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クロ現「やらせ」 BPOが強調した「居酒屋での打ち上げ」 水島宏明
http://www.asyura2.com/13/hihyo14/msg/830.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 07 日 17:02:05: igsppGRN/E9PQ
 

クロ現「やらせ」 BPOが強調した「居酒屋での打ち上げ」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20151107-00051218/
2015年11月7日 11時4分配信 水島宏明 | 法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター


11月6日にBPOの放送倫理検証委員会が公表したNHK「クローズアップ現代」”出家詐欺”をめぐる「やらせ問題」。

BPOが公表した「意見」という名前の報告書は28Pにわたる長いもので、一般の読者は読んでもわかりにくい代物だ。

ただ、いわゆる「やらせ」かどうかが一般の人にもわかりやすい重要なポイントを解説しておきたい。

BPOの報告書では、

これまでNHK内部の検証ではほとんど強調されてなかった”事実”が指摘されている。

それは、取材をしたNHK記者と、「ブローカー」として番組に登場したA氏や「多重債務者」として登場したB氏が、撮影後に

「一緒に飲みに行き、B氏の知人女性も参加していた」という事実だ。

BPOが公表した「意見」(調査報告書といえるもの)には以下の記述がある。

(4)撮影終了後の、居酒屋での打ち上げ
撮影が終了した後、記者は、ディレクターら撮影スタッフには帰っていいと言い、
自らはA氏及びB氏を連れて、居酒屋で、取材協力へのお礼を兼ねた打ち上げを行っ
た。打ち上げの席には、後からB氏の知人の女性が合流した。

出典:BPO放送倫理検証委員会によるNHK「クロ現」”出家詐欺”報道に関する「意見」
http://www.bpo.gr.jp/wordpress/wp-content/themes/codex/pdf/kensyo/determination/2015/23/dec/0.pdf

これほど、B氏の知人の女性が合流したことも含めて、これほどNHK記者とA氏、B氏との「関係」を物語るエピソードはない。

彼らは一般的な言い方をすれば「つるんでいた」と言える一種の”共犯”関係だったのだ。

B氏が女性を連れてくるほど、NHK記者とは気心知れた関係だった、ということだ。

「多重債務者」のB氏と記者は長年の付き合いがあった。

しかし番組では、「多重債務者」B氏は「ブローカー」のA氏に金についての相談をした後で事務所から出てきた直後に追いかけてきた記者の直撃インタビューを受けたような場面になっていて、これが「やらせ」場面ではないのかという疑念が指摘されていた。

ここの場面について、BPOが公表した「意見」を読んでみると、

(3)B氏の追跡インタビューの撮影状況
その後、共用スぺースで待機していたB氏が相談場所から帰る背後から、記者が走
って追いかけて呼び止め、事務所内で直接聞いた相談内容に基づき、犯罪につながる
話だという認識はお持ちですか、とただす場面が撮影された。
これに対してB氏は、生きて行くためには仕方ないなどと答えた。
この場面の撮影についてB氏は、記者より、この後に行く打ち上げのための店を探
してくださいと言われ、スタスタ歩いていたところ、突然背後から記者とカメラマン
が追いかけてきてマイクを向けられ、驚いたが、アドリブで対応したと述べている。
また、B氏は、記者からの突然の質問の趣旨について、出家により多重債務者が新
たに金銭の借り入れができるようになるのは問題であり犯罪にも近いと指摘して、広
く番組の視聴者に対して警鐘を鳴らすことが目的であると理解し、その趣旨に添うよ
うにアドリブで答えたと述べている。

出典:BPO放送倫理検証委員会によるNHK「クロ現」”出家詐欺”報道に関する「意見」
http://www.bpo.gr.jp/wordpress/wp-content/themes/codex/pdf/kensyo/determination/2015/23/dec/0.pdf

記者ときちんと打ち合わせがなかったとしても、

B氏は記者の撮影意図を瞬時に理解し、生活に困窮して切羽詰まって”出家詐欺”の拠点に相談にきた人間を「演じていた」のだ。

これを「やらせ」と呼ばないなら、なんと呼ぶのだろう? 

そう考えるのが、一般の視聴者の素朴な感覚に違いない。

今回、BPOが指摘したのはそういうことである。

この疑惑の調査が、もしもNHKが行う調査報道のドキュメンタリーの取材だったとしたら、と考えてみよう。

ドキュメンタリーの取材で取材者がこの事実をつかんでいたら、番組制作にあたってその場面をわざわざ作品から落としたり、見逃したりするわけはない重要な場面のはずだ。出席者は誰でどんな会話がなされたのか、でNHK記者とのA氏、B氏との関係が明らかにできる重要な場面のはずだ。

それにもかかわらず、NHKの内部調査の報告書ではわずかにふれてはいるものの事実をくわしく説明していない。

また、NHKの内部調査ではBPOが深く考察した「打ち上げ」の意味についても考察していない。

BPOが指摘した「居酒屋での打ち上げ」について、NHK内部の調査報告書ではなぜくわしく書かなかったのだろうか?

重要な出来事だとは見なさなかったということか?

調査報道では一流の人たちが並ぶNHK。

「居酒屋での打ち上げ」を強調しなかったのは、あえて過小評価した、としか思えないのである。

上層部からの意向が働いた、という理由以外には思い当たらない。

今回、BPOが指摘した問題は「NHKがなぜずさんな調査報告書を出したのか」という疑念に行きつく。

BPOの「意見」が後半で指摘した、政治や行政の介入の影が垣間見える。

それを徹底検証しない限り、NHKの再生はない。

水島宏明
法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
1957年生まれ。東大卒。札幌テレビで生活保護の矛盾を突くドキュメンタリー『母さんが死んだ』や准看護婦制度の問題点を問う『天使の矛盾』を制作。ロンドン、ベルリン特派員を歴任。日本テレビで「NNNドキュメント」ディレクターと「ズームイン!」解説キャスターを兼務。『ネットカフェ難民』の名づけ親として貧困問題や環境・原子力のドキュメンタリーを制作。芸術選奨・文部科学大臣賞受賞。2012年から法政大学社会学部教授。近著に「内側から見たテレビーやらせ・捏造・情報操作の構造ー」(朝日新書)

 

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コメント
 
1. 2015年11月07日 22:22:18 : lPxvgNeYg2
BPOはアベとマスコミの会食も追及しろよ!

2. 2015年11月07日 23:57:16 : aQq0UGoaxY
NHK内部の調査報告書で「居酒屋での打ち上げ」を書かなかったのは、編集権があることだけでは逃げられなくて放送法に違反するから。
本来の放送法はNHKにお灸を据える法律なので、適用されると罰は重い。

3. 2015年11月08日 21:33:30 : IfSzbA63RC
これがやらせで問題がある。としたら民放のお笑い芸人がでてきてうまいとかほめまくる番組はみんなやらせになる。

もう、テレビ番組は、これは全てやらせですとして放送した方がいい。


4. 2015年11月10日 20:48:58 : OO6Zlan35k
NHKはこうして「反知性主義」に乗っ取られた! 前経営委員長代行が決意の告発

2015年11月10日(火) 週刊現代 経済の死角


テレビ報道の「最後の砦」NHKでさえ、いま日本の至るところで猛威を振るう、反知性主義に屈してしまうのか。

籾井会長に真っ向から立ち向かってきた法学者が、重い口をついに開いた。

官邸に叱られたくないから
「NHK幹部の間で、『クロ現』は来年3月末で打ち切りになるという方針が大筋で決まったようです。また同時に、7時からの『ニュース7』の放送時間も短くし、現在の30分を15~20分にするという案が出ている」

『ニュース7』の後、そのまま7時30分から始まる『クローズアップ現代』を見るのが習慣という読者も多いことだろう。

'93年4月の開始から22年あまり、放送回数は3500回を超え、今やNHKの看板番組といわれる『クロ現』。その「打ち切り」について語るのは、東京・渋谷の放送センターに勤務するNHK職員である。この職員が続ける。

「『クロ現』の打ち切り話は、10年ほど前から局内で取り沙汰されていました。それが安倍政権下になってから再燃し、具体化したということです。報道局の職員は抵抗していますが、止められそうにない。『クロ現』は今年3月に発覚した『やらせ疑惑』の不祥事以降、旗色が悪いですから。

また上層部、つまり籾井勝人会長の側近は、『報道番組の時間が短ければ、やらせのような不祥事も起こらないだろう』と話しています。政治のニュースも減るので、官邸からの『お叱り』もなくなる、と」

この職員は「『クロ現』の後番組には、報道以外の番組を入れる方向で調整が進んでいる」とも話す。NHK上層部は、「政権批判を許さない安倍官邸との摩擦を避ける」ためにも、報道番組の放送時間を短縮しようとしているのかもしれない。別のNHK関係者も言う。

「官邸は、籾井会長に対して『次に何かあったらクビだ』と暗に通告しているとも聞きます。つまり上層部にとっては、トラブルの種を潰すという意味でも『クロ現』の打ち切りは都合がいい」

籾井氏は'14年1月のNHK会長就任以来、「政府が右と言うものを左とは言えない」、「(従軍慰安婦は)どこの国にもあったでしょ」と述べるなど、その言動がたびたび議論の的になってきた。

また、籾井体制下のNHKで以前から指摘されているのが「政権からの圧力に屈して、報道の内容を曲げているのではないか」という疑惑だ。

もしも、「政権批判は許さない」という官邸の意向を忖度して、NHK上層部が「『クロ現』打ち切り」を決めようとしているのだとしたら——おそらく「政権による不当な干渉だ」という批判は免れないだろう。

そんな中、声を上げた人物がいる。'12年3月から今年2月まで、NHK経営委員会委員長代行を務めた、上村達男・早稲田大学法学部教授である。

上村氏は経営委員在任中、籾井会長の言動をたびたび批判し、真っ向からぶつかることもいとわなかった。氏が10月下旬に上梓した『NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか』(東洋経済新報社)には、その様子が生々しく記されている。


上村達男『NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか』
本誌は上村氏にインタビューを行った。

反発する者は押し潰す
私は『クローズアップ現代』打ち切りについては耳にしていませんでしたが、番組には出演しましたし、キャスターの国谷裕子さんを高く評価していますので、まさか、という思いです。国谷さんも、内心ではさまざまな思いがあるでしょう。

籾井会長は、番組に口をはさみ、潰すことが自分の権力のアピールだと考えかねないような人物です。そんなつまらないことのせいで、報道番組に割かれる時間が減るようなことは、あってはならないと思います。

NHK内部はいま、ものごとの筋道や手続きを軽んじ、トップに反発する者を押し潰そうという「反知性主義」に冒されていると見られても、仕方ない状況にあります。本来ならば、「不偏不党」を体現すべきNHK会長の地位が、それと正反対の人物に乗っ取られてしまっている。動揺し、苦しんでいる職員がたくさんいるのです。

経営委員を退いたいま、NHK内部の問題について発言するのは、気が重いことです。しかし誰かがやらなければ、取り返しがつかなくなる。私はそう思って今回、声を上げることに決めました。

籾井会長と初めてお会いしたのは、おととしの12月20日に行われた、経営委員と会長候補者の面談です。私は、彼の言葉遣いが少し乱暴なことに違和感を抱きましたが、任命には賛成しました。実はこの面談の際、女性の経営委員の間から、「この人で大丈夫かしら」という声がすでに出ていたんです。女性の勘は鋭いですね。

NHK会長の職は、内部昇格でなければ大企業の幹部クラスの方にお願いするのが通例ですが、嫌がられることが多いんです。責任は重いし、不祥事があると国会に呼ばれて袋叩きにされるのですから。

でも籾井さんは面談のとき、満面の笑みで「うれしくて仕方ない」という様子でした。終始ニコニコしながら、「放送法を遵守する」と、何回も言っていましたね。

「大人」にふるまえない
年が明け、昨年1月25日に行われた会長就任会見で、私は驚愕しました。

籾井会長は、この会見で「(NHKの)ボルトとナットを締め直す」と言いました。その時、まだ彼はNHK内部のことをまったく知らなかったにもかかわらず、そう発言したんです。

誰かに前もって「NHKというのはとんでもないところだ」「最初が肝心だから、ガツンとかましてやれ」などと吹き込まれていたのではないか、と疑われても仕方のない発言です。世間の人も、そう感じたのではないでしょうか。

私はその後、同年3月11日に行われた経営委員会で、「(籾井会長が就任会見で述べた)『右と言われたら左と言えない』という発言や、特定秘密保護法案について『通っちゃったのだから』など、この種の発言は、NHKのトップとして間違っている」と、籾井会長を批判しました。彼は「政府の言うとおりに放送する」と言っているに等しいわけですから。

私の批判を聞いた籾井会長は、相当腹を立てたようで、次の3月26日の経営委員会に、反論を書いた紙を持参してきました。私は残念ながらその紙を持っていませんが、口をきわめて私を批判するような、すさまじい内容だったのは間違いありません。

しかし籾井会長は、その反論文を読み上げようという段になって、いきなり「ここからはオフレコにしてくれ」と言うのです。それで私が「オフレコなどとんでもない」と言うと、今度は「じゃあ読むのをやめる」「(反論が)公表されると、マスコミの餌食になる」と言い出しました。

経営委員に対してさえこの調子ですから、NHK職員に対して、普段どれほどひどい対応をしているか、想像がつくというものです。何せ、理事に対しても「お前なー」という言葉遣いなのです。常に上下関係や敵味方の関係でしか、物事をとらえられないのです。

こうした例は、枚挙に暇がありません。

会長就任からまだ間もないころ、民主党へNHKの予算の説明に出向いたことがあります。その際、籾井会長は、就任会見の発言を質されて「予算の説明に来たのに、何だ!」と怒鳴り始めました。

その後の経営委員会でも、議論の途中で突然興奮し始め、「こんなところにいられない」と席を立って出て行くことがありました。「公人として、もう少し大人にふるまえないのか」と思います。

反知性主義の人物の特徴は、「話し合いや議論では、自分は勝てない」と自覚しているので、「オレは絶対に正しい」と強弁し、人の意見を聞かず、不都合になると怒り出すこと。籾井会長は、このすべてに当てはまる。

「NHKのトップはインテリであるべき」とは思いません。しかし、籾井会長の口からは、「こんな番組が好きだ」「こうすればもっと面白くなる」といった、番組に対する思いを一度も聞いたことがないのです。

普段番組を見ていないせいかもしれませんが、それでいて「NHKの報道は偏向している」という認識だけは持っているのだから、不思議です。

結局のところ、籾井会長の関心は人事だけにしか向いていないように思えます。しかも彼は、「自分に従う者は引き上げ、逆らったり、諫言する者は遠ざける」という、私情にもとづく人事を行って憚らないのです。

安倍総理と似ている
たとえば、籾井会長は就任して早々に、着任してまだ1年足らずだった、秘書室長の大槻悟氏を交替させています。秘書室からの情報漏洩を疑ったせいだと聞いていますが、「籾井会長がプライベートのゴルフで専用車を使おうとしたのを大槻氏が咎めたことがあり、それが気にさわったのではないか」と言う人もいます。

後任の秘書室長・湧川高史氏は、会長の側近として、国会答弁の際などに想定問答集を用意して付き添い、答弁のペーパーを渡す役をしていました。彼はその後、いわゆる「ハイヤー問題」が発覚した直後に退任していますが、二人の様子は「二人羽織」と揶揄されるほどでしたから、ご記憶の方も多いでしょう。

理事の人事でも、籾井会長が理事全員に日付の入っていない辞表を提出させたことが問題になったとき、国会答弁で会長がシラを切り続ける中、最初に辞表の提出を認めた塚田祐之専務理事は、閑職に追いやられてしまいました。

民間企業なら、役員の人事と職掌は取締役会や指名委員会で決まります。しかし籾井会長は、意に沿わない人物に報復ともとれるような人事を行い、局内に「籾井派」を増やすことに汲々としています。遠ざけられた理事の中には、退任の挨拶で涙を流す人もいました。

何でも理詰めで決めるべきだ、と言いたいわけではありません。しかし、世の中には最低限守らなければならないルールや、しかるべき地位の人物が、身につけておくべき徳というものがあります。

法曹界からの反発や、国会での正しい手続きを無視して法案採決を進める安倍総理と、他人の意見を聞かない籾井会長の間には、「反知性主義」という共通点があるように思えてなりません。

私は籾井会長が、「オレは宴会は得意だ」と公言しているのを聞いたことがあります。根は悪い人ではないのだと思います。しかし、彼がNHK会長に向いていないことだけは明らかです。

(後記)本誌報道後、籾井会長は「来年度の番組編成については今、検討している最中。私は『なくなる』とは聞いていない。NHKの看板番組なので、丁寧に扱うと信じている」と述べた。
「週刊現代」2015年11月14日号より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46256


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