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テレ東社員の、他局が腰抜かす特殊スキル…誰も観たことない番組量産の異常さ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151125-00010000-bjournal-ent
Business Journal 11月25日(水)22時31分配信
先日、テレビ東京のバラエティ番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』が2016年春に映画化されることが発表された。同番組は、俳優・太川陽介と漫画家・蛭子能収、女性ゲストの3名が路線バスを乗り継ぎ、3泊4日で目的地を目指すという内容だ。
不定期放送ながら、その珍道中が話題を呼び、異例の映画化が実現した。テレ東は、このほかにも『逆向き列車』『家、ついて行ってイイですか?』『Youは何しに日本へ?』などの“素人番組”が好評を得ており、注目を集めている。
他局が手がけないような“ななめ上”をいく企画が生まれる裏側は、どうなっているのだろうか。テレビ業界関係者が語る。
「テレ東からは、4カ月に一度くらいのペースで企画募集の案内が来ます。どんな企画を出してもOKらしいですが、基本的に無難な企画は落ちる傾向にあるそうです。『そういうのは、他局でやるからいいんじゃない?』『それ、テレ東でやる意味ある?』となるからです。
テレ東は他局と比べて、制作費の面で圧倒的に不利です。そのため、他局でもやっているような企画を出すと、どうしても『あれの劣化版になるから、やめておこう』となるそうです。ただでさえ二番煎じ的な内容の上、予算がないから、ちょっと“しょぼく”なってしまう。それなら、『えっ、こんなテレビってあり得るの?』というものをやっていったほうが、他局との差別化にもなるという考え方です。もちろん、視聴率を狙う気持ちも持ちながら、どこかで『僕らは、こういうやり方だから』という暗黙の矜持があるような気がします。
ただ、中には『王道の企画で勝負して勝ってこそ、尖ったことをやるべきなのでは? 最初から尖った企画をやるのは、真っ向勝負では勝てないから逃げているようでカッコ悪い』という人もいるようです」
テレ東は、あえて無難な企画をボツにすることで、他局にはない自分たちの強みを見つけ出しているようだ。また、テレ東はしばしば「制作費が安い」といわれるが、それも斬新な企画を生み出す原動力に転化しているという。
「他局と比べて、確かに予算は少ないと思います。以前、『今度、長時間の特番を1000万円でつくる』と聞いて、腰を抜かしましたから。『それ、どうやってつくるの?』と思いましたが、予算をとことん削るノウハウは、テレ東にしかない部分かもしれません。そこで知恵を使って、安くて面白い番組をつくる能力が磨かれているのだと思います。有名タレントに頼らず、素人さんを使うという発想も、そういった文脈から生まれています」(前出の関係者)
●若手にもチャンスを与える、テレ東の社風
低予算を逆に武器にするかのごとく、独自路線を突き進むテレ東。「無難な企画は落ちる」に代表されるように、パイオニア精神にあふれた社風なのだろうか。
「企画がよければ、若手でもプロデューサーに抜擢されることもあるようです。そういう意味では、気概のある組織だと思うし、先輩社員も若い人間の無茶を許容してくれる度量がある会社です」(同)
自由な発想から自由な企画が生まれ、誰も観たことのないような番組が放送される――。そして、その裏側では、本来ハンディとなるはずの予算すらも逆手に取っているわけだ。今のテレ東の躍進は、まさにクリエイティブの賜物といえるだろう。
文=編集部
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