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リビアがカダフィ亡き後、めちゃくちゃになっていることは、インター・ネットの情報を読んでいても分かるが、現実はそんなレベルではなさそうだ。最近リビアから来日した友人が、次のような話をしてくれた。
国会議員はみな首相と同じサラリーを、とっているのに加え、住宅補助、車補助、医療補助があり、膨大な予算が費やされているということだ。それ以外にも外国に出れば、ほとんどダブル・サラリー状態のようだ。このことは、一般のリビア人と比べ、天国と地獄ほど差があるということだ。
国会議員ばかりではない、ミリシアのメンバーが銀行に金を出せというし、部族のリーダーが財務省に行って、金を出せと言う。言ってみれば国民皆が、強盗のような状態になっているとの話だった。
そのことに加え、銃火器が国内に大量にあることから、少年同士の喧嘩でも、ピストルが持ち出され、撃ち合いになるとのことだ。友人はたまたま、若者同士の喧嘩に遭遇したときに、地面に当たり跳ね返った弾丸が、運よく車のガソリン・タンクに当たらなかったので、生きていると笑いながら話していた。
先日書いたリビア東部の町デルナは、ひどい状況だと言っていた。きれいな女性を見ると、銃を担いだイスラム原理主義者という連中が、強引に結婚を迫り、反対すれば殺されるということだ。彼らは、イスラム法では4人の妻を持つことが許される、と言ってやりたい放題やっているとのことだ。
このため親は娘をデルナから他の町に、移り住ませているということだ。イスラム原理主義者がはびこっており、リビアでも一時期のエジプトの様に、今ではムスリム同胞団が、やりたい放題しているようだ。彼らのネット・ワークと結束が強いので、対抗する方法が無いと嘆いていた。
政府の要人となった者たちは、命を狙われるのはだいぶ前からだが、その殺し方が、だんだんエスカレートしてきている、とも言っていた。最初はモスクで礼拝しているときに、撃たれて死亡したが、最近では車に爆弾を仕掛けられ、家族と乗ったところで爆破され、家族全員が殺される、というケースが増えている、とのことだった。
このため、次々と大臣職や首相職に就いた者は辞任して、暗殺から逃れているということのようだ。アリー・ゼンダーン首相も暗殺を恐れて、外国に移り住んでいるし、その後に首相に指名された人物も、2週間で辞任している。
リビアの混乱は何時まで続くのかと尋ねたところ、全く予測出来ないと言っていた。それはそうであろう、アメリカを始めとする外国から軍隊が入り、リビアをコントロールでもしない限り、リビアの混乱は当分(5〜10年)収まらないのではないか。
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