２０１３年⚪︎月⚪︎日 15:00

ご講演

編集長から学ぶ上司と部下のありかた

講師 今西憲之 ジャーナリスト

要旨

これまで、何十人という編集長に仕えました。
だいたい、編集長というのはタイプが次のパターンに色分けできます。

わいわい型

強権発動型

変えたがり型

わいわい型は、明るくおだて盛り上げてと飲み会の幹事役みたいな感じ

強権発動型は、すべてトップダウンで取材を決めてしまい、意見は聞かない。

変えたがり型は、とにかく前任者がやったことを変えること、違うことをやる。誌面をリニューアルに腐心するようなタイプ。

わいわい型は、編集部の空気はいいですね。和気あいあい。会議でも、明るい話が
多く、部員からの提案も外部に売り込みもなんでもこい。ただ、ぬるま湯的なところが出てくる。

強権発動型は、すべて編集長が記事の見出し、内容まで口出し。
会議でも編集長の声ばかり響き、内容も経費削減とか暗い話ばっかり。調子づくとええんですが、
外れたら目も当てられない。白黒、はっきりです。

変えたがり型は、誌面をかえる、いじることにご執心で読者が見えない、お客さんが
見えなくて、自己満足に陥ることがありますね。一種のオタクです。

私の経験からはわいわい型が比較的、成功しています。
週刊誌もひとつの会社のようなもの。
景気悪い、経費つかうな、電車乗れって年中いわれたら、嫌になる。
週刊誌っていうのは、スクープかめからウロコのような記事です。
幅広い発想、余裕からおもろい記事、うまれます。
編集長は社長。
会社の未来、語れんではあきません。
目先の経費削減ばっかりじゃ、滅入ってきます。

強権発動型は、ええ時、ほんま調子よくいく。ただ、ダメになると坂道転落、落差が激しい。
ただ、編集長、トップは孤独。強権発動型がタイプとして多いかな。

変えたがり型、アートとか、デザインが好きなタイプのひとが多いです。
昔、ある週刊誌でめちゃめちゃカネかけて好きにやれと言われた編集長いました。
思い切って、誌面はリニューアルした。確かに、誌面はよくなった。
けど、売り上げにつながらへん。
なんでかといえば、読者はこれまで通りの誌面を求めていた。
自分たちが納得いけば、読者はついてくる、いいもんつくれば売れるという発想と
同じ。しっかり、ニーズがつかめてない。
事実、編集長がかわり、元の誌面に戻したら、けっこう売れました。

編集長って、会社の社長さんも同じ。
下に部員がたくさんいます。
上には会社でいえば会長、株主のような人がいます。
トップたるもの、未来、夢を語れんで、社員はついてきません。
週刊誌、ようさん売るんやと、ひっぱるようなひとでないとダメ。
よく「悪かった」話を最初に会議でやる編集長います。
これ、最悪。その瞬間、またかとめちゃくちゃしらけます。
「よかった」話を先にすると、モチベーション、ぜんぜんかわってくる。

さっき、３つのタイプの編集長、あげました。
今のうちの編集長、いろいろお騒がせしたなかで、かわったんですが、
データを重視すると言っている。
過去、こんな見出し、特集でこれくらい売れたと研究しているそうです。
週刊誌って実は、マーケッティングがほとんどあらへん。
カンのような世界。
だから、新しいタイプかなと楽しみしています。
なぜなら、私は過去20年以上の週刊誌の広告、見出しをずっとスクラップ。
それと売上部数のデータを照らし合わせて、個人でマーケッティングしている
からです。
いつかは、データ重視の編集長、でんかなと思ったので、楽しみです。

人間って、上に立つとえらそうにしたいもんです。
部下を従わせたい。
けど、そこを我慢して、まずはほめる、おだてる、はげます。
小言、文句は中盤に。
最後は、またほめて、おだてて、はげます。
小言、文句、言いたくなるんです。
けど、プロ野球、名選手は名監督にあらずともいう。

編集長もいい記者がなる傾向がある。
記者、編集者、ひとり、1人、個性がある。
名監督になるには、別の努力が必要なんかなと思います。
　

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