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世論の誤誘導を仕掛ける経済評論家とマスコミ
http://www.asyura2.com/13/hihyo14/msg/490.html
投稿者 taked4700 日時 2014 年 11 月 11 日 22:36:01: 9XFNe/BiX575U
 

http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/12174112.html
世論の誤誘導を仕掛ける経済評論家とマスコミ

 優れた評論をされている方も多くいるだろうし、隠された実態を勇気をもって報道されているマスコミも存在すると思う。しかし、最近はかなり頻繁に明らかに世論の誤誘導を意図しているとしか思えない記事がある。その一つとして、石川和男の霞が関政策総研「マスコミは“原発停止の悪影響”から逃げるな!国富流出はすでに『消費税5%分、1日100億円』」( http://diamond.jp/articles/-/61846 )を取り上げよう。多分かなり有名でメディアにも頻繁に登場する方が書かれた記事だ。

 明らかな誤誘導が二つある。一つは「原発停止に伴う火力発電用の追加燃料費について、2011年度から14年度の累計で12.7兆円に上る」とし、この12.7兆円を「『12.7兆円』とは、消費税5%分に概ね相当する規模であることがわかる」と評価していることだ。消費税5%分とは一年間での消費税率5%分のことで、これが12.7兆円になる。ところが、追加燃料費の12.7兆円は「2011年度から14年度の累計」、つまり4年間分だ。こういった比較が許されるのであれば、現状が続くと仮定して将来40年分の追加燃料費は127兆円になるから、消費税比率が50%になったのと同じだということが出来る。本来なら、同じ1年での金額で比較しなければ意味がなく、現状での追加燃料費は年間3.5兆円ていどなので、消費税額の1.5%程度だ。1.5%程度を5%と言ってしまうのだから、これは明らかな誤誘導だろう。

 実を言うと、最初この記事を読んだとき、石川和男氏が勘違いをされてこう書かれたのかと思った。しかし、読み進むうちにこれは故意のものだと考えざるを得なくなった。その理由がもう一つの誤誘導の例だ。それは「液化天然ガスや原粗油を中心とした輸入の増加が(輸出を)上回ったことから、貿易収支は赤字幅を拡大」としている点だ。原発停止の悪影響というのであれば、各年度の追加燃料費が貿易赤字にどの程度影響しているかを見るべきであり、単に「液化天然ガスや原粗油を中心とした輸入の増加」を見るととんだ勘違いを起こすのだ。なぜなら、「液化天然ガスや原粗油」には原発停止を補う火力発電燃料以外のものである車の燃料や暖房に使うガソリンや灯油、軽油など、が多くあるからだ。また、化石燃料の輸入は多分100%ドル建てで行われていて、円安に振れればそれだけ輸入金額は膨れ上がる。こういったことは日本政府自体が認めていて、資源エネルギー庁の2014エネルギー白書の「第1部 エネルギーを巡る状況と主な対策 第1章 エネルギー基本計画の背景にある諸情勢 第2節 東京電力福島第一原子力発電所事故及びその前後から顕在化してきた課題」( http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2014html/1-1-2.html )では、「電源として海外からの化石燃料に依存する割合についてみると、震災前(2010年度)は約6割だったものが、2013年度には約9割に急増」し、「原子力発電の停止分の発電電力量を火力発電の焚き増しにより代替していると仮定すると、海外に流出する燃料費は、2013年度で約3.6兆円と試算」するとしている。この約3.6兆円という数値は石川氏の記事でも2013年の追加燃料費の額としてあげられている。ただし、このように増加した理由としては石川氏とは違った説明をしていて、「震災前と比べて鉱物性燃料の輸入額が増加した要因としては、原子力発電所が停止した結果として火力発電を焚き増したために燃料輸入量が増加したこと、原油やLNG等の燃料価格が上昇したこと、為替相場が円安方向に推移したことなどが考えられます」とし、燃料価格そのものの値上がりや為替相場が円安になったことをあげている。

 貿易赤字の原因は原発停止による化石燃料輸入増ではないという分析はいろいろな方がやられていて、ちょっとネット検索すればかなりきちんとした記事がすぐに読める。例えば、「巨額貿易赤字の主原因は原発停止ではない」( http://oceangreen.jp/kaisetsu-shuu/Boueki-Akaji.html )とか、「『原発停止による 3.6 兆円の国富流出』試算の検証」( http://jref.or.jp/images/pdf/20140313/JREF_Proposal_fuelcost_2014MAR13.pdf )などだ。特に二番目の資料では「自然エネルギー財団の試算では、節電等による減少分を考慮すると、燃料費増加額は 2.4 兆円となる。ここから更に価格要因を除けば、1.6 兆円となる。」としていて、その根拠となるデータをあげている。つまり、エネルギー白書で言っている約3.6兆円でさえ、過大な評価であり、原発停止による余分な化石燃料費増加分は1.6 兆円でしかないと言っている。

 なぜ、こういった誤誘導が行われるかと言ったら、それだけ、マスコミや評論家の方たちへの圧力が大きいからだろう。自分が上に書いたようなことは、そもそも、ダイヤモンドオンラインの編集部が記事掲載時に気が付かれたはずのことだ。編集部も承知でやっている世論の誤誘導であり、日本社会全体へ原発再稼働をやらせようという圧力がかかっている。しかし、日本で原発再稼働はあまりに危険だ。こうやって明らかなウソをついてまでやらせなければならないということ自体が、原発再稼働の危険性をよく表している。

2014年11月11日22時05分 武田信弘   

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コメント
 
01. 2014年11月12日 10:58:43 : NUVRlWtXnw

世論の誤誘導

http://wellaware1.com/snow.shtml


02. 2014年11月13日 16:04:45 : u41ShKyHb2
日本は何故基地と原発を止められないのか、矢部宏治氏の著書を読めば日本が如何に独立していないか解る。必読です。

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