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「号泣会見」野々村元県議をフジテレビが追い回す 「助けて」と絶叫、記者と接触「痛い、痛い」
http://www.j-cast.com/2015/03/23231113.html?p=all
政務活動費を巡る「号泣会見」で世間の注目を浴びた元兵庫県議・野々村竜太郎氏に対して、フジテレビの番組が「アポなし取材」を試みた。
野々村氏は会見後、メディアの前に一切姿を見せず、政務活動費の不適切な報告について詳しい説明をしていない。ただ、約束なしに同氏を直撃して追い回すような強引さに、インターネット上では「やり過ぎ」との批判も出た。
■番組側は、アポイントなしの取材を試みる
“「助けて。マスコミ、カメラ、テレビ局が来てる。助けて」
絶叫気味に集合住宅内の通路を走り、階段を駆け下りるひとりの男性。黒の帽子とコートに身を包み、帽子に隠れていない後頭部の一部を見る限り、髪はそり上げているようだ。これが、号泣会見から232日ぶりにカメラがとらえた野々村氏の姿だった。
映像は、2015年3月22日放送の「MR.サンデー」(フジテレビ系)で流れた。記者は野々村氏を追いながら「どうして会見で嘘をつかれたんですか」「ちょっと話をきかせてください」と声をかけるが、野々村氏は一切応じず、ときどき走っている足を急にとめて記者に「体当たり」するようにぶつかったり、カメラに対して手で払うしぐさをしたりする。記者と接触すると今度は「痛い、痛い」を連呼。さらに携帯電話で誰かを呼び出すそぶりを見せ、それでも小走りをやめようとしない。
番組側は、アポイントなしの取材を試みたようだ。それ以前に何度も手紙で取材を申し込んでいたが返答はいっさいなく、「苦肉の策」として同氏が住む集合住宅に直接足を運んだという。
野々村氏に対しては兵庫県警が2015年1月、詐欺などの疑いで書類送検した。県議時代の2011年度以降に受け取った政務活動費1834万円は、既に全額返金していたため、逮捕は見送られた。一方で「Mr. サンデー」では、政務活動費の使い道を裏付けるため同氏が提出したクレジットカードの明細書のコピーを検証。毎日、スーパーで少額の買い物をしていた様子が分かるが、1か所だけ「17万円」の引き落としがあった。
そこにも、日ごろ使っているスーパーの名前がある。だが番組では、コピーの印刷がその部分についてのみ不自然なこと、書類は明細の本書でなくコピーで許されることなどから、スーパーの部分だけ上から張り付けて本来の支払先をごまかしたのではないかと指摘した。隠された支払い用途は、自分の「国民年金保険料」の疑いがあると報じた。
■NHKも小保方氏を追い回した末に「謝罪」
番組に対するネット上の意見は割れた。「死ぬまで追い回してやれ」「相変わらずじゃねえか」と、真相を一切語ろうしない野々村氏への怒りや非難が書き込まれた。逆にフジテレビの報道姿勢に「やり過ぎだ」「気分悪い」と首をひねる人も少なくない。住まいにまで押しかけて、逃げる姿を追い回しカメラに収めるのは「弱い者いじめ」に映るようなのだ。
「どっちもどっち」との声もある。納税者への説明責任を果たさない野々村氏、取材の約束をしないまま突然自宅に向かい、とにかく野々村氏の「独占インタビュー」を撮ろうとする「何でもアリ」のフジテレビ。双方にあきれたとの意見もあった。
メディアが取材対象の許可なく相手を直撃し、ちょっとした騒動となったケースは2014年7月、当時「STAP細胞」論文問題で渦中にあった元理化学研究所、小保方晴子氏とNHKの間でもみられた。NHKを名乗る撮影スタッフが数人で小保方氏に取材だと迫り、路上からホテルの建物内に逃げ込んだ小保方氏をトイレまで追い込んだと同氏の代理人を務めていた弁護士が当時、明かした。小保方氏は「強硬脱出」しようとした際に相手と衝突し、けがも負ったそうだ。その後NHK記者らが弁護士のもとへ謝罪に訪れたという。
[J-CASTニュース 2015/3/23]
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