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(回答先: ひも理論は実験で観測できるか?〜三つの方法による可能性/伊藤英男 投稿者 短足鰐 日時 2013 年 10 月 08 日 20:02:10)
<物質の質量の99%は「強い力」のエネルギー>
原子の質量は、ほぼ原子核の質量と等しいと言える。この原子核の質量も、そのほとんどが陽子と中性子の質量です。さらに、この陽子と中性子は、各々三つのクォークからできている。しかし、クォークの質量を足しても、質量のわずか1%にしかならない。
では、残りの99%はいったいどこからきているのか。それは、クォークを陽子や中性子の中に閉じ込めている「強い力」のエネルギーです。原子と原子、原子核と電子、陽子と中性子を結びつけるエネルギーは、質量に換算すると小さなものです。しかし、クォークの世界になると、そこで働く力は、粒子の質量の99%を説明できるほどの、大きなエネルギーを生じるのです。
電子やクォークの質量は、全体の1%程度にしかならない。物質の質量のほとんどは、強い力のエネルギーを「E=m×cの2乗」で質量に換算すると説明できるのです。
<ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」ではない>
ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」と報道されたが、これはあくまで「素粒子の」という意味で、「全ての物質の」と捉えると誤解になる。陽子や中性子の質量の大部分を生み出しているのは強い力で、ヒッグス粒子が関与しているのはその1%でしかなかったのです。ただし、(それでも)素粒子の質量は重要な効果をもたらす。
<距離がながくなるほど強くなる奇妙な力>
強い力は、遠ざかるほど強くなり、近づくと消えてしまうように見える。そんな不思議な力をどのように理解すればよいのか。…強い力の不思議な性質の説明も、ヤン−ミルズ理論によって可能になった。
【出典】大栗博司「強い力と弱い力〜ヒッブス粒子が宇宙にかけた魔法を解く」幻冬舎‘13年
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