http://www.asyura2.com/13/jisin19/msg/331.html
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日本の地震学会や土木学会は機能しているか?
気の重い話題だけれど、今の日本にとってはかなり重要なことであり、このことをちゃんと理解しておかないととんだ未来を招き入れることになると思うので、書いておきたいと思う。
日本の地震学会や土木学会はほとんどちゃんと機能していない。重要なところでは全くと言ってもいいほどだ。なぜそう判断できるのか、なぜ機能しないのか、それの理由は以下の通りだ。
1.2011年の東北地方太平洋沖地震について、前々日からかなりの前兆現象があったのに、何ら巨大地震や巨大津波の警告を出すことが出来なかった。このことは、現実に地震学会が反省点として認めている。しかし、実際に相当程度の前兆現象が起こっている。3月11日の本震の二日前、つまり3月9日から本震が起こるまでに、本震の震源域でM5から7の地震が36回も起こっていたからだ。(http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/entries?order=&desc=0&max_level=&p=535)
これらの前兆現象を見ると、これだけの規模の前震現象が海溝型の大きな地震が繰り返し起こってきた震源域で起こっていたのになんら警告を発しないということがなぜできたのか、と改めて思わざるを得ない。
三陸沖は繰り返し海溝型の大地震が起こってきたところであり、M9の大地震を予測することは困難であっても1896年6月に起こった明治三陸沖地震(M8以上)(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E4%B8%89%E9%99%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87)と同規模の地震が起こりつつあると警告を出すことはできなければいけなかった。更に、福島第一原発や同第二原発、女川原発が沿岸部にあるのだから、それに対して警告を出すこともされていなければならなかった。このことを考えると、地震学会は相当程度に歪んでいると思わざるを得ない。
2.日本で液状化について対策がされだしたのは1964年の新潟地震があって、4階建ての鉄筋コンクリートの建物が地面に沈み込んでいく被害を受けてからだ。自分は小学生時代、講堂で新潟地震のニュース映画を見せられた記憶がある。ところが、アメリカでは1920年には地震による液状化について論文が発表されている。(http://en.wikipedia.org/wiki/Soil_liquefaction のIn soil mechanics the term "liquefied" was first used by Hazen[1] in reference to the 1918 failure of the Calaveras Dam in California.)そもそも、日本でも古来から地震による液状化現象は起こっていた。古墳を発掘すれば地震が起こってきた証拠に噴砂の跡がすぐに見つかるほどだ。更に、近代的な建築物が液状化によって被害を受けるということも終戦前後の南海地震や東南海地震で分かっていたはずだ。特に東南海地震は1944年に名古屋を襲っているので、ある程度大きな建物が液状化によって倒壊したりするということはこの時に分かっていたはずなのだ。だから、戦後に建築された構造物には当然液状化対策がされなければならなかったが、1964年の新潟地震で誰の目にも明らかな被害が発生するまで対策がされなかった。このことは次の記述からも分かる。「新潟地震では,昭和以降の埋立てによる信濃川旧河川敷において,非常に目を惹く被害が発生し,現在でも液状化被害の典型例とされています.川岸町の埋立地では3〜4階建ての県営アパート7棟が,全く損傷をうけないまま傾斜し,うち1棟はほとんど横倒しになりました.しかし窓は開閉できる状態であったので,中にいた人はケガなしで脱出しました.建物は10年前につくられ,構造は壁式鉄筋コンクリート造の布基礎で,直接砂層の上に乗っていました.」(http://dil.bosai.go.jp/workshop/02kouza_jirei/s13ekijyou/ekijyouka.htm) つまり、県営川岸町アパートは1954年に造られたものだったにもかかわらず、「構造は壁式鉄筋コンクリート造の布基礎で,直接砂層の上に乗ってい」るというものだったからだ。なお、新潟地震は1964年6月であり、この年の夏に東京オリンピックが開催されている。当然、1964年のオリンピックに間に合わせて建設された多くの建造物について、液状化対策がされているかは疑わしい。実際、首都直下地震などが起こったときに首都高などが倒壊するとしている記事(http://www.akao-co.co.jp/pages/public_html/orignal/jiriki/jiriki8.html)がある。そして、2020年の東京オリンピック開催に向けて首都高や東京タワーなどが危険だという声も地震学会や土木学会から上がっていないように見える。
原発については、一応、一番早く運転開始をしたのが日本原子力発電の東海発電所で1966年7月だが、既に廃炉処理に入っている。二番目が同じく日本原子力発電の敦賀原発1号炉で1970年3月、続いて、同年11月に関西電力美浜原発1号炉、1971年3月東京電力の福島第一原発1号炉ということで、多分これらは建設当時から液状化対策をしている可能性が高い。もちろん原子炉建屋自体は岩盤の上に直接建設されるので液状化対策とはもともとあまり関係がない。付帯設備の問題。
なお、1930年代には日本で鉄筋コンクリート建造物がかなり多く作られるようになっていた。「1881年(明治14年)には小野田セメント工場が、1884年(明治17年)には浅野セメント工場が設立され、日本のボルトランド・セメント工業はきわめて早い時期から盛んにな った」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/coj1963/6/11/6_38/_pdf)ということであり、
「わが国の土木学会では,1931(昭和6)年に鉄筋コンクリート標準示方書」(http://www.civil.ce.nihon-u.ac.jp/~concrete/image/h25/con25-4.pdf)既に制定されていた。だから、1944年の昭和東南海地震の時に名古屋に鉄筋コンクリート造りの建築物がなかったはずがない。
なお、関東大震災は1923年で鉄筋コンクリート標準示方書が制定される前なので、関東大震災時に液状化被害を受けた鉄筋コンクリート造りの建造物はあまりなかった可能性がある。しかし、それにしても、木造建造物であっても当然液状化被害は生じるので、この当時の地震被害についての関心が液状化と言う現象にそもそも向いていなかった様子だ。
3.1995年の阪神大震災で衝撃的な縦揺れによるコンクリート建造物の座屈被害が多く観察されたという論文が一部の研究者から出されている。それによると、1995年から数年間は、衝撃的な縦揺れによって多くの被害が発生したという見方が土木学会などでも優勢だったが、その後横揺れによってこれらの被害が発生したという説に統一されてしまい、衝撃的な縦揺れはなかったとされているという。この理由の一つに地震計によって衝撃的な縦揺れが記録されていなかったということがある。しかし、既に短周期の揺れについては現行の地震計では計測がそもそもできないということが実験的に確認され、その論文も提出されている。しかし、未だに、衝撃的な縦揺れが鉄筋コンクリートや鉄骨造りの建造物に大きな被害を与えるということが学会によって認められていないし、こういった被害があると指摘をする論文が提出されているということを報じるマスコミ記事もない。
4.では、なぜ、土木学会や地震学会は機能していないのか。この理由はごく当然のことながら、戦後から始まった占領政策のためだろう。文部省(現在は文部科学省)を経由した中央統制が主なものだと思うが、それ以外に、戦後の混乱期に毒まんじゅうを食わざるを得ない立場に追い込まれて占領政策(広い意味の占領政策であって、例えば広島・長崎原爆の影響を詮索しないなどのこと)に協力するという伝統というか習慣が出来上がっているのだと思う。また、それ以外に、常時監視がされていて、実質的にアメリカの政策に反する行動をすると様々な形で制裁を受けるという状況になっているのだろう。
5.土木学会や地震学会が監視されているというのは当然のことながら、原発と地震のことがあるからだ。2011年4月21日、テレビ朝日のモーニングバードに出演されて、東海地震の震源域の真ん中にある浜岡原発周辺の地盤が以前の東海地震で1メートル以上跳ね上がったと言うことが確認されていると述べた東北大学名誉教授で地震予知連前会長の大竹政和氏はその後まったくメディアに登場されていない。大阪市大の助教で、地震衝撃波の優れた論文を書かれた那谷晴一郎という学者は2006年か2007年ぐらいに亡くなっている様子だ。様子だと書いたのは大阪市大の工学部へ電話をして那谷氏に連絡を取りたいと言うと既に在籍していないということで、では現在どうされているかと聞くと亡くなっていると答えるのみで、いつどこで何が原因でと言うことは一切答えていただけなかったからだ。那谷氏は自分と多分同年代でまだ50代だったはずだ。
6.2011年3月の東北地方太平洋沖地震でP波がほとんど観測されていないという話があるが、これは地震計データが最初から細工をされてしまったからのはずだ。陸域から100キロ以上離れたところの地震でP波が観測されないというのはたとえそれが人工的な爆発であってもあり得ないことであり、専門家は観測された地震波データそのものが細工をされたものだということを即時に理解したに違いない。そして、だからこそ、現在でも、この地震のP波が観測されていないことについて、それがなぜだったのかの検証がされないのだ。事実ではないものを検証しても時間と手間の無駄であり、アメリカの政策によって広められているデマに反することを言っても何のためにもならないと思っているからだろう。
7.今年の8月8日、緊急地震速報の誤報事件が起こった。気象庁は8月8日、同日午後4時56分ごろに出した緊急地震速報「奈良県を震源とした地震が発生し、近畿を中心に関東、甲信越、北陸、東海、中国・四国、伊豆、九州で震度4以上、最大震度7」が誤報であり、その原因が「和歌山県北部で実際に起きたマグニチュード(M)2.3の地震と、三重県南東沖に設置している海底地震計のノイズ異常が重なった」ためだとしている。しかし、これもシステムがどうやって警報を出しているかを考えるとこういったミスが発生するとは思えない。このことについては、既に別に記事を書いてあるのでそれを参照していただきたい。(「8月8日の緊急地震速報誤報についての疑問」http://www.asyura2.com/13/jisin19/msg/226.html の記事本文とコメント7が重要)
8.なぜ、この緊急地震速報の誤報事件が起こったかと言えば、多分二つの目的があったはずだ。一つは一般人を対象にしたもので、緊急地震速報システムについての理解度を確認するためだ。つまり、誤報の原因としての説明をどの程度の人びとがそのまま受け入れるかを確認したのだと思う。または、どの程度の人びとが地震の起こり方そのものに興味や関心を持っているかを調べるためのものだった可能性もある。もう一つの狙いはいわゆる専門家がどの程度この誤報の原因説明に異議を唱えるかを確認しようとしたはずだ。なぜこういったことが必要かと言えば、世論コントロールをするとき、どの程度に人々の行動監視をし、どの程度の頻度でどれだけの人びとを対象にサブリミナル効果などを使ったマインドコントロールをする必要があるか、どんな理屈を使ったメッセージがマインドコントロールに有効かを調べなければいけないからだ。または、例えば、ほとんどネットにつながった環境を利用せずに、地震計モニターなどだけを見ている人もいるかも知れない。そういった人には映像を通したサブリミナル効果は使えず、人的なアプローチをかける必要があるだろう。
もう一つ、この誤報の目的として可能性があるのは、原発関係者の反応を調べることだ。奈良県を震源とした地震とは南海地震にとても近いものであり、南海地震が起これば東南海・東海地震が誘発される可能性があると多くの人は考える。特に、東海地震の震源域の真上に位置する浜岡原発の関係者はこの地震速報が流れたとき、東海地震が起こる可能性を真っ先に心に浮かべたはずだ。原発関係者がどんな動きをするか、その確認がされた可能性がある。
9.自分が、地震学会、土木学会の動きについて危惧しているのは、まず第一に、福島第一原発事故が地震で起こったのではないのかと言う問題提議がこれらの学界からほとんど上がってこないからだ。更に、2020年開催が決まった東京オリンピックについて、貞観地震の9年後に起こった相模・武蔵地震と同じことが起こるかも知れないという指摘が少なくとも公的にはされていないからだ。更に、もし1964年に新潟地震が起こらなければ、多くの原発の付帯設備が液状化対策をされないまま建設されてしまっていた可能性は高い。そして、事実、地震衝撃波については、ほぼ確実にその存在とそれによる建物被害が確認されているのに全くと言っていいほどこれらの学界から地震衝撃波の危険性を指摘する声が上がってきていない。
10.一般人が、または地方の政治家が、または、地元のマスコミが地震衝撃波についてその危険性を指摘するしかないと思う。原発だけが危ないのではなく、低層から高層のビル、特に学校や病院などは柱が一気に座屈して一つの階がぺしゃんこにつぶれる危険性がある。阪神大震災ではそう言った被害がかなり多く発生している。しかし、そういった被害が発生した地域に活断層は見つかっていない。地盤が硬い場合の方が地震衝撃波の被害は発生しやすく、地震被害対策の盲点になっているので、この点の確認が必要だ。
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