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騙されることを欲し、騙される・・、イカサマ師の真骨頂・・
私は以前から感じていたが、
向こうの連中は、超常現象なるものが、
お好き・・のようである・・
世の中には人を騙すことに至福の喜びを感じる輩と、
騙されることを欲し、
自ら騙される輩が大勢いる。
まさに、この映画は、
騙そうとする人間と
騙されたい人間の志向の違いが、
見事にビジネス成果として結実し、
生業となることを如実に表現した映画である。
この事象は、この社会において、
騙す騙されるという人間関係において、
普遍的な真理のごとく存在する。
そこに、割って入り、
騙す輩と、
騙される輩の均衡した絶妙なバランス関係に、
亀裂を生じさせる役目を担うのが、
この映画の主役である。
ネタバレになるから、
それがイヤな人は、これ以降は、
読まない方がいいです。
超常現象を売り物にする連中と、
それを暴く連中の凌ぎ合いが、
ストーリーの中核をなすが、
最後の最後で、大どんでん返しがある。
そのどんでん返しが、
この映画の醍醐味である。
映画は、最初のシーンか？
ラストシーンでその良しあしが決まると言うが、
この映画のラストは、良しである。
伝説の超能力者シルバー（デ・ニーロ）と、
彼のイカサマを暴こうとするシガニー・ウィーバーが、
一度、対峙する。
このシーンは語られるだけで、映画の中ではない・・
客観的合理主義で、
次々とイカサマ師達の所業を暴いてきたシガニーが、
シルバーの些細な言葉で動揺し、
弱さを露呈し、一瞬ではあるが、
イカサマ師の信者になる弱さを見せる。
この時は、イカサマ師、
シルバーが圧倒的に勝利する。
シガニー・・その時の己の弱さがその後、
トラウマとなる。
そして、シルバーを避けることで、
その後も、超常現象を金儲けにするイカサマ師を糾弾し続ける。
ある時、弟子が現れ、シガニーの片腕となる。
シルバーが長い沈黙の後、
超常現象の金儲けに復活する。
弟子は、当然、シルバーをターゲットにし、
シルバーを糾弾すべきと、シガニーに主張するが、
シガニー、過去のトラウマから、怖気づき、
シルバー糾弾を拒否。
弟子は一人で、シルバー糾弾の急先鋒となる。
弟子とシルバーの最後の対峙（決闘）で、
シルバーは自ら、
「超常現象等この世に、あるわけがなく、
私がやっている生業は、
バカどもを騙して、それでもって、
バカどもの些細な欲望を満たしてあげて、
それで金儲けをすることなのである」
「私のいう超常現象は全部イカサマで、
全部、仕掛けがあるのである！」
だから、あの弟子の「仕掛け」が、わからない！
「どうやって、やるんだ？」
「どうやって、やるんだ？」
「どうやって、やるんだ？」
（イカサマのすべてを知っている俺がわからない仕掛けがあるのか？
そんなものは、ないはずだ、
だから、ぜひとも、教えてくれ！）
と、狂ったように叫び続ける・・・
この時、シルバーは自分自信が超能力者でないことを愚かにも告白したが、
反対にシガニーの弟子は正真正銘の超能力者であることが皮肉にも判明するのである。
孤独な正真正銘の超能力者が、
己と同じ正真正銘の超能力者（仲間）を探す旅が、
なんとこの映画のテーマだったのである。
この映画、地味といえば地味。
派手な撃ち合いや派手なカーアクション。
手の込んだＣＧ等皆無である。
、
人間の脆弱な心を揺さぶり、
翻弄する心理ゲームのような映画であるが、
一度観ても損はないと思う。
人間はいかに騙されやすいか？
人間は、いかに弱いか？
人間はいかに、超常現象が好きか？
その辺が、よくわかる映画である。
この映画を見ていると
手品師やマジシャン達、
と対峙するような立場の超常現象を売り物にする連中は、
やっていることは、ひじょうに近いと感じた。
いや、同じかもしれない・・。
ただ、己を、手品師と名乗るか？
そうでないか？
でカテゴライズされるだけなのである。
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