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日本は自発的な国家戦略を米国に引き渡してしまったのだろうか?
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投稿者 綾部晴明 日時 2022 年 4 月 01 日 12:42:40: UhgkZRhIuDTIM iLuVlJCwlr4
 

日本は戦略的自発性を米国に引き渡してしまったのだろうか?

寺島メソッド翻訳NEWS2022年3月26日
<記事原文 寺島先生推薦>
Japan’s Surrender of Its Strategic Autonomy to the US?
アンドリュー・コリュブコ(Andrew Korybko)
Global Research 2022年3月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月26日


 日本と同様、インド、特にイスラエルは米国の軍事戦略における密接な同盟国だが、日本だけが、何の見返りを得ることもなく自国の自発的な世界戦略を放棄している。つまりインドとイスラエルは真の独立国であり、自国自身の戦略を立てることができている一方で、日本は国際関係において客体的存在として見られており、独立した主体的な存在とは見られていない。

 数年前に日本を見ていた人々は慎重ではあったが楽観視していて、日露が未締結であった第2次世界大戦後の平和条約をついに結ぶのではないかと考えていた。それは安倍晋三元首相がいわゆる「北方領土問題」についての解決に積極的に取り組んでいたからだ。(「北方領土問題」については、日本のとらえ方とは違い、ロシアは「第2次大戦後に千島列島の南部は合法的にロシアに編入されたため問題は存在しない」という立場を取っている)。しかし日露関係が改善するかもしれないという期待は今や消え去ってしまった。それは日本が、米国が主導する西側の対ロシア制裁路線に乗っかり、ロシアに対して経済的・金融的・個人的な制裁を課すことに決めたからだ。

 庇護者である米国からの要求に対して日本が従順であるということは、日本は永遠に米国の「不沈空母」的存在であり続けるであろうということだ。日本が自発的な戦略を柔軟に持てるようになるという期待はできないということだ。日本が自発性を持つことは世界の多くの人々が望んでいることなのだが。日本には新冷戦における巨大両勢力の間を取り持つ役割を果たせる可能性があるのに、残念なことだ。他方、日本と共にQuad(米・豪・日・印4カ国の枠組)の一員であるインドは対照的に、両勢力に対して中立の立場を表明している。しかし日本政府が選んだ道は、日本の自発的な戦略を投げ捨て、米国に追随することだった。何の見返りも得ることなく、だ。

 今起こっているのは、米国が主導する西側諸国が世界において「勢力圏」を構成しようとしていることだ。そしてその勢力圏を北米諸国、カリブ海諸国、ラテンアメリカ諸国、欧州全体、アジア・太平洋地域の数カ国(豪、日、韓、シンガポールなど)にまで伸ばそうとしている。これらの国々は先日ロシアから、「非友好諸国ならびに非友好地域」に指定された。つまりロシア政府はこれらの国々や地域を、米国の「勢力圏」内にあると確認したということだ。この潮流は筆者が以前書いた記事の通り、世界はどんどん分断に向かっているということだ。

 米国が英国を欧州における「不沈空母」化することに成功したのと同様に、米国は日本をアジアにおける「不沈空母」にしたのだ。さらに、アングロ・アメリカ連合(AAA) が西ユーラシアの分断と支配に向けて精力的に動き、ロシアと欧州の関係に深いくさびを入れようと企てている中で、アメリカ・日本連合(AJA)により、アジアで地政学的経済上重要な国々と、露中との関係を分断させようという動きが活発化している。そして最終的には近い将来、米国がユーラシア両側のこの連合を結合させようという戦略だ。

 日本が本質的に果たしている機能は、AUKUS(豪・英・米)反中国軍事・核兵器同盟の事実上の第4国的役割だ。このAUKUSは昨年9月に発表されたものだったがこれは想定外の出来事だった。日本政府はこの新しく作られた同盟には気分を害していた。というのもこの同盟によりQuadが果たすべき中国を「抑え込む」軍事戦略的役割が軽んじられることになる可能性があったからだ。この同盟の決定はおそらく米国政府が、「インドは中国抑え込み作戦には積極的に参加してこないであろう」という見通しをもったからだろう。米印関係は2020年夏以降微妙なものになっている。外交政策の決定権を米国に自発的に委ねている日本の望みは、国際社会において米国と繋がっておくことだ。

 日本のこの期待は間違っている。というのも、日本政府がやったことは、米国政府の「従属国」に甘んじることだけだったからだ。米国と対等な関係にある英国政府のようには、日本政府は米国から決して見なされていない。英国も「ユーラシアを分割して統治する」ため、日本と同様大事な役割をユーラシアの向こう側で担っているのではあるが。さらに日本は、以前交わしていたロシアと連携する事業の契約が不履行になってしまった。それはロシアがウクライナ侵攻前に、対中関係において地政学的なバランスを取るために、資源が豊富な極東地域への投資を増やすことをインドと共に行うという事業だった。

 この筋書きはもはや実施不可能となった。というのも米国が主導する西側が、単極的世界を求める動きの一つとして、ロシアに対して尋常ならぬ攻撃を加えているからだ。それを受けてロシアはウクライナに対して特別軍事行動を開始し、この侵攻によりロシアの世界戦略が完全に変化し、ロシア政府はこれまでにないほど中国への依存度を高めることになった。この状況下で、ロシアは中国に依存することが最も重要な圧力弁となったのだ。ロシアはこれ以降も中国に必要以上に依存しないよう先手を打とうと、他国との関係を深めようとするだろうが、その対象はインドやイランやパキスタンなどロシアが信頼の置ける相手と見なした国々だけであり、「ロシアは非友好国である」と公的に表明した日本のような国々は相手にされないだろう。

 日本がイスラエルのように実質的に中立の立場を取っていたらどうなっただろうか?イスラエルは、象徴ではあるが法的には意味のない国連総会ではロシアに反対する決議に賛成票を投じたが、ユーラシアの巨大国ロシアに対して制裁を行うことには応じていない。日本もイスラエルと同じように、今回のウクライナ紛争において調整役という立場を取ることもできただろう。実際、イスラエルのベネット(Bennet)首相は先週(3月第1週)調整役を積極的に引き受けようと動いていた。日本もそうしておれば、日本の戦略的自発性を最も印象的な形で示せる機会になったであろうし、日本の企業群が、ロシアが行っている資源豊富な極東地域への投資事業における優先権を得られたかもしれなかった。その役目は今やインドに取られてしまいそうだ。

 インドや特にイスラエルは、米国の軍事戦略の重要な同盟国であることは日本と同じだ。しかし日本は、自国の戦略的自発性を米国に差し出してしまっている。しかもそのことに対する米国からの見返りも期待できないのは言うまでもない。つまりインドやイスラエルは真の独立国として自前の広大な戦略を打ち立てることができているが、日本は国際関係において客体的存在のままだ。つまり独立した主権国家にはなれていないのだ。米国の「不沈空母」的機能しか果たせない国であり続ければ、日本は客体的存在のままであり、独自に広大な世界戦略など持てない国のままだ。

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This article was originally published on OneWorld.

Andrew Korybko is an American Moscow-based political analyst specializing in the relationship between the US strategy in Afro-Eurasia, China’s One Belt One Road global vision of New Silk Road connectivity, and Hybrid Warfare.

He is a regular contributor to Global Research.

Featured image is from OneWorld  

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