http://www.asyura2.com/13/music13/msg/484.html
Tweet |
さだまさし。笑。
何年か前に山田孝之が主演した邦画で、京都大学に通う男女が部屋の中で2人きりになったとき、さだまさしの話題に花を咲かす場面があった。
賢い子の音楽。さだまさし。笑。そこが違うよ。
見た目の貧弱さや、はげ、眼鏡、借金、トークが歌より長いライブ、そういったイメージに覆われることでネクラ・ダサ・ダメ系のレッテルを無条件にしょわされたこの男の正体とは、おそらく日本の商業音楽史上でもあまり類のない、コンポジション(作詞・作曲)の大家である。
作曲に関していえば、この人の上のアーチストって、武川行秀くらいしかいないんじゃないだろうか。作詞ではそれでもこちらが上だ。TV番組で軽く対談した武田真治が「さだまさしさんは、言葉の使い方が凄くいい」と上から目線で賛辞を送っていたが、それは真である。日本語リリクというものに本当のスタイルを生み出したのは、松本隆ではなく、桑田圭祐やさだまさしだと私は考える。
さだまさし。笑。
僕の育った家で、唯一かかっていたポップ音楽。車での旅行もずっと、さだまさし。笑。僕は、自分の家族も親も嫌いで、「一生会わない!」し、育った環境を連想させるものは徹底的に廃してきたのだ。申し訳ないが、さだまさしもその対象をまぬがれず、焚版。
四半世紀とかたって、さだまさし。「いいものはいい」と認めるオープンさが勝ってきたので、古い時代の蘇るさだまさしの音楽ともつきあえるようになったのだ。いいものはいい、そうです!それが日本精神なのだ!盗泉の水じゃ旨くても飲めないが、さだまさしは皆のモノだ!俺だってファンになれる!
最近、うちの子供がさだまさしブームを持ち込んできた。なんなんだ、急に。なつかしいな。そんで前にENOさんがやっていたビートルズ私的ランキングにならって、僕も、さだナンバーを厳選してみたのです。4曲。順不同。さだまさし。笑。
1.ひとり占い
Youtubeに動画あがってね〜ぇ。どうなってんだ、名曲なのに!!そういうわけで、オザケンみたいな感じの彼氏が生ライブで演奏していたのをかわりに持ってきたアル!
オザケン、ちょっとメリハリに欠けるな・・・・・でもこの選曲をした時点で君はスターだ!ネクラ界のね。
2.シンフォニー
歌手としての魅力もいかんなく披露されたこの曲。さだの理論は「詞と曲は同時にできる」というものらしいが、本当かな・・・・・本当か。
3. 十九歳
またオザケン乙か。誰もアップしてないなんて信じられない。
4. 哀しきマリオネット
これもYoutubeに足場を築けなかった名曲。これはノンプロのライブではなく、一流芸能人の天地真理によるカバー。でも初めてきいてみてガッカリ。まあ、知的劣者・芸術的敗者である女に言っても仕方のない話だが、天地はこの曲のエッセンスを全く理解できていない。
一言でいえば「失恋の曲」であり、「フラレた自分とだからこそ期待と背中合わせの不安もかなぐり捨てて前向きにつきあうことができる」というような逆説的な自己愛に開き直って明るく生きていこうという青春賛歌なわけだが、その悲喜が通低した心情にさだまさしは非常に理不尽なアンチテーゼをぶつけている。
そこが、詞の中で一番重要な、3文字。
マリオネット マリオネット 哀しすぎるね そうだね
だから最初に いったろう だめなものはだめ
あっはっはっは はっは だから
いつになっても 操り ピエロ
どこだろう?それは「だ・か・ら」の3文字。この「だから」に全ての本音は隠されている。他に言っていることは全部、とりつくろいで、でまかせで、嘘だ、という思いが込められている。込めるんじゃねえよ、さだまさし。笑。
「だから」は二番では「つまり」にかわっている。どちらも「本音諸々」の代用語として機能していて、さだまさしはその言葉が言いたくてこの曲を歌っているのだ。残念ながら本家の「哀しきマリオネット」は僕の手元には20数年ないのだが、さだまさしの「だから」にチクリと刺されるような感覚が抜けないでいる。現状肯定も開き直りもしてない!「だから本当は・・・・・」と言葉にできない訴えかけが響く。それに失恋の経験などない僕でも気付いてしまうのだ。気付かせ上手なさだまさし。笑。
また必死に書いてしまった。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。