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Rachmaninoff Romance Op6 No1
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投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 2 月 07 日 18:57:03: ulZUCBWYQe7Lk
 


 

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コメント
 
01. 2014年5月18日 05:50:55 : lzO9wmjpyY


  こわれたまま、樹の名をたよりに、言の葉をみつけるほか
  音色も光も絶えた林におります。


  樹々の美しさに心ひらくと、石をのむのを強いる樹が
  いつも待っているのです。

  いつしか、嬉しいときほど、おびえるようになりました。
  優しい思いをしたあとは、きっと、つらい思いになされると。

  樹の名や言の葉で、石の樹と知るや、鳴きながら
  飛びさるのです。


  それでも、淋しげになさっていると、あたためてさしあげたく
  おろかにも、舞いもどってしまうのです。


  ゆかいな言の葉に、ひとしきり、ほほえんだあとでした。
  ふたつうしろに、そしらぬふりして、待ちかまえているのです。

  樹の名を手に、言の葉をみつけ、やっと、きづくのです。
  石の樹と。


  あまりのつらさに、はだしで逃げだし、たおれこんだ蒼い木陰
  そのまま、こんこんと眠りつづけます。


  目をさまし、遠くをみやると、たちあがれぬほどつらい樹を
  人々がかこんで、めでておりました。

  人を愉しませるよい樹だと、ようやく知るのです。


  名を目にするとつらくなる樹が、またひとつ、ふえました。
  名のみで哀しくなる樹をいくつもおもちです。

  声をみずからに禁じ、さしだされるなら、うけるこの者にとり
  あなたの樹は、声そのものになってしまうのです。


  これほどつらいなら、みなければいい、きかなければいい
  もう、ちかづかなければいい

  よこたえ、おえつをおしころし、おもったのです。


  ここをはなれ、しかるべき方向へ矢をはなて――
  二月のおわり、おっしゃっておりました。

  けれども、まったくべつの的へ思いのむくままに
  矢をはなったのは、わたくしでした。

  さまざまなこと、どうか、おゆるしください。


  しばらく、どこか、つらくならない森で
  ひっそり、ことばをつむぎながら
  すこしずつ、よくなれたらと
  おもいます。

  よくなりましたら、きっと
  ききにまいります。



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