。ここには共著者でかつ指導役であった責任感など毫もない。
つまり記者会見のトーンは、小保方晴子と若山照彦山梨大教授、バカンティ教授に責任を押し付け、笹井は逃げる卑劣さに塗り込められた。
しかし、笹井芳樹は、ほんとうは実験を含めて全体を掌握していたといわれている。ネイチャー論文にはその旨の記載があるとのことだ。
笹井芳樹の記者会見に先立って、記者たちには冊子が配られた。そのなかで笹井芳樹は3点を挙げて、STAP細胞の存在を、実質的には認めたといってよい。
「A) ライブ・セル・イメージング(顕微鏡ムービー)
B) 特徴ある細胞の性質
C) 胚盤胞の細胞注入実験(キメラマウス実験)の結果反証仮説としての「ES細胞などの混入」「自家蛍光によるアーティファクト」などでは説明できない」
ところが、ここからが異様なのである。次の文章だ。
( )内は兵頭の注である。
「STAP現象を前提にしないと容易に説明できないデータがあるが、論文全体の信頼性が過誤や不備により大きく損ねられた(それを指導し、事前に止めるのが笹井芳樹の役割だった)以上、STAP現象の真偽の判断には理研内外の予断ない再現検証(そこになぜ小保方晴子を入れないのか)が必要である」
STAP細胞の存在を実質的に認めている。しかし、自分も共著者である論文の瑕疵が指摘されると、小保方晴子を外して、「STAP現象の真偽の判断には理研内外の予断ない再現検証」が必要になるという。これは学の厳密を装った、シニアによる研究成果の簒奪ではないのか。
圧巻は、配布された資料の次の文章である。
「一旦、検証をすると決めた以上、理論上は、STAP現象は検証すべき「仮説」とする必要がある。ただし、観察データに基づいて考えると検証する価値のある「合理性の高い仮説」であると考えている」
これは権力者が政治を語った文章である。
「一旦、〜すると決めた以上、理論上は、〜とする必要がある。ただし、〜する価値はある」
この権力者の奇怪な政治に、集まった記者たちの誰も気づかなかった。この奇怪な論の構成は、「検証」の手続きのなかに、すでにSTAP細胞は存在するという結論が入っているのである。つまり、必要性なき見せかけの「検証」は、研究成果の簒奪のために必要だったのである。
たとえば、「一旦、原発再稼働すると決めた以上、理論上は、原発は安全だとすべき「仮説」を立てる必要がある。ただし、観察データに基づいて考えると原発安全神話は検証する価値のある「合理性の高い仮説」である」とするのと同じなのだ。
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