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1.はじめに
高橋佳子氏が主宰する宗教法人GLAは、書籍や講演会などを通じて、「神理実践」あるいは「魂の学の実践」というものを提唱しており、書籍や講演会などでは、GLA会員による「神理実践報告」というものも発表されている。
この「神理実践報告」というものは、多くの人々にとって自分自身の知らない家庭、会社、業界などの出来事を報告するものであるから、「それが真実である」という明確な確証を掴んでいないはずである。しかし、「まさか、GLAがウソを発表することはないだろう」と考えて、発表された「神理実践報告」をそのまま信じてしまう人も多いのではないだろうか。
しかし、あえて言わせて頂く。GLAは、教団ぐるみで虚言癖に毒されており、目的のためには平気で虚言を弄する教団である。したがって、その発表内容を安易に信じてはならないのである。このレポートでは、GLAが如何に虚言を弄しているのか、その現実を明らかにするとともに、如何にすれば「神理実践報告」なるものが信用するに足るものになるのか、私の考えを述べさせて頂く。
2.GLAの虚言癖
まず、GLAの虚言癖の内容を明らかにする。2012年6月、GLAは「人生祈念館」と称する納骨堂を山梨県北杜市高根町に建設した。GLAのホームページには、次に引用する通り、遺骨を預かる期間は「30年」であると明記されている。
( https://www.gla.or.jp/support/kinenkan/p8.php より)
> 奉納されたご遺骨は、専用の容器に納めたうえで、30年間「人生祈念館」
> にて大切にお預かりします。30年を経過した後、敬虔の念をもって散骨
> させていただき、丁重に大自然にお還しいたします。
一方、GLAは、「人生祈念館」の建設に先立って、建設の趣旨を北杜市に対して説明している。その内容は、平成22年度第2回北杜市土地利用審議会会議録( https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/biz/machi/machi/pdf/83666284713.pdf )として公開されており、同議事録には、次のように記されている。なお、「開発者」とはGLAのことである。
> (p3下から3行〜p4第4行)
> (開発者)…この度の人生祈念館建設の趣旨としては、創立40周年を
> 一昨年迎え、その記念事業として計画したもので、納骨堂や人生記録室、
> 聖堂などの施設を備えている。周辺住民へは、昨年の3月から9月にかけて、
> 高根町村山西割特別理事会等に計6回説明会を実施し、理解を得ている。
> (p4第17〜19行)
> (委員)若林区からの意見として、山への散骨とはどういうことか。
> (開発者)当団体は海への散骨を行っている。団体の説明を行った時に
> この旨をお話ししたところ、念のためということで記載いただいたが、
> 山への散骨は行わない。
> (p6第7〜9行)
> (委員)この施設の機能と目的は何か。
> (開発者)大まかに挙げると、会員の人生記録を残すため、研修のための施設、
> 一時的に安置するための納骨堂を地下に設ける。
この議事録で着目すべき点は「一時的に安置するための納骨堂」というGLAの説明である。「30年」という長期に渡って遺骨を預かる以上、「一時的に安置するための納骨堂」という説明は、明らかに虚偽である。周辺住民に対する計6回の説明会でGLAがどのような説明をしたのかは記録が見つからないが、北杜市に対して行ったのと同様の虚偽の説明をしたものと推察される。
そして、「一時的」と説明した期間が「30年」になったのは、「方針の変更」のようなものではなく、虚偽を弄することは、最初から計画されていたのだと考えられる。それは、次の2つの理由によるものである。
(理由1)私が把握した情報によると、人生祈念館にて希望者から遺骨を預かることは、2008年4月の「善友の集い」(全会員が参加対象であるGLAの集会)で発表されたことであり、その際においてもその後においても、遺骨を預かる期間が「一時的」であるということは、一般会員に対して「一切発信されたことはない」ということである。「一時的に安置するための納骨堂」という説明は、GLAの外部に対する説明以外に用いられた形跡はない。
(理由2)GLAが遺骨を預かることについて、ホームページには次のように記されている。
( https://www.gla.or.jp/support/kinenkan/p7.phpより )
> 人生祈念館地階には、人生を支えた肉体への感謝を込めて、「ご遺骨」を
> お預かりする「納骨室」も設けられました。大いなる存在の光が常に注がれ、
> 見守られている中で、ご遺骨は安置されます。とりわけ、祖師高橋信次先生、
> そして、あまたの求道者たちと共に奉納できることは、魂の道を歩む
> 一人ひとりにとっての歓びであり、このうえない誇りにほかなりません。
仮に、遺骨の保管期間が「一時的」であるとすると、「人生を支えた肉体への感謝」「一人ひとりにとっての歓び」「このうえない誇り」も「一時的」なものに終わるということであり、全く筋が通らないことである。
GLAがなぜ虚偽を弄したのか、それは1980年代後半の出来事が関係しているものと考えられる。1980年代後半、GLAが八ヶ岳に最初に施設を建設しようとしたとき、「GLAという宗教団体が納骨堂を建設しようとしている」という噂が地元の高根町(現、北杜市高根町)に流れ、施設建設の反対運動が起こった。これに対してGLAは、「建設するものは研修施設です。納骨堂ではありません」と説明して、反対運動が収まったということである。実際に、当時は納骨堂を建設することはなかったので、その時点ではGLAの説明は真実であった。
しかし、その後しばらくして「やはり納骨堂を建設することにしました」とGLAが言い出したら何が起こるだろうか。反対運動が再熱するであろうことは容易に予見できる。そこで、虚言を弄することを思いついたのではないだろうか。「納骨堂は建設するけれども、それは海に散骨するまで一時的に安置するための納骨堂です」と言えば、反対運動は再熱しないと考えたのだと思われる。
確かに、GLAの狙い通り、特に反対運動が再熱することなく納骨堂を建設できたのが、ウソがばれたときに高い代償を払わされることまでは予見できなかったのだろうか。人の道を説くべき宗教団体が、自らの利益のために虚偽を弄した罪は重いと言わざるを得ない。特に、GLAについては、書籍や講演会を通じての「神理実践報告」というものが伝道活動の大きなウエイトを占めている。それは、前述したように、「まさか、GLAがウソを発表することはないだろう」という読者、参加者の信用を前提として初めて成立するものである。その前提となる「信用」を、GLA自身が突き崩してしまったのだ。
3.今後GLAが果たすべきことについて
GLAが虚偽を弄したという事実は、公文書(平成22年度第2回北杜市土地利用審議会会議録)の内容から明らかであり、これは未来永劫、消し去ることはできないであろう。
しかし、今後の対応によって、ある程度は信用を回復することはできるのではないだろうか。GLAがなぜ教団ごと虚言癖に染まってしまったのか、その経緯を明らかにするとともに、今後どのように虚言癖を克服してゆくのか、ホームページなどで発表することであろう。
GLAが外部に対して発表すべき「神理実践」というものがあるとすると、それは、第一に、「虚言癖からの脱却」でなければならないはずである。「虚言癖からの脱却」が果たせていないのに他のテーマの「神理実践」なるものを発表し、書籍の読者や講演会の参加者に「それを信用してほしい」と言うのは、あまりにも身勝手ではないだろうか。
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