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東日本大震災は観測史上最大の断層すべりだったことが判明!スマトラ島沖地震は25メートル、東日本大震災は50メートル! 
http://www.asyura2.com/13/jisin19/msg/449.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 12 月 17 日 07:05:00: igsppGRN/E9PQ
 

東日本大震災は観測史上最大の断層すべりだったことが判明!スマトラ島沖地震は25メートル、東日本大震災は50メートル!
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-1392.html
2013/12/17 Tue. 06:00:23 真実を探すブログ 


今月で東日本大震災から1000日の歳月が経過しましたが、東日本大震災に関する研究調査は今も続いています。海洋研究開発機構などの調査発表によると、東日本大震災で津波を引き起こした断層は水分と粘土を豊富に含んでおり、これが津波を発生させた断層すべりの原因になった可能性が高いとのことです。
「Science」誌に掲載された最新の論文には、「地震発生時に最大で50メートルに達していたことがわかった」と書かれていますが、これはスマトラ沖巨大地震やチリ沖巨大地震を遥かに超える規模となります。


単純に地震の規模ではスマトラ沖地震の方が東日本大震災よりも大きいのですが、東日本大震災が発生した断層は粘土と水分が多いことから50メートル近くも急激に跳ね上がりました。同じ様な現象は南海トラフ巨大地震や房総沖巨大地震などでも発生する可能性があると予想され、今後は日本周辺海域でも調査が行われる予定となっています。


☆東日本大震災 プレート境界断層、非常に薄い粘土層で滑りやすく


☆東日本大震災の巨大地震 断層の滑り、水分と粘土が引き金
URL http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/131206/evt13120612550023-n1.html
引用:
東日本大震災の巨大地震で日本海溝付近のプレート(岩板)境界断層の浅い場所が大きく滑ったのは、断層に含まれる水分と粘土が原因とみられることが海洋研究開発機構などの調査で分かった。6日付の米科学誌サイエンスに発表する。プレート境界断層の浅い場所で大きな滑りは起きないとされていたが、大震災では海溝付近が水平方向に約50メートルも滑り、陸側が跳ね上がり津波が巨大化した。
:引用終了


☆史上最大の断層すべり、3・11地震
URL http://mainichi.jp/feature/nationalgeo/archive/2013/12/06/ngeo20131206001.html
引用:
 そして今回、12月6日付で「Science」誌に掲載された3本の論文により、三陸沖で発生し、マグニチュード9.0を記録したこの巨大地震には、まだ驚くべき要素が残されていたことが明らかになった。


 専門家の計算により、2つの構造プレートが接している日本海溝の断層すべりは、地震発生時に最大で50メートルに達していたことがわかった。これに対し、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)など、東北地方太平洋沖地震と同程度のマグニチュードを記録した他の巨大地震では、断層すべりは20〜25メートル程度だった。


「50メートル(の断層すべり)はこれまでに例がない」と、ブリティッシュコロンビア州にあるカナダ地質調査所の地球物理学者、ケリン・ワン(Kelin Wang)氏は述べている。同氏は今回の研究に関わっていない。


 ワン氏によると、断層すべりの規模でこれに続くのは、1960年に発生したチリ地震とみられるとという。残された地震発生時のデータはそれほど多くはないものの、ここから推定されるチリ地震における断層すべりの規模は30〜40メートルだったとみられる。


 東北地方太平洋沖地震における断層すべりは、その大部分が上下動だったと、ワン氏は説明する。しかしこの海溝では、プレート同士がくさびのように食い込んでいたため、上下方向のすべりが大量の海水を持ち上げ、これが日本沿岸を襲い、多くの人命を奪う津波と化したという。
:引用終了


もっとも、「東日本大震災の断層すべりが観測史上最大」と言っても、断層すべりを観測した歴史が半世紀程度しかないため、東日本大震災の津波が今までの津波で一番大きいわけではありません。日本では100年ほど前にも東北で巨大津波が発生している上に、石垣島では東日本大震災を遥かに超える90メートル近い巨大津波を捉えた記録が残っています。


また、世界規模で見てみると、アラスカのリツヤ湾で500メートル超という途方も無い記録があり、東日本大震災が観測史上最大となったのは、人類が津波の観測を始めた歴史が非常に短いだけだと言えるでしょう。今後も「観測史上最大」の断層すべりや津波が発生するかもしれないので、防災対策だけはしっかりとしておいて下さい。


☆歴史的な津波の一覧
URL http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%B4%A5%E6%B3%A2%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
引用:
明治・大正・昭和・平成時代[編集]
1894年(明治27年)3月22日 根室半島沖地震 - M 7.9、死者1人。北海道・東北に津波。
1896年(明治29年)6月15日 明治三陸地震 - 岩手県綾里(現・大船渡市)で津波の遡上高38.2m、死者不明者22,000人。津波地震とされる。
1897年(明治30年)8月5日 三陸沖で地震 - M 7.7、宮城県や岩手県で津波により浸水被害。
1923年(大正12年)9月1日 大正関東地震(関東大震災) - 津波の最大波高は静岡県熱海で12m。数百人が犠牲となる。
1933年(昭和8年)3月3日 昭和三陸地震 - 死者・不明者3,000人。
1940年(昭和15年)8月2日 積丹半島沖地震(神威岬沖地震) - 天塩で死者10人。
1944年(昭和19年)12月7日 昭和東南海地震 - 津波の波高は熊野灘沿岸で8mに達する。
1946年(昭和21年)12月21日 昭和南海地震 - 津波は静岡県から九州まで来襲、最高6m。
1952年(昭和27年)3月4日 十勝沖地震 - 津波により、北海道厚岸郡浜中村(現・浜中町)南部が壊滅する。津波は、厚岸湾が最高で6.5m、青森県八戸市で2mなど。
1964年(昭和39年)6月16日 新潟地震 - 津波規模2m。観測地点によっては4m。
1983年(昭和58年)5月26日 日本海中部地震 - 秋田県を中心に、津波による犠牲者100人(遠足中の小学生13名が死亡)。対岸の韓国でも3名の死者・行方不明者を出した。
1993年(平成5年)7月12日 北海道南西沖地震 - 奥尻島で最大波高16.8m、遡上高が30mに達する。死者・不明198人。大津波警報は地震発生後4〜5分で出されるも間に合わず、奥尻町青苗地区は壊滅。対岸のロシアでも3人の行方不明者を出した。
2011年(平成23年)3月11日 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)- 岩手県大船渡市の綾里湾で遡上高40.1m[20]、観測できた津波の高さでも9.3m以上(福島県相馬港)と、津波において国内観測史上最大。


山体崩壊に伴う津波[編集]
紀元前1628年頃 (cf.) - ミノア噴火(ミノア文明後期のサントリーニ島[そのうちの、ネア・カメニ島]で起こった噴火)に伴う津波。地中海で最大波高90mの大津波が発生したとの推定がある。アトランティス伝説や『旧約聖書』の「出エジプト記」(海が割れる奇跡の伝説)の元になったとの説もある[27][28]。


1640年7月31日(寛永17年6月13日)北海道駒ヶ岳の崩壊に伴う津波。亀田から十勝にかけて津波を記録。
1741年8月28日(寛保元年7月18日)北海道西南沖の渡島大島近海で地震、対岸の熊石から松前にかけて大きな被害、津波高さ3m、佐渡島でも津波を観測[29]。
1792年5月21日(寛政4年4月1日)島原大変肥後迷惑 - 雲仙岳噴火、眉山崩壊により島原湾に大津波。
1883年8月27日 クラカタウ火山噴火による津波。島の北部約3km四方が崩壊し、インド洋、太平洋に津波が波及。
1958年7月10日 リツヤ湾大津波 - アラスカで発生した地震によりリツヤ湾奥で大規模な山体崩壊。高さ約525mに及ぶ津波が発生[30]。
:引用終了


☆日本一の津波の高さはなんと90m
URL http://www.excite.co.jp/News/bit/00091105684556.html


引用:
日本で最大の津波は1771年に石垣島・西表島を襲った大津波がある。この時の記録を見ると、石垣島の宮良川を波が朔上し、宮良村で28.2丈(85.4m)、白保村19.8丈(60.0m)、安良村18.6丈(56.4m)などとなっている。石垣島には50mを越えるような巨大津波が襲ったのだ。当時、白保村では1600人弱の人口があったが、このうち98%にあたる1546人もの犠牲がでるなど多くの村々が流され、石垣島・西表島だけで9313名もの犠牲者が出た。これは当時の両島の人口の32%にあたる。石垣島の大浜崎原公園などには直径10m以上もあるような珊瑚の巨石が今も残っている。こんな石が標高20m〜40mのところにまで流されたのだ……。


こんな大きな津波が日本を襲うことがあるのだろうか?
日本で大津波を起こすような地震の巣といえば東海・東南海・南海地震があることは知られている。過去にはこれらの地震が同時に発生したことが論ぜられているが、これらが同時に発生するとマグニチュードは8.7ぐらいかな……? まだ9.0には及ばないか……。でもこれに関東地震と房総沖地震も同時に起こすとマグニチュードは9クラスになるだろうな。
:引用終了


 

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01. 2013年12月17日 12:01:56 : niiL5nr8dQ

ホーム > 特集 > 地震予知は可能 上田誠也東大名誉教授に聞く

上田誠也東大名誉教授に聞く
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予知研究は前兆現象探求

インタビューに答える上田誠也東大名誉教授【時事通信社】
 甚大な被害を出した東日本大震災の後、最大でマグニチュード(M)9クラスとされる南海トラフ沿いの巨大地震が注目を集めている。津波の高さは最大34メートルで、死者32万人、被害総額220兆円という被害が推計されている。しかし、内閣府の調査部会(座長・山岡耕春名古屋大教授)は2013年5月の報告書で「現在の科学的見地からは地震の規模や発生時期を高い確度で予測することは困難」との見解を公表。日本地震学会も12年10月に発表した行動計画に「地震予知は現状では非常に困難」と明記した。地震学は「最悪の事態」を予知できないという結論に国民は困惑せざるを得ない。
 地球物理学者で日本学士院会員の上田誠也東大名誉教授は日本におけるプレートテクトニクス研究の第一人者。地震学とは別の分野での科学的研究によって地震の短期予知は可能とする考えから、「地震予知学」を提唱している。地震予知を可能にするため何が必要なのかを聞いた。(聞き手 時事通信社編集局長 安達功、インタビューは2013年8月27日)
 
安達:「地震予知−現状とその推進計画」(ブループリント)に基づいて1965年にスタートした日本の地震予知計画では観測網も充実し、研究も進歩したと思います。しかし、その結果「予知は困難」と言わざるを得なくなった地震学とはどういう学問なのでしょうか。
上田:地震計で地震の揺れ、つまり地震波を観測し、その結果に基づいて地球や地震のことを研究するのが地震学(seismology)で、大きくは2つに分かれています。1つは地震波を媒介として地球の内部構造(地殻・マントル)を調べる学問。これは地震学の出発点で、19世紀に主に欧州で始まりました。もう1つは、地震波によって地震そのものを調べるのもので、英語では「earthquake seismology」と言います。欧州で始まった地震学がある程度進歩した20世紀になって、地震が起こる地域で盛んになりました。米カリフォルニア、日本、イタリア、ロシアの一部地域などです。
 実は、地震学は地震予知にとって直接的にはあまり役に立ちません。地震予知は短期予知でなければ意味がないからです。1週間とか1月以内とかですね。「何年後に何%」というのは地震予知と言うべきではないと思います。それが国民一般の常識ではないでしょうか。自分の生命を救うには1週間ぐらい以内に言ってくれないと困るわけです。
 地震の発生を予知するためには、前兆とされる現象を研究し、とらえなければなりません。地震の前兆現象を研究するのが短期予知なのです。ところが、前兆現象とは地震の前に起こる現象なのですから、その大多数は地震そのものではないんです。地震計をいっぱい並べて地震のメカニズムなどを明らかにするのは大切な研究ですが、地震の予知にはあまり役に立たないのです。
 5月の報告書の見解は、まさにそのことを言っているのです。地震そのものを研究対象とする地震学では、本来の意味での地震予知、つまり短期予知はできない。ところが、65年に始まった地震予知計画では、地震学しかやってきませんでした。多くの地震計を設置して地震観測をさかんにやり、地震というものがだんだん分かってくれば地震予知ができるかもしれないという建前だったのですね。
 しかし、地震の前兆現象はほとんどが地震そのものではないのですから、地震学はベストの方法ではなかったわけです。ほかのことをやらなくてはなりません。当事者はそのことを認識していたにもかかわらず、地震計測以外のことをほとんどしなかった。
次は>> 予知情報が出たことはない
予知情報が出たことはない

東海地震を想定して開かれた地震防災対策強化地域判定会委員の打ち合わせ会=2009年8月31日、東京都千代田区の気象庁[代表撮影]【時事通信社】
安達:東海沖地震については大規模地震対策特別措置法ができて、79年に地震防災対策強化地域判定会が置かれ、静岡県の御前崎などで異常を観測したら、判定会の判断を受けて首相が警戒宣言を発する仕組みができました。それから40年たちますが、この間に日本で予知された地震はありますか。
上田:短期予知された地震は一つもありません。あの法律ができたときの根本的な思想は、もし予知できるとなったときには、政府はいろいろなことをしなければならない。いまそういう法律はないじゃないか、ということでした。予知ができたとしたら、電車を止め、銀行を閉め、学校も休みにし、病院も対応しなければならない。本来はそういう発想だったはずなのですが、やっているうちに予知はできるものだということになってしまった。しかし、いまだ地震予知警報が出たことはありません。
 ところで、仮に気象庁が御前崎の地殻変動に異常発生をとらえたとしても、政府は警戒宣言は出さないでしょう。何かシグナルが出ても、これは何だと言っているうちに終わってしまうでしょうし、警戒宣言を出したのに、もし何も起こらなかったらどうなるかと誰でも考えてしまうでしょう。実際問題として、あの法律は死文化していると思います。地震の調査・研究に関する業務を一元的に担うとされる、文部科学省の地震調査研究推進本部が「短期予知」には興味がないことを公にしているのですから。
安達:85〜86年ごろ気象庁を担当し、9月1日には判定会招集の訓練も取材しました。首相は本当に警戒宣言を出せるのだろうかとは思いましたが、まさか21世紀になって「予知は困難」となるとは思いませんでした。
上田:少し説明すると、東海地震の予知は地震学ではなく測地学、つまり地盤の上下の動きなどを測る学問に頼っているまれなケースなのです。太平洋戦争終戦寸前に起きた44年のM7.9東南海地震の直前に御前崎周辺の地盤が上昇したということが当時の陸軍によって観測されたらしいのです。その一度だけの報告を頼りに、気象庁が敷いている大観測網は地震計ではなく、地殻変動を測る「ひずみ計」です。 M8ぐらいの地震ならば、44年のような前兆をとらえる可能性はないではないと思います。成功を祈っていますが、それでも警報は出せないでしょう。官庁は本来、警報には向いていないのです。
安達:上田先生は東大地震研時代、プレートテクトニクス研究の第一人者でした。そのころ、地震の短期予知については悲観的だったと聞いています。定年退官ごろ、もしかしたらできるのではないかと思うようになったということですが、きっかけは何だったのでしょうか。
上田:地震研には30年以上いましたが、何人かの人たちは地震予知計画の下で多額の予算をもらい、地震学をやっていました。しかしその当時、教授会ですらそのための予算がどうなっているのかよく分からなかった。分かるのは、地震計を並べて定員が増えて予算が増えてということでした。そういうことを見ていて、これではできないなと思っていました。そもそも前兆現象を対象としない地震学では予知はできるはずがないからです。また、われわれは地震予知(短期予知)をやっていますと公言する教授会メンバーもいませんでした。そうかといって、私にも当てになる前兆現象は思い当たりませんでした。関心もなかったのです。
 定年間近になり、プレートテクトニクスの研究は、ちょうどそのころ完成したというか、大事なことは押さえたと思っていました。この辺が潮時かなとも思っていた時に、VAN法(Varotsos-Alexopoulos-Nomikos method)というギリシャの地震予知研究に遭遇しました。VANは3人の物理学者の名前のイニシャルですが、地電流に地震前兆の信号が出るという研究です。ちょうどそのころ、オランダで出しているテクトノフィジクスという雑誌の編集長になり、彼らの論文に関する相談を受けたのです。日本の研究者にも何人かに相談してみましたが、だめな論文だという人が多かった。私の専門ではなかったが、それではと自分でも読んでみたところ、悪くなさそうに思える。予知に成功しているんですね。うまくいっているのにだめとは言えないと思い、その論文を採択しました。84年のことです。これがいけるのなら日本でもやれないかと思いました。
次は>> 地震の寸前に地電流に異常

地震の寸前に地電流に異常


地震による電磁気異常の計測のイメージ図【時事通信社】
安達:地電流ということですが、地中に電流が流れているということでしょうか。
上田:地面の中はある程度の電気伝導性がありますから、地磁気の変化などで誘導電流が起きたり、電車が走れば電流が流れたり、いろいろなことが起こっている。3人の研究者は地震の寸前に地電流に異常が起こると言っていました。物理学者だったせいか地球物理学者とは全然違い、場所を示すのにも緯度経度で言わずに「アテネの西方何キロのあたり」などと言うわけです。偏見を持たないで読めば悪くないのですが、地球物理学者はハナからこんな素人論文はだめだと思うのですね。
安達:測定ポイントをもうけて、ずっと測っているのでしょうか。地震の前には電気の流れ方が違うということですか。
上田:そうです。物理学者で電磁気学をよく分かる人たちなので、地震の前には地面の中に電流が流れるのではないかという理論的研究を始めていた。そのうち、アテネで地震の被害が出たものですから、何とかしたいという思いから実際に地電流を測ってみようとなったんだそうです。地震が起こった時に地磁気が変わったり、電気が変わったりするだろうという発想はしばしば地震学者以外の人から出ています。物理学者の田中舘愛橘(東京帝大教授、1856〜1952)は英国の有名な物理学者ケルビン卿の下で勉強した。帰国後3カ月、1891年にM8.0濃尾地震が起きるや学生を連れて震源地に行き、地磁気変動の観測をしました。半世紀後のブループリントにも地磁気や地電流がちゃんと観測項目に書いてありました。
安達:古い時代から、物理学者は地震と地電流、地磁気の関係に注目していたのですか。
上田:そうらしいですね。これもケルビン卿の下に留学して令名をはせた明治時代の有名な電気の専門家、電気学会の創始者志田林三郎(1855〜1892)などもそうですね。
安達:地震学以外では、ほかにもいくつかの研究があるようですね。阪神大震災の時は神戸薬科大学の研究者が地中から放出されるラドンガスの濃度の変化をとらえたと聞いています。自然現象が変化するということですか。
上田:そうです。大地震の前には地殻の状態が臨界的になって、いろいろなことが発生するのではないかと思われています。運送会社の運転手さんが地震直前に神戸の街に入っていったら、ラジオが聞こえなくなったという話もあります。六甲のミネラルウオーターを調べ、地震の際に成分変化があったという研究結果もあります。いろいろな動物の集団移動などの報告は世界各地から沢山あります。しかし、地震学者はそういう情報を聞いても「ああそうか」というふうにしか受け取りません。それは世界的な傾向らしく、ギリシャでもVAN法によってあれだけ予知がされても、地震学者の無関心ないし圧倒的反対を受けて評判はよくありません。
次は>> ギリシャではVAN法による予知に成功
ギリシャではVAN法による予知に成功

1999年9月、ギリシャの首都アテネ一帯を襲った地震で崩落した建物【AFP=時事】
安達:ずいぶん予知を成功させているということですが。M5.5以上の地震ということでしょうか。
上田:そうですね。M6以上だと被害が出るので彼らは公表しています。
安達:地震の発生までどのくらいの時間があるのでしょうか。
上田:数年前までは、信号が出てから2週間から数カ月でした。それでは時間的精度が足りないという声もありましたが、ここ数年は、ある種の信号が出てから数日にまで短縮されています。どうして数日後なのかは今のところ分かっていませんが、そういう例が実際にいくつかある。
安達:これまでVAN法によって警告が発せられ、その通りに地震が起こった例はギリシャでは何例ぐらいあるのでしょうか。
上田:正確には言えませんが、数十例あります。年に1つぐらいはあります。
安達:そういう警告が発せられると、ある程度人口の集中した町では防災、避難活動などが行われるのでしょうか。
上田:行われた例と行われなかった例があります。VANグループが政府に報告しても、多くは無視される。しかし、メディアが気付きます。彼らはあまりメディアが好きではないが、非常に危ない時にはテレビに出て発言する。そうすると地方の行政が動く。それによって多くの人が助かったということは少なくとも3回ぐらいはあります。
安達:VAN法による地電流の観測はギリシャ国内の何カ所ぐらいでやっているのですか。
上田:全国で10カ所ぐらいあります。もっとあったのですが、10カ所ぐらいあればいいということになったようです。
安達:日本国内では地電流の観測は電車などの影響でノイズが入ってしまって、難しいようですね。地電流のほかに電波の伝わり方に変化が起こるようですが、それはなぜでしょうか。
上田:確かに日本ではノイズのために地電流の観測は実用的ではなさそうです。電波の伝わり方の変化の方が測定ははるかに容易です。なぜ変化が起こるのかについては、まだ一致した見解はありません。みんなが研究しているとしか言えませんが、電波の伝わり方に異常があるということは、電波が伝わる経路、主に地球を取り巻く電離層に変化があるということです。「地震が起きる前に電波が発生する」という有望な例もありますが、多くの例はFMなどの放送波や標準電波(JJY)が経路の変化によって違った振る舞いをするということです。
安達:ラジオではAMの電波は電離層と地表でそれぞれバウンドして比較的遠くまで届きますが、FMの電波は反射せずに電離層を突き抜けてしまうので、遠くまでは届きませんね。ただ、FMにしても気象状態などによって受信状態が違ってきます。それと同じようなことが地震の前にあるのでしょうか。
上田:まさに、そういうことです。その現象は、八ケ岳で天文観測をしている串田嘉男さんが95年の神戸地震の前兆として発見したもので、串田さんは現在も全国的に観測を続けています。これは面白いと、北海道大学の森谷武男さんたちも研究を始めました。観測は北海道だけですが、いい結果が出ています。また、フランスは人工衛星を使って上層大気中の電波放射強度などを測定し、統計的に有意な結果を報告しています。アメリカでも最近では盛んな研究が始まっています。
次は>> 「地震ムラ」はなぜできた
「地震ムラ」はなぜできた

気象庁の地震観測処理室(地震現業室)に設置されている地震計=2002年撮影、東京・大手町【時事通信社】
安達:地震予知を名目にした地震観測研究の研究費は国全体としては莫大なものです。一方、地震学以外の物理学、化学などの分野での地震予知研究には予算が付かず、研究として認めてももらえない。先生は地震学と防災行政について「地震ムラ」と呼んでいますが、その地震ムラはあんなに大きな地震も予知できなかった。国民には強い不信感があると思います。地震ムラはどうしてできてきたのか。
上田:ブループリントによって国家予算が付きました。予算の使い方を地震学者に相談すれば、地震計をいっぱい並べて観測網を充実させましょうと言うわけです。地震学からすれば、当然のことだと思います。どっさりお金が付き、観測所もできるし人も雇う。そうなると、これで十分という状態にはならないんです。来年もその次の年も予算が付くとなると体制ができてしまい、別のことに切り替えますということができなくなる。永久的事業になってしまうんですね。それが地震ムラです。
安達:地震行政というのができて、その中で予算の配分がされてくると、予算確保を毎年して、それを拡大していこうということになるわけですね。
上田:そうです。地震は頻繁に起こりますから、地震計が増えれば観測する人ももっと必要になるわけです。人も増えるし予算も増えるしで、止めどもないわけです。国家予算は決まっているので、それを独占してしまっては、地震以外の観測が必要だという人に対しては、お金も人もいかない。産官学の共同体ができてしまった原子力ムラと同じです。それを崩すことは今でも困難ですね。
安達:ブループリントには地震観測だけではなく前兆現象の研究も書かれていたが、それが地震ムラでは行われなかった。地震学者はそれで地震が予知できると考えたんでしょうか。
上田:短期予知は出来ないことはよく認識されていたと思います。しかし、出来ないと明言しては元も子もなくなるので、地震予知ということばを非常にあいまいに使って、将来、地震予知に役立つだろうということでやってきたわけですね。役に立たないとは言えないですからね。
安達:メカニズムを解明すれば、何らかの形で地震の発生をつかめる可能性があるということですか。国民もみなそう思っていたと思います。先生は地震学ではなく前兆現象を研究対象とする「地震予知学」の講座を大学に設け、研究者を少しでも増やすべきだと提唱されています。地震の短期予知研究の現状と予算はどうなのでしょうか。
上田:ここで一つ最近の地震学について言えば、日本は地震予知計画で地震観測網をたくさん作った。さすがにこれだけ観測網が整うと地震学の方でも面白い研究が出つつあります。東日本大震災の前に震源がだんだん移動していったことが分かったとか。ある値が変わったとか、そういう種類のことが地震学者からも出てきました。やっと長年の地震学のあてどもないような努力が実を結びつつあるとも言えるような気がします。
安達:地震学の観測データを精査したことで、何らかのことがあったということですね。将来の短期予知に結びつくのでしょうか。
上田:そうなるといいですが、どうでしょうか。他の地震ではそういうことは見つかっていないんですから。しかし、地震学の成果が役に立つような気配は見えてきたとは言えるでしょうね。
次は>> 予知研究の予算は1700万円程度
予知研究の予算は1700万円程度

岩手県宮古市の堤防を乗り越えた大津波=2011年3月11日、河北新報社刊「巨大津波が襲った 3・11大震災」より【時事通信社】
安達:地震学以外の予知研究は研究者も少なく、研究費も非常に少ないということですが。
上田:現在、地震の短期予知をやろうと言っているのは、日本では20人ほどです。地震学者もいますが、大勢は電波工学者、電離圏研究者、物性物理学者とかいろいろで、生物学者まで入っています。ほとんど研究費というものはないです。みんなそれぞれ工夫してやっています。何がしかの予算がついているのは北海道大学、東海大学くらいのもの。地震ムラは年間数百億円も使っているが、大学における地震予知研究の名目では4億円しかありません。14の大学が参加しているにもかかわらずです。しかも、その大部分は地震学者が使い、地震学以外の予知研究に役に立てようというのは1700万円程度です。これでは研究はとても無理です。
 その理由は単純です。地震の前兆現象というのは前兆ではあっても地震を起こす原因にはなりませんから、地震学者が興味を持たないのは当然なんです。つまり、地震予知は地震学の目的ではありえない。「地震学」と「地震予知学」は違う学問なのです。地震学の講義はいろんな大学にあるが、地震予知学というのはひとつもない。しかし、前兆現象についてこそ、基礎研究を十分にやらなくてはいけないのです。先ほど言及したたくさんの前兆現象のどれが、科学的に意味があるものなのか。そして、それらはどうして発生するのかなどの研究です。そういう「地震予知学」の講座がどこの大学にもないから、それをつくりましょうというのが私の念願です。武田信玄ではないですが、人は城です。人がいないんです。目の前で地震が起こるかもしれない静岡あたりの大学がそれを作ってくれたら本当に世のため、人のためになるでしょう。それほどお金はかからないんですよ。
安達:地震学は地殻にかかる力の作用によって、ひずみがたまって地震が起こるメカニズムを研究する物理学の一分野ですね。しかし、もっと範囲を広げると予知を可能にするいくつも方法がある。地震の周りで起こるいろいろなことをまず科学としてとらえ、可能性のあるものを一生懸命研究しましょうということですね。前兆であるかもしれない現象があるにもかかわらず、長い間、科学の対象にしてこなかった現実があるということですね。
上田:その通りです。私は予知は可能と考えています。既に射程に入っているとさえ言えます。前兆かもしれない現象を科学の対象としてこなかったのは、地震学が悪いのではないんです。それは守備範囲ではないんですから。ただ、地震学者がもうちょっと広い視野を持っていたらよかったとは思いますがね。
安達:先ほど名前が出たケルビン卿が空中を飛ぶ機械について1895年に無理だと言っていたようですね。ところが、1903年にライト兄弟が飛んでしまった。こういうことが科学の歴史にはあります。地震学者が現在、地震予知は困難と言っているが、数年後には何らかの前兆をとらえる可能性があるということでしょうか。
上田:そう思います。地震学ですら前兆をとらえる可能性があります。しかし、研究をするには圧倒的に予算がないんですね。みんな途中でやめていく。大学院生がやっていても就職は別のところにしてしまうんです。
安達:2007年の学士会会報に掲載された講演録の中で、先生は「地震被害で最も深刻なのは人命の損失。地震予知ができれば人命は劇的に助かる」と話しています。地震学は「予知は困難」としましたが、可能性がある分野が存在することをわれわれはもっと知らなければならないと思います。その点に関して、マスコミはきちんと役割を果たしてきたのだろうか。われわれも地震ムラの中にいたのではないか。東日本大震災では多くの人命が失われました。地震の犠牲者をできるだけ出さないために、科学はあらゆる可能性を探究する必要があると思います。
上田:地震を予知すれば人命は助かるんです。短期予知はしないという人もいますが、なぜ、そんな簡単なことが分からないのかと思います。ただ、先ほど申したように仮に予知できても政府は宣言を出さないだろうと思います。ですから、私はこれは民間セクターの仕事ではないかと思うようになりました。実際に地震予知に対する社会的需要はものすごく多い。病院、企業、学校、交通機関などにとっても非常に必要なわけです。政府は当てにできないのだから、お金を出してでも情報を買いたい。そういう喫緊の需要のために予知を行う会社が必要だと思う。そして、そういう会社には、目覚めた大学研究者が積極的に協力していく。それは最もいい形の産学協同ではないでしょうか?大いに進めていくべきだと思います。
安達:基礎的な研究は大学と民間でやる。地震予知学講座の予算は確保したいということですね。地震学以外の研究としては地電流、地磁気、ラドン、地下水の変化などいろいろお話にありましたが、現状ではこのどれが有力と考えていますか。
上田:われわれの一致した意見は、優先順位はあっても、全体として研究すべきだということです。ラドンだけでも井戸の水の変化だけでもだめだと思います。短期予知は、まさにまだ研究段階なのですから。
安達:地震学の分野でも新しい研究が出てきている。予知の可能性を追究してもらいたいということでしょうか。
上田:そういうことです。メディアについていえば、体制側や行政の言うことに事大主義的に従い過ぎに見えます。予知より防災などという二者択一論に乗っているのもどうかとおもわれます。予知も防災のためなのであって、排他的関係ではない。もう少し考えてほしい。そして「短期予知研究こそ進めるべし」という大論陣を張ってほしい。そうしないと人命が救われないですよ。
戻る>> 予知研究は前兆現象探求

http://www.jiji.com/jc/v4?id=20130911_earthquake_prediction&p=quake-denjihaijyou

[12削除理由]:関連が薄い長文

02. 2013年12月17日 23:40:13 : SrmPqLSMME

だから大地震対策をするべきだと思うが、銭がないとか、バラマキだとか
甘い汁だとか、なんだかんだと言って予算を組まない。
頭がおかしい日本人。

03. 2013年12月18日 12:59:18 : 5n5ED344QY
「東日本大震災は観測史上最大の断層すべりだったことが判明!」 ならばその「スベリ残りはどうなってるの?」と言う問題でしょうか。
フィリピン海プレート、北米プレート、太平洋プレートが三枚構造になっているエリアやその境界部やその外側、北米プレートと太平洋プレートのスベリ残りの岩手以北や以東、フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界部やそのフィリピンプレート側(今回の西ノ島隣の新島出現とか)あたりは要注意かもしれません。
ただ小規模建物が倒壊しやすいようなキラーパルスとなる地震が発生する確率は日本全国どこでもそれ程変わりません。
東日本大震災でも戸建てなどの小規模建物、特に耐震のものは地盤に問題なければ殆ど何ともなかったのです。
従って東京の首都機能維持、早期復旧には、津波、地震によるがけ崩れや液状化、火山による火砕流やかなりの火山灰などに影響を受けにくく、物資や人員輸送に適した場所に、小規模耐震建物によってバックアップ、あるいは一部首都機能移転を予めしておくべきだと思います。

04. 2013年12月18日 19:30:00 : QnT7IVAzNI
断層すべりに間違いはないでしょうが・・・。
それだけとはいえない現象も発生しているのです。

[12削除理由]:意味なし
05. 2013年12月19日 00:20:15 : FfzzRIbxkp
山体崩壊に伴う津波もあるのですか。

日本海溝のすべりや、宮城県や奈良県でおきた山体崩壊が、自然現象なのか、大量破壊兵器によるものなのかは解明したのでしょうか?

政務官が発言していますよね。 地震・津波兵器は存在していると。

自民党政権が原発再稼働を急ぐのは、地震や津波が人工で起こされたものであるという証明になりませんか?


06. 2013年12月19日 14:59:01 : nJF6kGWndY
>日本一の津波の高さはなんと90m

津波は、水の塊が羊羹みたいに押し寄せてくるから

遡上高自体は、平らで、だんだん細くなるなど、地形によっては100mになってもおかしくは無い

しかし、その場での水の高さ自体は、浜辺でも、せいぜい10-20mくらいが上限だから

海辺でもビルの5階くらいまで上がれば、かなりの巨大津波であっても、ほぼ確実に助かる



07. 2013年12月19日 15:03:11 : nJF6kGWndY
>>05 山体崩壊に伴う津波

滅多にないし、大体、規模も小さい

本土では、大して期待はできないだろう

wiki/山体崩壊


08. 2013年12月19日 20:35:32 : CrozxLIzYn
断層は海溝だけではないので注意が必要と考えます。
特に浅瀬から急に深くなる海域の地すべりは特筆できるものです。

09. 2013年12月20日 13:01:52 : 7wJCqOq2nZ
ツリヤ湾のはフィヨルド状の狭い湾に面した山が大規模な山体崩壊し細い湾奥に大波が駆け上がったのだから地震の津波と同列に論じられないよ。
いわば洗面器にスイカをどぶんと落としたようなものだからね。

10. 2013年12月20日 20:03:56 : WoGmySa1EU
スマトラは地すべりでは有名な国です。
しかしながら地すべりは強い横方向の力が伝わらないと起きないのです。


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