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かつて、私たちが世の中を見通せないのは、「情報がないからだ」と主張する人がいた。しかし、インターネット時代になると、莫大な情報が集まるようになった。
それで、世の中は見通せるようになったのか。いや、見通すどころか、ますます世の中の動きが混沌として何も見えない時代となってしまった。
なぜ、情報が山ほどあっても、世の中を見通すことができないのか。それは、大量の情報が錯綜し、重要な情報と重要ではない情報が区分けできなくなり、ノイズみまみれてしまうからである。
つまり、情報はまったくなくても、たくさんあっても、世の中を見通せるようにならないのである。
次世代は、スマートフォンでインターネットにアクセスするどころか、メガネや時計にもインターネットが接続されるようになっていく。
進化していく大量情報化社会は、世の中の混乱を実体以上に増幅させ、さらなる混乱に陥れることになるはずだ。
2013年8月8日、気象庁が発表した誤報で大混乱
2013年8月8日、日本で「過去最大規模の誤報」が起きて、西日本が大混乱に陥った。
この事件は、複雑化した世の中が、ひとつの情報によって大混乱に陥るという典型的な事例となった。
これは、気象庁が8月8日午後4時56分に出した「緊急地震速報」で、近畿を中心として、最大震度7の地震が起きるという極めて切迫したものだった。
震度7と言えば、東日本大震災と同等の規模である。これによって関西を中心として、在来線から新幹線まで多くの列車が一時運転を見合わせ、40万人以上に影響が出た。
海底地震のノイズ処理が原因の誤報だったということだが、気象庁のたったひとつの誤報で、一瞬にして40万人が混乱に巻き込まれるのである。
気象庁と言えば、情報の一時発信地なので、ここが間違うと、この一時情報を基本にしてシステムを組んでいるニュースサイトは、すべて間違って、誤報をの拡散を拡大させる。
本当に震度7なのかと疑った人がいたとしても、いくつかのニュース情報を見て、すべてが「震度7」と報じていれば、それを信じざるを得ない。
あなたは情報がたくさんあればあるほど客観的な判断を下せると考えているかもしれない。しかし、それは間違いなのだ。
情報がたくさんあっても、一時情報が完全に間違っていたら、あとは情報が100万あっても1000万あっても、すべて間違いだからである。
気象庁の大誤報。震度7の巨大地震が西日本を遅うという速報。
大量の情報を前にして、全体像を見失っていく
当然、この誤報によって気象庁は激しい批判にさらされた。
では緊急速報を出さなければ良かったのかというと、もし本当に震度7の巨大地震が来ていて地震速報が出ていなければ、今度は批判くらいで済まなかっただろう。
ここで重要なことがある。震度7の地震は実際にはほとんど揺れなかったので、一瞬にして誤報だと誰もが分かった。
しかし、もし真実の確認をしようがない他のケースだったら、どうだったのだろうか。誤報がとめどなく拡大されて、真実になっていたかもしれない。
進化していく大量情報化社会は、世の中の混乱を実体以上に増幅させ、さらなる混乱に陥れる……。
それは、まさにこのことを指している。誤報から真実から捏造から願望から妄想まで、情報化社会はありとあらゆるものが、渾然一体となって、ひとりの人間に襲いかかっていく。
そうすると、その大量の情報を前にして、人々は完全に我を見失い、全体像が分からなくなってしまうのだ。
100メートル先に、友人がひとり立っていたら誰でもそれが友人だと分かる。100メートル先に、友人と共に知らない人間が100人いたら、友人がどこにいるのか分からなくなる。
大量の情報が飛び交うというのは、そういうことなのだ。あまりにも情報がありすぎて、何が何だか分からないのである。
そして、ついに全体像も見失い、手に負えず、情報が価値をなくしていく。情報化は社会を複雑にさせて、その複雑さが混乱を生み出していく
これは、今私たちの目の前で起きていることだ。情報化社会になり、インターネットが手のひらに乗るようになり、いつでも、どこでも大量の情報にアクセスできる時代になった。
それが、逆に大混乱を生み出して行くのだ。
2006年のタイ・クーデターのとき、現地にいたが情報は錯綜した。
何が起きていたのか、現地ではまったく分からなかった。
そのとき、あなたも必ず巻き込まれて行く
大量の情報は、社会をさらに複雑化させ、混乱させる。
なぜなら、大量の情報の中には、まったく事実と相反する情報も紛れ込んでいるからだ。誤報を真実だと信じる人も出てくるからである。
気象庁のみならず、多くのマスコミは日々、誤報を流しているし、中には意図的に情報を歪曲して報じている記事もある。
あるいは、意図的な捏造記事だったり、重要な情報から目をそらせるための攪乱記事だったりする。
そんなものが毎日毎日、膨大に報じられて、社会に拡散されていき、人々に届く。そして、その記事はさらに様々な解釈を付与されて、また別のニュアンスで拡散されていく。
だから、情報化社会になればなるほど、むしろ情報が見えなくなってしまうのは、当然でもある。情報があればあるほど、よけいに全体像が見えなくなってしまうのである。
そして、それは予期せぬ事態を引き起こす。
今回の地震速報ではパニックが起きなかったが、これほどの情報化社会になると、いずれ全世界にパニックを引き起こす信じられないほど破壊力を持った情報がいつか現れる。
たとえば、ある情報「X」が不意に流されたとする。
「X」は信憑性が疑われる情報かもしれないが、それでも一部の人々がパニックに陥る。
そのパニックは大きく報道される。そうすると、その情報「X」とパニックが同時に報道されて、「X」に対する信頼性は高まり、パニックはいよいよ放射状に拡散していく。
そして、そのパニックは他の様々な問題をどんどん引き起こして、さらに問題が深刻化して収拾が付かなくなる。それが世界的に広がったとき、もはや問題が解決できないほどの事態へと進行していく……。
今、情報ひとつで世界が大混乱に陥る余地が高まっている。
世界を巻き込む、超巨大なパニックが何らかの形で引き起こされてもおかしくない。どのような形でそれが引き起こされるのかは、誰にも分からない。
しかし、いずれ誰かが引き金を引く。そのとき、私たちは必ず巻き込まれて行くはずだ。
世界では日々、何かが起きている。いずれ、超巨大パニックも起きる。
そのとき、私たちは必ず巻き込まれて行く。
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