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危険水域のフジテレビ、ついにプライド捨て他局の“後追い”連発で、さらに視聴率崩壊
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150523-00010004-bjournal-ent
Business Journal 5月23日(土)17時30分配信
今に始まったことではないが、似たようなテレビ番組が増えている。最近では、「世界」と名をつけるものが目立っている。1986年4月開始の『世界ふしぎ発見!』(TBS系)、90年7月開始の『世界まる見え! テレビ特捜部』、01年4月開始の『ザ! 世界仰天ニュース』(共に日本テレビ系)のような長寿番組も健在だ。
これらに加えて、2013年4月開始の『世界の日本人妻は見た!』(TBS系)、14年4月開始の『世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!! 視察団』(テレビ朝日系)のように、ほぼ毎日“世界”に関する番組が放送されている。テレビ局関係者が話す。
「かつては『なるほど! ザ・ワールド』(フジテレビ系)のように、世界の意外な話題や場所を紹介する形式が主流でした。昭和の頃は円安基調でしたから、今とは比べ物にならないほど海外旅行にお金が掛かった。だから、視聴者はテレビでの擬似体験を求めたのでしょう」
『なるほど! ザ・ワールド』は83年12月27日に番組最高視聴率36.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)を記録。その後も高視聴率を残していたが、番組終了が決定する96年頃には10%台前半にまで下降していた。
その背景には、85年9月のプラザ合意以降の急激な円高があった。実際、86年には日本人の海外旅行者数が初めて年間500万人を突破。わずか4年後の90年には倍増し1,000万人を超えた。95年4月には、1ドル79円台に突入する円高が起こり、この年に海外旅行者数は1,500万人に達した。つまり、わずか10年で3倍増となったのだ。こうした社会背景は、96年に『なるほど! ザ・ワールド』が終了したことと無関係ではないだろう。
このように、テレビ番組は世相を上手く捉えたときにヒットし、時代が変われば求められなくなるのだ。そして最近の“世界”番組には、80年代とは違う世相が現れている。
「外国人が日本の良いところを褒めたり、世界でがんばっている日本人を取り上げたりする傾向があります。庶民の体感景気が落ちて久しく 、『自分たちを誇らしく思いたい』という深層心理に訴えているためか、視聴率を取れるコンテンツになっていますね」(同)
●他局の後追い番組が増える背景
しかし、あまりにも増え過ぎたため、最近では視聴率の取れない“世界”番組も少なくない。昨年10月放送開始の『不思議探求バラエティー ザ・世界ワンダーX』『さまぁ〜ずの世界のすげぇにツイテッタ〜』(共にTBS系)は、ともにわずか半年で終了。フジテレビは3月22日、『世界で発見!びっくり超人大集合』という特番を放送したが7.9%と伸びず、4月からゴールデン帯に昇格した『世界HOTジャーナル』は、視聴率4〜5%台と低迷が続いている。
「今は視聴率の取れない時代なので、各局とも冒険をしづらくなっています。そのため、会議で新しい企画をプレゼンしても、『その番組で本当に数字が取れるのか?』と徹底的に聞かれます。その時に“世界”の番組は、他局で高視聴率を取っている番組も少なくないので通りやすい。でも、増殖すればするほど、後発番組は不利ですよね。既視感ありありですから。特にフジやTBSといった不調の局は最近、他局の後追いになる傾向が強い。そして、低迷する。昔は、両局とも『後追いはしない』というプライドがあったのですが、今ではすっかり変わってしまいました」(別のテレビ局関係者)
時間が経ってからの後追いは、微妙に変わり続ける世相を読んでいるとはいえないだろう。
「最近のフジやTBSは、『他局で成功している』という安心感だけを頼りに新番組を制作したり、企画を立てているように見受けられます。それでも昔なら、他局と同じような番組でも、フジやTBSは資金力豊富なのでタレントのブッキング力で上回れました。でも、今はキャスティングで視聴率の上がる時代ではありません。こうした背景が両局の視聴率低迷につながっているのではないでしょうか」
80年代には時代を掴んでいたフジテレビとTBSも、いつからか世相を読めなくなってしまったのだろうか。
(文=編集部)
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