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東京水没危険エリアマップ
東京の各自治体が発表しているハザードマップに専門家の意見を加え、本誌が作成。荒川周辺以外も水深1m以上に達するエリアは意外に多い (図版制作 アトリエ・プラン)
警告レポート 8月殺人豪雨で「東京のココが水没する(水深1m超)」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36597
2013年08月05日(月) フライデー :現代ビジネス
'03年7月19日に起きた集中豪雨により浸水した地下鉄博多駅のコンコース。同様のことが東京でも起こりえる
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不気味な異常気象が続いている。7月23日午後、東京・目黒区や世田谷区を1時間に約100mmの記録的なゲリラ豪雨が襲撃。電車が止まり、約100棟が床下浸水、一部で停電も起こった。ここ数日、山形や福島、静岡なども集中豪雨に見舞われ、梅雨明け以来、北陸、山陰など西の各地でも被害が相次いだ。局所的なゲリラ豪雨が、日本中でキバを剥いているのだ。民間の気象情報会社ウェザーニューズは、この夏のゲリラ豪雨の発生件数を昨年の3・5倍と予想している。
「太平洋高気圧に覆われている状態では、ゲリラ豪雨が起こりにくい。高気圧が移動することによって、そこに湿った海風や、上空から寒気が入ってくると積乱雲ができやすくなり、ゲリラ豪雨が起きる。現在がその状態です。8月上旬から中旬にかけても、高気圧の勢力が弱まり、発生件数はピークになると思われます」
これからますます集中豪雨が増えるというのだ。今夏、関東は空梅雨で渇水が懸念されている。が、それが豪雨と関係してくるという。名古屋大学地球水循環研究センター教授・上田博氏が説明する。
「梅雨前線が南のほうにあって雨があまり降らないようなときに、前線が上がってくると強い雨が降ることがある。あるいは、前線が北にあって、関東では日照りが続いているときに前線が下りてきて、豪雨になることがある。つまり、長い期間雨が降らなくて、どこかのタイミングで大量に降るのは前例が少なくない」
関東地方は50年ほど前から、とくに夏の降雨量が増えているという。しかし、それよりも、1時間に50mmや80mmを超える雨が増えていることが問題だと上田氏は指摘する。もし、豪雨で荒川や隅田川が氾濫すれば、東京は壊滅的な被害を受けるからだ。
本誌は、東京の各区が200年に一度の雨量を想定し作成したハザードマップや専門家の意見をもとに、水深1m超となる水没危険マップを作った。右上の地図で点線の右側の網がかかっている部分が水没危険地域だ。これを見ると、荒川、墨田、葛飾、江戸川、台東、北各区が、ほとんど水没してしまう。とくに北千住周辺は水深5mに至る危険がある。
一方、点線の左側は、 '00年9月の東海豪雨(最高雨量1時間114mm、総雨量約600mm)並みの猛烈な豪雨を想定したものだ。神田川沿いの新宿区や目黒川沿いの目黒、五反田、大崎などが水没の危険地帯となっている。関西大学社会安全学部教授・河田惠昭氏が警告する。
「たとえば '11年9月、紀伊半島では数日間で総雨量1808・5mmを観測し、甚大な被害が出ました。それが荒川や利根川の上流に降らないという保証は何もない。この現状に鑑みると、今や最悪の想定は『200年に一度』ではなく、数十年に一度です。それは2~3年後かも、今年かもしれない。いつ起こってもおかしくない」
■もはや安全な場所などない
'05年9月4日、杉並区などを襲ったゲリラ豪雨。動けなくなった原付を腰まで水に浸かった若者が押していた〔PHOTO〕結束武郎
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事実、冒頭に述べたように1時間100mmの雨は、近頃は東京でも珍しくない。 '05年9月には杉並区下井草で1時間112mmの集中豪雨が発生し、浸水被害が5000棟を超えた(写真)。 '99年7月にも練馬区で131mmを記録。都市ジャーナリスト・森野美徳氏も警戒を呼びかける。
「北千住より上流の堤防が決壊すれば、地下鉄のトンネルを伝って大手町、丸の内まで一気に水が流れ込む。神田川が氾濫すれば千代田区も危ない。土地が低いところに水が集中するので、渋谷や三軒茶屋も水没します」
内閣府中央防災会議が発表するシミュレーションでは、濁流が地下鉄千代田線町屋駅と日比谷線入谷駅から地下に流れ込み、18時間後に東京、銀座、赤坂、六本木など都心の97駅が水没するとしている。絵空事ではないのだ。
「日本の大都市の地下はアリの巣のようにつながっているから、どこかから水が入れば全部ダメになってしまう。損害は100兆円規模になるでしょう」(河田氏)
巨大ターミナルで危ないのは、なんといっても渋谷駅である。次ページの図は渋谷区と新宿区が作ったハザードマップを統合したものだ。これを見ると、JR渋谷駅周辺の水深は2m以上に達する。
渋谷–新宿エリアの水没危険マップ
渋谷区と新宿区の発表するハザードマップに専門家の意見を加え、本誌が作成
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「大都市型の水害は『内水氾濫』といわれるものです。アスファルトに覆われた都市では、降った雨は100%下水に流れる。下水のキャパシティは1時間に50mmですが、近頃のような100mm以上の雨には到底対応できない。そうすると下水で流しきれなくなり、マンホールのフタを簡単に飛ばしてあふれ出てくる。渋谷は窪地ですから、まわりの水がすべて駅前、駅中に集まるのです」(防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏)
水があふれ出したら我々はどうすればいいのか。山梨大学大学院教授・末次忠司氏がアドバイスする。
「地下鉄の場合は、水の流れに逆らわずに歩くこと。どうしても近くの出口を目指しがちだが、転倒の危険がある。転んでしまうと、そのまま水に流されて亡くなってしまうこともある。地下鉄にはおおよそ50m間隔で出口があるので、流れに逆らわずに歩いて、手スリにつかまり階段を上ることです。地下室や地下駐車場など狭い場所は10~20分ほどで天井まで水が達する。実験では水かさが30cm未満でもドアが開けられなくなった。車のドアも水圧で開かなくなったり、電気系統が故障し閉じ込められる危険がある」
恐怖の8月≠ェやってくる。常軌を逸した豪雨に襲われたらどう逃げるか、日頃から考えておくことが肝要だ。
「フライデー」2013年8月9日号より
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