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フジテレビ、総務局が内部告発!? 腐敗した上層部の 「やらせ・隠蔽・偽装工作」とは?
http://tocana.jp/2015/06/post_6697_entry.html
「私のところに、フジの総務局から重大な内部告発が寄せられています。昨年の株主総会で質問した16名のうち9名が社員株主だというのです。率にすれば、56%……」
発言に立った株主が、詳しく説明しようとする。
「簡潔にお願いします」「2分を超えております」
大きく声を上げて遮ったのは、株主総会の議長である、フジ・メディア・ホールディングスの日枝久会長である。
6月25日、お台場のフジ本社に接する、ホテル・グランパシフィック LE DAIBAで、フジ・メディア・ホールディングスの第74回定時株主総会が開かれた。
■陰鬱な空気の中始まった総会
午前10時、株主総会は事業報告から始まった。映像を使って華々しく見せようとも、フジの事業の中核である、放送や映像音楽事業、広告事業などが減収という事実は隠しようもない。広い会場には、ただただ陰鬱な空気が広がっていく。
株主提案について、提案した株主本人がマイクの前に立ち、説明を始める。実質子会社の産経新聞社会長に飛ばされた太田英昭社長(68歳)を除くすべての取締役と、今回、在任12年の任期満了となった茂木友三郎監査役(キッコーマン取締役名誉会長、80歳)が再任されようとしていることに、複数の株主から異議の声が上がる。70代80代と高齢なだけでなく、株主総会に出席しない者も少なくないのだから当然だろう。
その中で、「社員株主に関して、定款を変更すべきだ」という提案があった。これは、フジの株主総会では毎年のように問題になっていることだ。社員株主とおぼしき者が多く指名されて発言し、議決を取る際には会場からの拍手で会社提案が通る。拍手している者の多くも社員株主なのではないかと疑われているのだ。
株主提案は、定款に以下の文言を加えるよう求めている。
「株主総会の運営に当たっては、総会議長は当社の社員(従業員)株主や関連会社の従業員株主、当社及び関連会社従業員の経歴を有する、いわゆるOB株主等を指名しないように留意するとともに、万一、これらの者を指名した場合には、その所属、役職等を開示するものとする」
その理由は、こう書かれている。
■質問者の56%が社員株主
「岩波書店発行の総合月刊誌『世界』の平成20(2008)年11月号掲載の記事『テレビに反省はない−フジテレビ持株会社誕生の陰に』によれば、当社の認定放送持株会社への移行を決議した、同年6月の株主総会で、14人の質問者のうち実に9人が社員(従業員)株主であり、その全員が従業員であることを隠蔽し、さらには、そのうち2名が『フジテレビのファン』と、より積極的に身分を偽装していたことが発覚している」
この提案の説明に立った、株主の松沢弘氏から冒頭の発言が飛び出したのだ。
「昨年の株主総会について、総務局が作成したメモを入手しました。昨年の質問者は16人。そのうちの2番目、3番目、5番目、6番目、8番目、9番目、10番目、11番目、14番目。つまり質問が認められた16人のうち、9人、率にして56%が社員株主だったんです。リハーサルをやって、日枝さんが社員株主を多く指名するようにしていて、一般株主が質問する機会を奪っている」
この発言を、日枝会長は何度も大きな声で遮った。そして、最後までこの疑問に答えることはなかった。ちなみに、「会場設営や運営の事前確認」との理由で、リハーサルを行っていることを会社側は認めた。
この批判にそれなりに配慮しようとしたのか、例年よりは、多くの質問が認められた。業界用語を使い慣れたいかにも社員株主とおぼしき者も目立ったが、フジの姿勢を批判する一般株主も少なくない。
まだまだ質問しようと、手が上がっている。その時に「動議!」の声が上がり、日枝会長が指名する。男性がマイクの前に立った。
「議論は尽くされたと思いますので、採決に移るべきではないでしょうか」
日枝会長はこの動議を採用した。それまで、一般株主からの議長不信任動議などには、すべて反対し、会場からの拍手だけで否決に持ち込んだのに……。
■少ない拍手に「賛成多数」の矛盾
それからは例年と同じ光景が繰り返された。会場からの拍手で「賛成多数」として、会社提案が通っていく。拍手している者の数は、数えられていない。ざっと見渡したところ、拍手している者は全体の4分の1以下にしか見えないのだが……。「株主総会議事録は、積極的に、全ての株主に対して速やかに開示するように」という、明らかに株主に有利な提案にさえ、会社側の「反対」という意見に同じように拍手が起こっている。
最後に「動議」の声を上げたのは、何者なのか? 徹底的に議論がされるのを望むのが、普通の株主感情だ。もし議論に飽きたなら、帰ればいいだけだ。実際に帰って行く株主も見えた。数も数えない拍手だけの採決に、どうしても参加したいというのも、理解しがたい。彼が、社員株主ではないと考えるのは、ちょっと無理があるように思える。
フジの株主総会は、日枝会長の独裁の下、社員株主によって動いている。この日はそれが、白日の下にさらされた、と言えるのではないか。
(深笛義也)
■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか? 革命か? それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ。
[TOCANA 2015/6/26]
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