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イブの図書館女(矢田豊松の無頼館)
http://www.asyura2.com/13/nametoroku7/msg/551.html
投稿者 たまゆら 日時 2016 年 1 月 07 日 03:53:24: vmH0DdCtNuFw6 gr2C3ILkguc
 

元記事http://blog.livedoor.jp/burait/archives/766484.html

 クリスマスイブは異性と過ごしたいもの。彼女のいない私は一週間前から駅前でナンパを試みたが、一人も引っ掛からない。イブ二日前、図書館でのナンパをひらめいた。繁華街よりも上質な女がいそうだからである。

 二十一時の閉館時に出口で声を掛ける場面を頭にイメージした。当日、職安で仕事を探した後、近隣で一番大きな図書館に向かう。館内を巡回すると、女性が何人かいた。しかし、だぼだぼのロングスカートや汚いズボンを履いたふやけた顔の女ばかり。英文解釈の本を忘れた私は、手持ちぶさたになった。閉館まで、まだ三時間もある。

 仕方なく、喫茶室で缶ジュースを飲む。あきらめて出たところ、入って来る長身女性とすれ違った。ジーパンに真っ赤なセーターを合わせ、マスクをしている。私の鼓動は一気に高まった。エレベーターの前でチラシを見るふりをして女の出て来るのを待つが、五分しても女は現れない。私はしびれを切らし、喫茶室に突入した。

 すでに人は引けていて、窓口も閉まっている。カウンターで女が一人、パンを食べていた。千載一遇の好機である。私は無人のゴールに蹴り込む心境で、堂々と声を発した。
 「こんにちは。何勉強してたの」
 女はハッとしてこちらを向く。白目をむきながら、のけぞった。

 驚いたのは、こちらも同じ。マスクを外した女は、推定四十代のドブスだった。そのくせ、怖がっている様子である。私は犯罪者にされたような気がして、その場を速やかに離れた。部屋を出るが、エレベーターがなかなか来ない。たまりかねた私は、階段を降りる。通報される不安がよぎり、自然と急ぎ足になっていた。

 地下鉄の扉が閉まったとき、命拾いしたと思った。女の過剰反応は、イブに一人で居る原因にもみえた。私は夢から完全に覚め、生活のため履歴書を書いた。  

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コメント
 
1. たまゆら[1] gr2C3ILkguc 2016年1月07日 04:01:41 : FJE31ewBIw : Rh_jDmdWZ@A[1]
管理人様へ
 投稿規定を3回読みました。

2. 管理人さん[1584] iseXnZBsgrOC8Q 2016年1月07日 09:17:06 : goJCZio63dQ[49]
投稿可能になりました。本番投稿をお願いします

お手数をおかけして申し訳ありません。

阿修羅掲示板を大活用してくださいませ。


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