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川内原発 事実上“合格” 秋にも再稼働・・・巨大噴火リスクは?
http://news.tbs.co.jp/20140716/newseye/tbs_newseye2250826.html
川内原発は世界でも有数の火山地帯にあります。川内原発の安全性を審査してきた原子力規制委員会は16日、事実上「合格」のお墨付きを与えました。秋にも再稼働の見通しですが、巨大噴火のリスクについてはどう評価したのでしょうか。
傍聴席から抗議の声があがる中、事実上の「合格証明書」が出されました。原子力規制委員会は、川内原発1号機と2号機について、重大事故や地震・津波、火山の噴火やテロへの対策が新しい規制基準を満たすと評価した審査書の案を了承したのです。川内原発は、秋にも再稼働する見通しとなりました。
「いろいろな手続きの関係では大詰めを迎えた」(鹿児島・薩摩川内市 岩切秀雄市長)
しかし、専門家や決定に反対する人たちからは、「大きなリスク」を指摘する声があがっています。火山の噴火です。特に「カルデラ」とよばれる巨大な盆地を生み出し、日本では1万年に1度起きるとされる巨大噴火について懸念の声が高まっているのです。川内原発のすぐ近くには、こんな痕跡が残っています。
「白い地層が全部3万年前に姶良カルデラから出たシラス(火砕流の堆積物)です」(鹿児島大学 井村隆介准教授)
川内原発の周辺には5か所のカルデラが存在します。中でも、桜島の北にある「姶良(あいら)カルデラ」は、3万年前に巨大噴火が起きて、高温の火砕流が南九州を焼き尽くしたとみられています。こうした指摘に対し、九州電力は・・・
「カルデラ的爆発を起こすインターバルは数万年から数十万年。現時点で存在する発電所の期間内には大きな影響を及ぼさない」(九州電力 瓜生道明社長 【去年7月】)
九州電力は今回の審査で、「川内原発への火山の影響は十分小さい」としたほか、巨大噴火の前兆現象を捉えるためにモニタリングを実施する方針で、規制委員会もこうした対策を了承しました。
「『カルデラ噴火の可能性が十分小さい』ということは合理性があると判断できる」(原子力規制委 島崎邦彦委員長代理)
巨大噴火を予測することは現在の科学でどの程度可能なのでしょうか?気象庁は現在、国内の47の火山について常時、監視を行っています。噴火に伴うマグマの上昇で、山が膨張するなど前兆をとらえた場合は警報などを発表します。しかし、比較的小規模な噴火と違い、「カルデラ噴火」のような巨大噴火は予測が極めて難しく、空振り覚悟で対応するしかないとしています。
「全く経験がないとか、数百、数千年前に噴火があったらしいとしか分かっていない火山が大多数。現時点で何か捉えているかもしれないが、それが未来のこんな噴火の前兆であると今の時点で断言するのは難しい」(気象庁火山活動評価解析官 菅野智之氏)
火山噴火予知連絡会の会長も、その難しさを指摘します。
「カルデラ噴火がいつどのくらいの規模で起こるのか、予知する技術を我々は持っていない。カルデラ噴火が起こる確率が十分に低いという判断そのものが、今の我々にとって不可能だと思う」(火山噴火予知連絡会 藤井敏嗣会長)
地震や火山のリスクが大きい日本で原発をどのように規制していくか。原子力規制委員会の田中委員長は16日、次のように述べました。
「(原発の稼働期間は)せいぜい30年とかそんなものでしょう、川内の場合は。そういう間にはそういう噴火は起こらないだろうと、ただしモニタリングはしましょうと」(原子力規制委員会 田中俊一委員長)
今後は、一般からの意見募集や工事計画についての審査などを経た後、 最終的な「合格」となりますが、再稼働には地元の同意を得ることが必要で、 川内原発の再稼働は 秋以降になるとみられます。
「世界で最も厳しい安全基準にのっとって、安全だという結論が出れば、立地自治体の皆さんのご理解をいただきながら、再稼働を進めていきたいと考えている」(安倍首相)
(16日17:05)
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