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記者会見する理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長=16日午後3時5分、東京都千代田区、杉本康弘撮影
STAP存在の可能性強調 笹井氏、新証拠は示さず
http://www.asahi.com/articles/ASG4J4W4SG4JULBJ00J.html?google_editors_picks=true
2014年4月17日00時23分 朝日新聞
【動画】理研の笹井芳樹副センター長が会見=福留庸友撮影
http://www.asahi.com/articles/ASG4J4W4SG4JULBJ00J.html
STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長(52)が16日、東京都内で記者会見し、「STAPは有望で合理的な仮説と考える」と語り、存在の可能性を強調した。ただ、新たな証拠は提出せず、「再検証が必要」との立場を改めて示した。
会見は、小保方(おぼかた)晴子・理研ユニットリーダー(30)が主著者になった論文が招いた今回の事態に対する謝罪と、論文への疑問点に回答するため、理研が設定。小保方氏を指導した笹井氏は頭を下げて陳謝した後、問題を防げなかった理由を「複数の研究室が関わる例外的な事情で、チェックが働かなかった」と釈明した。
笹井氏はSTAP細胞を「今まで知られているものではないことは確かだ」と強調。他の現象の誤認や、ES細胞(胚(はい)性幹細胞)などが混ざったものではないかと指摘する専門家からの疑義について、「それでは説明がつかない」と反論した。
その上で、STAP細胞がつくられる過程の動画や、若山照彦・山梨大教授が作製したSTAP細胞由来のマウスなど個人の不正が難しいデータが存在すると指摘。STAP細胞の根拠として、「他の細胞と異なり、小型で特殊な細胞」「特別な性質がある」などと主張した。
一方、存在を証明するには、実験の元データやマウスの組織の標本などが有力な証拠となるが、今回の会見では提示されなかった。笹井氏は「80ある実験のうち75が(理研チームリーダーだった)若山氏の研究室で行われた」と説明。動画など一部を除き、「元データにさかのぼっては見ていない」として、新たな証拠は出さなかった。
笹井氏は自身の責任について進退など具体的な言及は避けた。論文作成をめぐる役割を「執筆のアドバイザー」と説明。研究に加わったのは論文投稿までの最後の2カ月間だけで、関与は部分的だったとの認識を示した。今回の事態を引き起こした責任について「責任の一端を幹部として感じている」と述べるにとどめ、具体的な発言はなかった。
小保方氏は論文の撤回に反対しているが、笹井氏は賛成している。「小保方氏の考えは計り知れない。一度ばらばらにしてから、きっちり組み上げるのが研究者の姿勢だ」と主張した。小保方氏と同様に撤回に反対の立場で、来日したチャールズ・バカンティ・米ハーバード大教授とは「会っていない」と話し、撤回をめぐる協議の詳細は語らなかった。(野中良祐)
「不備見抜けず、責任感じる」 理研・笹井氏の会見要旨
http://www.asahi.com/articles/ASG4J5HPXG4JULBJ00X.html
2014年4月16日23時52分 朝日新聞
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が16日、STAP細胞の論文問題について行った記者会見の要旨は次の通り。
【STAP細胞の存在】「存在しない」と思ったら、共著者に加わらない。論文の信頼性は、組み上げ細工のように積み上げ確信を持つ。部品のいくつかにヒビが入った。今の考えは有望だが、仮説に戻し、検証し直す必要がある。
STAPは非常に小さな細胞。ES細胞などの半分程度で、細胞質もほとんどない特殊な細胞だ。遺伝子発現のパターンの詳細解析でも、ほかの幹細胞と一致しない。ESやほかの細胞の混入では説明がつかない。
統一的に考えて、STAP現象は現在最も合理的な仮説として説明できると思う。この仮説は、検証するに値する有望な仮説。多くの検証を通して、その確実度が上がる。それに反した、反証仮説で有望なものを見いだしていない。
(小保方氏はSTAP細胞の作製に200回以上成功していると言っているが)何をもって成功としているのかによると思った。多能性の目印がある細胞塊を作ったということをもって数えたんだと思う。
【論文執筆へのかかわり】投稿論文には、着想や企画、実験、データ解析と図表作成、文章書き上げの4段階あるが、私が参加したのは第4段階。論文書き直しを行うため、筋立てに沿って図表を組み合わせる論理の整理に協力した。
2012年12月中旬、小保方晴子氏がユニットリーダーになったときに始まった。小保方氏と若山照彦氏がまとめた原稿の完成度が十分でなく、ネイチャーへの投稿経験の多い私が仕上げ面で協力するよう依頼を受けた。
12月下旬から、原稿書き直しの協力を開始。3月に投稿するまで支援を続けた。13年4月上旬からの論文改訂過程では、追加実験の指導も行った。
著者としては、投稿までの2年間の中で最後の2カ月、論文の最終段階で参加した。バカンティ教授から要請を受けて一共著者として加わったが、若山氏から責任著者にという強い依頼を受け、3人目の責任著者として加わった。
【自らの責任】共著者の私が複数の問題を見抜けなかったことは慚愧(ざんき)の念に堪えない。小保方氏は研究室直属の部下ではなく、大学院生に指導するように「ノートを見せなさい」と頼むのは難しかった。特殊な共同研究のケースで、二重三重のチェックが働かなかったことを反省している。
現実的にはネイチャーに投稿する中で、過去の実験データにさかのぼり生データをすべて確認することの困難さは否めない。若山氏と力を合わせ、小保方氏への注意をさらに喚起できなかったのか、文章書き上げに協力した私は全体を俯瞰(ふかん)する立場で、その責任は重大だと認識している。
1月の会見では、STAP細胞の補足説明資料を用意した。当初の目的の原理論の解説より、技術効率論として独り歩きした。iPSよりSTAPの方が効率がよいと展開してしまった。山中伸弥先生らに大変申し訳ないことをした。私自身、京大におわびした。
【小保方氏について】12年12月、採用面接で初めて会った。豊かな発想力があり、これだと思ったときの集中力は高い。当時、皆の一致するところだし、私は今もそう思う。ただ、科学者として早いうちに身につけるテクニックを得る機会がなかったことが発表後に明らかになった。データ取り違えのような部分はある種のずさんさがあった。両極端が一人の中にあるのかなと思う。
強いところをできるだけ強く引っ張ることをしたが、弱い部分についておもんぱかり、背伸びさせるだけでなく足元を固めさせることができなかった。
小保方氏の会見を見て率直に心が痛んだ。ああいう場面に出なければいけなくなったそもそもの原因は、この論文に不備・過誤があったこと。それを見抜き防止できなかったシニアな著者、アドバイザーとして責任を強く感じた。緊張していたが、発言自体は普段聞いていた内容と差がなく率直な内容だった。
故意であったか、なかったかは私は分からない。こうした事態を避けてあげられなかった、アドバイザーとしての足りなさをわびたい。
【博士論文と酷似した画像を使った説明】博士論文は早稲田大の内部に出す非公開データなので流用とは考えずに使える。ネイチャー誌にも確認したし、早稲田大にも間接的に確認したが、未発表データの引用であって流用ではない。
データの取り違えはものが違えば大問題だ。正しい写真があると聞いていたので、入れ替えたらよかったが、また間違えては困るので、おなじサンプルを染め直して、データとして(ネイチャー誌に)出し直した。それ以前にものがあったかどうかは存じ上げない。
論文に食い違いがあるとの指摘があり、チェックしていくうちに若山研によるものではないと気づき、博士論文に使われていたと分かった。2月18日に私が出張している時に、電話で聞いた。
研究不正にかかわらない情報だったので、取り違いだったということで話をした。どこでどう取り違えたかの事情はわからない。
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