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(回答先: Rhapsody in Blue /ラベルのピアノコンチェルト Leonard Bernstein 投稿者 五月晴郎 日時 2013 年 9 月 08 日 16:51:29)
All music has low-class origins.
小澤征爾も師事したレナード・バーンスタインは、アメリカというクラシック音楽の後発国が生んだ最初の世界的音楽家である。アメリカという若い文化の中で生まれ育ったせいか、バーンスタインの作品はクラシックとポピュラー音楽の境界をまたぐような位置にあると言えよう。クラシックが大の得意、ではない私でも彼の代表作の一つ『ウェストサイド物語』の曲なら4〜5曲は歌える。
そのバーンスタインが1956年に『What is Jazz』というタイトルのレコードを制作した。その内容は、クラシック音楽家によるジャズの解説書と言ったらよいだろう。当時、音楽として今日ほどには高く認知されていなかったジャズの、芸術としての可能性を見抜いていたバーンスタインが、いわばジャズを援護するために作った作品である。
50年代といえば、バップに端を発したモダンジャズが生まれようという時代である。それ以前に隆盛を極めたスウィングジャズに関してはダンス用音楽という見方が根強く、アフリカ音楽や労働歌に源泉を辿ることができるジャズ全体に対しても下層階級の音楽だという蔑む声があった。そうした時代の風潮に、バーンスタインが投げつけたのが冒頭の言葉である。
この『What is Jazz』は全編ほとんどがバーンスタインによるナレーションで、ジャズのジャズたる所以をブルーノート、ブルース、シンコペーション、ハートビートなどの分析を通し分かりやすく解説してくれる。同じ曲でもブルーノートを使わないといかにジャズっぽくないか。シンコペーションなしでは、どれほど平板な演奏になるか、などの実験もあり聴いていて飽きない。加えて、クォーターノートの説明ではバーンスタイン自身の歌までも聞くことができる。
理論派として有名なジャズトランペッター、ウィントン・マルサリスにクラシックとジャズを対比して解説した『Marsalis on Music』というビデオがある。あちらもなかなかの意欲作なのだが、内容が冗長でところどころ専門的過ぎる感もあり、音声だけのこのバーンスタイン作品の方が分かりやすい。
All music has low-class origins.
すべての音楽の出自は下層階級にある。
http://www.amelia.ne.jp/user/reading/essay_297.jsp
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