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8月8日の緊急地震速報誤報についての疑問
気象庁は8月8日、同日午後4時56分ごろに出した緊急地震速報「奈良県を震源とした地震が発生し、近畿を中心に関東、甲信越、北陸、東海、中国・四国、伊豆、九州で震度4以上、最大震度7」が誤報であり、その原因が「和歌山県北部で実際に起きたマグニチュード(M)2.3の地震と、三重県南東沖に設置している海底地震計のノイズ異常が重なった」ためだとしている。しかし、システムがどう動いていたかを考えると、どうも疑問だ。以下、その理由。
1.日本は地震頻発地域だ。地震速報にも使われている高感度地震観測網(http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/?LANG=ja)によると本日の18時45分までの24時間で234個の地震が観測されている。緊急地震速報は地震縦波(P波)を観測して、その後に来る本格的な横揺れ(S波)を予測するシステム。ところが、震源域に近い場合、P波はあまり減衰せず、微小地震をマグニチュードの大きな地震と間違えてしまう。だから、常に、マグニチュードが大きい地震なのかどうかをまず判定しているはず。
2.マグニチュードの判定は想定されるマグニチュードに応じて互いに離れた距離にある地震計の観測データを比べることでやるしかないはず。つまり、予測マグニチュードが5なら隣の地震計、6なら一つ置いてその隣、7ならさらにその外側のという具合だ。基本的に地震計は碁盤の目のように配置されているので、日本近辺のどこで地震が起こっても、ほぼ等距離に存在する地震計がある。だから、震源から等距離に存在するはずの地震計を予測して、揺れが同じ程度であれば予測したようなマグニチュードの大きな地震、そうでなければたまたまある地震計の近くで起こった小さな地震だと判断しているはず。
3.しかし、この時、互いに離れている地震計がたまたま同じ程度の縦揺れを観測する可能性がある。単に、離れた地震計のそれぞれのそばで小さな地震が起こればいいだけだから、当然、こういった可能性を排除するシステムがある。多分、それは、中間点にある地震計がどういうデータを観測しているかのはず。つまり、両端に地震波が来ているということは、その中間点にも地震波が来ているはずだから、その中間点にある地震計で同じような地震波を観測したかどうかで最終的なマグニチュードのチェックをしていると思う。
4.ここでシュミレーションをしてみよう。(ア)マグニチュード2の地震が起こった場合:震源近くにある地震計がある程度のP波を観測する。非常に近くだったのでマグニチュードを7と推測して、二つ外側にある地震計のデータと比較する。すると、もともと、マグニチュード2なので、二つ外側の地震計はほとんど揺れを観測していない。この時点でマグニチュードが緊急地震速報の対象外と判断して終わり。(イ)マグニチュード7の地震がある地震計の近くで起こった場合:震源近くにある地震計が強いP波を観測。二つ外側の地震計の観測データと比較。最初は電気データのほうが伝わる速度が速いので二つ外側の地震計では強い揺れを観測していない。マグニチュードに応じた待ち時間の間、つまり、大きなマグニチュードであれば長い時間、小さいマグニチュードであれば短い時間の待ち時間、観測データを比較し続けて、その待ち時間のうちに対象の地震のP波が到着して大きな揺れを観測。これと同時に、中間点にある地震計の揺れを見て、タイミングや大きさに矛盾がなければマグニチュードが7の地震が本当に起こったと判断して緊急地震速報を出す。(ウ)かなり遠くでマグニチュード7の地震が起こった場合:かなりの数の地震計がほぼ同時に揺れを感知する。ともかく揺れを感知した地震計は感知した揺れの大きさに従って周辺の地震計のデータと比較をする。同じような揺れがあるので、次に中間点にある地震計の揺れをチェックしてやはり合理的な揺れが観測されるため、遠くで大きな地震が起こったという形で緊急地震速報を出す。(エ)遠く離れた地震計のそばでほぼ同時に小さな地震が起こった場合:アの手順を踏み、同じような揺れを観測しているため、中間点にある地震計のデータをチェックする。中間点にある地震計は揺れを観測していないため、この時点で緊急地震速報の対象外と判断する。(オ)離れた場所とその中間点でたまたま小さな地震が起こった場合:緊急地震速報として誤報になる。しかし、多分、中間点の地震計データのチェックはいくつも行われるはずで、大きな地震になればなるほど、同じように動作をする地震計が多くなり、チェックが行わるため、誤報を出した直後に訂正となる。
5.8月8日の緊急地震速報誤報は、「和歌山県北部で実際に起きたマグニチュード(M)2.3の地震と、三重県南東沖に設置している海底地震計のノイズ異常が重なった」ということで、多分、二つの意味で不合理と思う。一つは電気信号であればその周辺の地震計は同じ時間に揺れを観測していないのでこの時点で緊急地震速報の対象外と判断できなければいけないこと。次に、離れた2地点で観測したのだから、当然その中間点で整合的な揺れが観測されたかどうかをチェックしているはずで、それがされていない様子であること。更に、誤報であるという確認がかなり遅れていて、これも疑問。本来であれば誤報を出した直後に訂正がされるはず。
6.では、単なる誤報ではないとして、なぜこういったことが起こったか。何らかの予行演習であった可能性が強いと思う。8月8日の午後5時少し前と言う時刻は、多分、平日の勤務時間内で、もっとも実質的な悪影響が少ないタイミング。自分が危惧するのは、善意の予行演習だけでなく、悪意の予行演習にもなっている可能性。
自分がこういった疑問を持ったきっかけは北朝鮮の核実験の時に高感度地震観測網で核実験の揺れを観測したというテレビ報道がされ、その揺れのデータも出てきたからです。そんなに大きな核実験ではなく、かなり離れていたので、きれいな揺れのデータは得られないはずだと感じたからでした。
地震の観測は難しいのだろうなと思っています。本来なら、地震波の進行方向などを見て緊急地震速報が出せればいいと思いますが、地盤の中で地震波が屈折するため難しいのでしょう。または、既に進行方向をチェックしているのかもしれません。ともかく、自分の意見として、今回の誤報には疑問があることを述べさせていただきました。
参考記事:
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1308/08/news109.html#l_yuo_jisin_02.jpg
緊急地震速報、過去最大規模の“誤報” 原因は「地震計のノイズの途切れ」
8日夕の緊急地震速報は「過大だった」と気象庁が謝罪。海底地震計で観測したノイズを地震の揺れと誤って計算したことが原因だった。
気象庁は8月8日、同日午後4時56分ごろに出した、近畿を中心として広い範囲の揺れが起きるとする緊急地震速報は「過大だった」と発表した。原因は、海底地震計で観測したノイズを地震の揺れによるものと誤って計算したこと。8日夕に開いた会見で気象庁の橋田俊彦地震火山部長は、「過大な予想によりみなさまにご迷惑をかけしたことを深くお詫び申し上げます」謝罪し、原因と対策について話した。
午後4時56分ごろに出た緊急地震速報は、奈良県を震源とした地震が発生し、近畿を中心に関東、甲信越、北陸、東海、中国・四国、伊豆、九州で震度4以上、最大震度7の地震への警戒を求めるものだったが、実際は体に感じる地震は観測されず、結果的に誤報となった。
予想が過大になった原因は、和歌山県北部で実際に起きたマグニチュード(M)2.3の地震と、三重県南東沖に設置している海底地震計のノイズ異常が重なったことだ。午後4時56分ごろ、和歌山県北部で地震が発生したのとほぼ同時刻、海底地震計の1つで、常時観測していたノイズ約2秒弱途切れた。
システムは、ノイズが途切れた後、再び検知したノイズを地震の揺れだと誤って観測し、和歌山県北部の揺れと同じ地震が原因だと判断。「大きな地震が原因で、和歌山県北部と三重県南東沖でほぼ同時に揺れた」と解析し、奈良県でM7.8・最大震度7の地震が起きたと「過大な推計」(橋田部長)をしてしまった。
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上の2つのグラフが水平動、下のグラフが上下動を示している。下のグラフではノイズが何度か途切れており、最後の大きな途切れが過大な予想につながった
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原因となったノイズの途切れが起きたのは、三重県南東沖の海底1000メートルに設置した地震計「東南海3」
現在は、この地震計を緊急地震速報に使う地震計から外している。ノイズが途切れた原因は調査中。この地震計では、同日午前3時ごろから断続的にノイズが途切れており、機器の故障や通信回線の異常などが考えられるという。再発防止策として、地震計に異常があった場合、即座にその地震計を緊急地震速報用から外す運用を徹底することを挙げた。
緊急地震速報の誤報はこれまでにも何度かあり、2009年には、プログラムのバグが原因で、千葉県東方沖で起きた地震を過大に評価したこともあった。今回は誤報が出た範囲が関東、甲信越、北陸、東海、伊豆、中国・四国、九州と広範で、過去最大の広さ。新幹線や在来線が一時運転を見合わせるなど、交通機関にも影響が出た。
橋田部長は、「大変申し訳なく、こういうことが続くと緊急地震速報の信頼を損ねてしまう」としながらも、「地震が発生し、揺れを観測したことは事実。懸命に再発防止に努めるが、緊急地震速報が鳴った場合はひとまず身の安全を確保していただくことを、なにとぞお願いしたい」と話した。
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