http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/174.html
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気候変動の影響がすでに出始めていることを示す証拠が、またひとつ増えた。今回は降水パターンだ。
2012年夏に米国を襲った干ばつや、先ごろフィリピンに壊滅的被害をもたらした台風「ハイエン」(日本語版記事)といった気象現象が起こってはいるが、これらと気候変動との関連性を明確に示すことは非常に難しい。しかし、降水パターンを広範囲に追跡した最新研究の結果、降水パターンはすでに自然な変動の範囲を超えていることが明らかになった。
ローレンス・リヴァモア国立研究所のチームが手がけた今回の研究は、1979〜2012年の冬季降水データと、気候変動モデルが予測する降水量変化を、ふたつの変数に注目して比較したものだ。
変数のひとつは、研究者チームが熱力学的変化と呼ぶ現象だ。これは基本的に、既存の水文地質学的サイクル(水文地質学は、土壌等に含まれる地下水を研究する地質学の一分野)が増大することを指すもので、気温が上昇すると、乾燥地域はより乾燥し、湿潤地域はより降水量が増える。
もうひとつの変数は、力学的変化と呼ばれる現象で、こちらは地球の両極へと向かう大きな大気循環パターンの変化に関わるものだ。基本的に、地球温度が上昇すると、熱帯地域は赤道から両方向へと拡大する。
ふたつの変数はどちらも大きく変動しうるが、これらの自然な変動にはひとつの重要な特徴がある。それは、両方そろっては変動しないということだ。すなわち、例えばある年、熱帯気候のパターンが北にやや拡大したら、同じ年に水の循環が増大する可能性は低くなる。
しかし、今回ふたつの変数を合わせて分析した結果、外的な力(主には温室効果ガスとオゾン層の減少)によって、ふたつの変数が同時に、通常の範囲を超えて変動していることが明らかになった。
今回の研究は、地球規模で、降水量が気候モデルの予測通り変化し始めていることを初めて示したものだ。同じモデルが干ばつや嵐の激化を予測している以上、これは悪い知らせと言えるだろう。
ただ、若干の良い知らせもある。オゾン濃度が降水量に及ぼす影響に関しては、化学物質の使用禁止や温室効果ガスの排出削減といった人間の努力が、地球の変化のペースに有意な効果をもたらす可能性があるという。
http://wired.jp/2013/11/19/impacts-of-climate-change-observed-in-global-precipitation-patterns/
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