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ムーディーズは1日、日本の政府債務格付をAa3からA1に1ノッチ格下げした。格付の見通しは安定的。格下げの理由は、財政赤字の中期的な削減目標の達成可能性などについて、不確実性が高まったためとしている。
格下げを受けて1日夜の市場では株安・円高が進んでいる。
格下げの理由は、1)財政赤字削減目標の達成可能性に関する不確実性の高まり、2)デフレ圧力の下での成長促進策のタイミングと有効性に関する不確実性、3)それに伴う中期的な日本国債の利回り上昇リスクの高まりと債務負担能力の低下──としている。
ムーディーズは、日銀の金融緩和により日本国内の総需要はいく分高まったが、4月の消費増税はそれを上回る下方圧力を与えるものとなったと指摘。少なくとも短期的には、財政赤字削減のための主要な政策が安倍首相の経済戦略である経済再生を揺るがしているとした。
消費再増税延期の決定は、短期的な財政赤字削減から、経済成長に対するデフレ圧力の再発を阻む政策へのシフトを模索しているとして評価したものの、中期的な財政再建目標については、税収の改善および名目GDP成長率の上昇なくしては難しいとした。
格下げを受けて、日経平均先物<0#JNI:>がナイトセッションで節目の1万7500円を割り込んだ。ドル/円<JPY=EBS>は118.33円付近。一時119.15円まで上昇した後、118.18円まで急落し、数分間で約1円の値幅が出る乱高下の様相となった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券、チーフ為替ストラテジストの植野大作氏は「他の格付け会社も、相次いで格下げを打ち出してくるリスクがある」と指摘。「悪い円安」が意識される可能性もあると述べる。
一方、BNPパリバ証券・日本株チーフストラテジストの丸山俊氏は「目先は金利がどれだけ上昇するかが焦点だが、格付け会社の格下げだけでは継続的な金利上昇は想定しづらいうえ、国内金融機関の国債に対する押し目買い意欲が金利上昇を抑えそうだ。海外投資家も増税延期で国内景気が回復に向かうというシナリオが続く限り、日本株や国債を売り浴びせるまではいかないだろう」との見方を示している。
http://sp.m.reuters.co.jp/index.php
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