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地震活動が活発化している八甲田山
八甲田山で散発的な火山性地震 「大震災後の火山噴火」が気になる
http://www.j-cast.com/2013/06/22177825.html?p=all
2013/6/22 18:00 J-CASTニュース
青森県の八甲田山で、東日本大震災後に火山性地震が増えていると、気象庁の火山噴火予知連絡会で報告された。常時監視が必要とされる全国47火山の対象外である八甲田山の活動が同会で取り上げられるのは、異例のようだ。
震災後、地震活動が活発した火山は少なくない。すぐに噴火につながるわけではなさそうだが、油断はできない。
■江戸時代の宝永地震の49日後に富士山噴火
2013年6月18日に開かれた火山噴火予知連絡会で、八甲田山周辺を震源とする地震の増加が取り上げられた。2月〜6月10日にかけて、山頂付近の深さ1〜11キロを震源とする火山性地震が散発的に発生しているという。また2月以降、小さな膨張性の地殻変動も見つかった。八甲田山が同会で議題に上がるのは初めてだという。
国内には110の活火山がある。火山噴火予知連絡会は活火山を、「概ね1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」と定義しており、「最近5000年に7回の噴火活動」(気象庁)があった八甲田山もこれに含まれる。一方で同会は、近年噴火活動を繰り返していたり、過去約100年以内に火山活動の高まりが認められていたりする47火山を選び、24時間体制で常時観測を続けている。この中に八甲田山は含まれていない。活火山のなかでも「特段注意が必要」との位置づけではないようだ。
とはいえ、近年も活火山であることを裏付けるような事故が起きていた。1997年、山麓の田代平で、滞留していた炭酸ガスの影響で訓練中の自衛隊員3人が死亡。2010年には、温泉で知られる酸ケ湯付近で硫化水素が発生し、山菜取りに来ていた女子中学生が亡くなっている。
同会会長の東京大学名誉教授、藤井敏嗣氏は、大規模地震により火山活動が活発化すると指摘している。NHKのウェブサイトに寄せた2012年7月3日付のコラムで、東日本大震災のような巨大地震により震源域周辺の地殻内の「応力場」が変化するが、これにより「地殻内に存在するマグマだまりに影響を及ぼし、火山噴火を誘発する危険性がある」と説明する。
藤井氏が例示したのが、江戸時代の宝永地震と富士山宝永噴火だ。1707年10月28日に遠州灘沖と紀伊半島沖で同時発生した宝永地震の49日後、富士山が「歴史の中でも珍しいほどの激しい爆発的噴火」を起こしたという。
■日光白根山や箱根山では今年に入って地震増える
火山噴火予知連絡会が発表した、東日本大震災後に地震活動が活発化した火山は、6月18日現在で21か所ある。ほとんどは地震発生の2011年3月11日から間もなくして「最大マグニチュード(M)」を記録しているが、例外もある。栃木県と群馬県の県境にある日光白根山では、震災直後に起きた地震が収まった後の2013年2月25日、M6.3を計測して再び増加した。
箱根山(神奈川県)もそのひとつだ。震災直後の地震活動がいったんは平常化したが、2013年1月11日以降また活発になり、一部で群発地震が発生して体に感じないものを合わせると1か月間で1400回を数えた。神奈川県温泉地学研究所によると、2月10日にはM2.3を観測したという。このときは箱根・大涌谷で局地的に「震度5」が観測され、ロープウエーが一時運行を停止した。ただ同研究所は、すでに活動は終息しており噴火の可能性は低いとみているようだ。
今のところ、東日本大震災が直接の原因となる火山噴火は見られない。専門家も「すぐに噴火の恐れなし」と口をそろえる。その一方で東大名誉教授の藤井氏は、M9レベルの巨大地震が起きると、「今後数年から数十年程度は震源域周辺の広い領域で地殻応力状態が変化すると予想されます」と分析、影響がすぐに収まるわけではないと警告する。必要以上に恐れる必要はないだろうが、震災から2年が過ぎたからといって「噴火の心配はない」と結論付けるのは早計、というわけだ。
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