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津波を引き起こしやすい “アウターライズ地震”
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131027-00000002-wordleaf-nb
THE PAGE 2013/10/27 13:25
今月26日午前2時10分ごろに起きた福島県沖を震源とするマグニチュード(M)7.1の地震は、一昨年の東日本大震災以来この海域で心配されていた「アウターライズ地震」であることが分かった。日本海溝の東側で起きたこのタイプの地震は、震源が陸から離れているため震度は比較的小さいが、過去にも大津波を引き起こしている。幸いにも今回観測された津波は小さかったが、今後も同タイプの地震および、それが引き起こす津波の発生が予想されるため、“長い揺れ”を感じた時はとくに注意は必要だ。
■津波の規模も大きくなりやすい”アウターライズ地震”
気象庁や地震の専門家らによると、アウターライズ地震とは、陸側のプレート(岩板)の下に海洋プレートが潜り込んでいる海溝の外側(アウター)で起きる地震のこと。その場所では、動いて来る海洋プレートが海溝下の陸側プレートとの境界面でブレーキがかけられ、盛り上がった地形をしているために「アウターライズ」(海溝外縁隆起帯)と呼ばれている。
東日本沖の日本海溝では常に、陸側の北米プレートの下に海側の太平洋プレートが潜り込んでいる。それに引き込まれていた北米プレートが耐えられずに一気に跳ね上がったケースが、東日本大震災を引き起こした“プレート境界型”の大地震(M9.0)だ。
地震はそれだけでは終わらない。今度は、プレート境界でのブレーキがはずれたために、太平洋プレートの潜り込みがスムーズとなり、運動方向が水平から潜り込みに転じる曲がり角(アウターライズ)では、潜り込むプレートに引っ張られるような形で断層(つまり地震)が発生しやすくなる。これが今回のアウターライズ地震だ。
アウターライズ地震の特徴は、岩板が引っ張られて起きる“正断層”型の地震であり、東日本大震災を引き起こした地震のような両側からの圧縮による“逆断層”型の地震よりも、上下方向の断層のずれが大きいことだ。このため津波の規模も大きくなる。さらにプレート境界型の地震の後に、時間差はあっても、引き続いて発生しやすいということだ。
■最大震度5で大津波を引き起こした「昭和三陸地震」
過去に起きたアウターライズ地震としては、1933年の「昭和三陸地震」(M8.1、1896年の明治三陸地震〈M8.2〉の37年後)、「2007年千島列島沖地震」(M8.2、06年千島列島沖地震〈M7.9〉の2カ月後)、12年の「スマトラ島沖地震」(M8.6、04年のスマトラ島沖地震〈M9.1〉の8年後)などの例がある。とくに昭和三陸地震は最大震度5だったが、大津波によって3,000人以上の死者・行方不明者が出た。
■震度4でも6〜10メートルの津波発生の可能性も
2011年3月11日の東日本大震災では、地震発生から約40分後の午後3時25分に発生したM7.5の余震や、同月22日に発生したM6.7の余震がアウターライズ地震とみられるが、その後は発生していなかった。東日本大震災の地震(2011年東北地方太平洋沖地震)の震源域は、日本海溝の西側(陸側)の岩手県沖から茨城県沖までの南北500キロメートル、東西200キロメートルの範囲であり、対となるアウターライズ地震の想定震源域もまた広大だ。気象庁は「M8級のアウターライズ地震の場合、震度4や5弱でも津波は6〜10メートル以上となる。揺れが小さくとも、警報が出たらすぐに避難してほしい」と呼びかけている。
(文責/企画NONO)
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