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あぶくま抄・論説 【小保方さんの騒ぎ】オヤジたちが情けない(4月16日)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014041615130
2014/04/16 08:12 菊池哲郎の世相診断 福島民報
STAP細胞をめぐる小保方晴子さんの騒動を見ていると、日本社会の重大な欠陥を見ているような気がして仕方がない。
遠目には、頼りなさそうだが頑張っている若者を、既得権益に凝り固まったようなオヤジどもが寄ってたかっていじめているようにしか見えない。論文の書き方のルールだとか、都合のいいデータだけそろえる科学者がやってはいけない初歩的心得違いだとか、得意げに既存社会の正しさを並べ立てている。登場するオヤジどもはほぼ全員、ケチをつけることに関しては一生それだけにかけてきたような技を駆使して、自己保身と未熟な若者つぶしに全力を挙げている。嘆かわしい限りではないか。
要はSTAP細胞ができるかどうかだけである。科学論文として不正かどうかなど、どうでもいい視野の狭い研究者の内輪での話だ。せっかくそれなりに頑張って苦労して「できた!」と若人が声を上げたのだ。そうか、じゃあちゃんとできるかどうか、みんなでもう1回やってみようじゃないか、と前向きに励まし協力してやるのがオヤジの役割だろう。
学会内やその取り巻きの連中が何と言おうが、STAP細胞ができればそれで万々歳なのだ。うまくいかなかったら、だめだったねえ、こういう点に注意してもう一度頑張り直してみなさいと、再挑戦させるのが先輩・先達のとるべき正しい態度だろう。理研の思惑隠しとかいまさらの責任逃れや、権威へのごますり評論を含め、世間がやっていることはまるでその逆ではないか。細胞研究とは何の関わりもないところで大騒ぎしている。
日本の優秀な若い研究者たちがより良い研究環境と雰囲気を求めて海外に勉強に行ってしまう真の事情を、連日われわれみんなで見てしまったような気がしてならない。これでまた若い優秀な頭脳流出は加速されるだろう。とても残念だ。
今回のことは、STAP細胞のことだけではない。研究者たちが作り上げてきた独特の内輪社会の課題が表ざたになったと見た方がいい。ある意味で科学の世界ではずっとあった、そんなことはあり得ない、できっこないという既成勢力の権威たちと、それに挑戦するとんでもない発想の主としての若者の戦いの図でもあろう。目立ちたがり屋や変人研究者の成功に対する、嫉妬やひがみなど通常必ずある足引っ張りという最大勢力の抵抗もある。
ちょうど同じころNHKスペシャルでやっていた「人体ミクロの大冒険」に出演していたノーベル賞受賞者の山中伸弥教授が、STAP細胞騒動のことで、研究そのものと研究の成果公表の手だての難しさを控えめに心優しく語っていた。さすがノーベル賞までいってかつ好かれる人は、並の研究オヤジと全然違ういい人と思わせ少し安心した。(元毎日新聞社主筆、福島市出身)
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