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お粗末な日本の外交と貧弱なメディアの情報拠点
http://www.asyura2.com/13/hihyo14/msg/486.html
投稿者 フランクリン 日時 2014 年 10 月 24 日 13:16:30: YsxokeAxLx13M
 

日本が経済大国だと自惚れて油断していた間に、世界における経済活動の衰退は目に余るものがあり、中国や韓国に市場を奪われてしまった事実があるが、それが顕著に現れているのがアフリカや東南アジア諸国においてである。その一例がカンボジアにおける市場シェアーと投資状況で、何と中国の15分の1で韓国の8分の1でしかなく、カンボジアへの日本からの直行便はゼロだが、中国や韓国は一日に二便もるということだ。それ以上にお粗末なのは情報拠点としての役割であり、日本の新聞社で特派委員を駐在させているのは一社もなく、カンボジアの首都のプノンペンの情報カバー能力は、限りなくゼロというかゼロそのものなのだということになる。しかもそれ以上の衝撃的な事実としては、通信社の共同通信でさえ一人も日本人記者は常住しておらず、すべて現地人任せという驚くべき手抜きがまかり通っている。だから、日本の外交の杜撰な状態をみごとに現していたのが、外交を売りものにしている安倍外交のいい加減さであり、昼過ぎに現地に到着して翌朝早々にプノンペンを飛び立ってしまったという、まるで夜逃げか空き巣狙いのようなカンボジア訪問がやられていたというのだ。そうなると新聞報道として記事になったものは、同行した随行記者団による提灯記事に過ぎなかったということで、そんな政府宣伝を読まされていた読者は全く馬鹿にされていたのであり、これが安倍が得意とする情報操作によるヤラセ記事を読まされ、安倍外交のプロパガンダで洗脳された日本人は哀れだ。
こういう情けない事実は日本では全く報道されておらず、偶然に開いた中国の政治についてのインターネットの記事の中の後半部で、カンボジア問題についての記事の中に日米の国際記者の対話の中に、それを論じた興味深い指摘を発見したのだった。

http://www.asyura2.com/14/china4/msg/830.html

<引用の貼り付け>
・・・・・(前略)・・・・・・
藤原 中国の日本の企業も同じ罠に落ち、逃げ出すのに悪戦苦闘しており、脱出先の国で賃上げが進めば、移転への意欲が減退するだろう。しかし、それ以上に威力を持つ拐?戦法は、タイの政情を混乱させて不安定にし、中国国内とタイへの日本の投資が、人質になるシナリオの持つ効力です。これが発動される事態になれば、安倍が考える幼稚な軍事強化などは、全く愚かな自滅行為になります。
 フンセンの狡猾さを知らないで、経済援助を口実に札東を積み上げ、カンポジアを軽く見る外交は、禄な結果にならないというのに、日本政府は、フンセンを軽視して来た。
昨年一一月のカンボジア訪問で、昼過ぎに空港に到着した安倍首相は、日本人の慰霊塔に献花してから、フンセン首相や国王と会った。だが翌朝早くラオスに向かい旅立ち、まるでツムジ風みたいだった。現地の記者の立場で観察したあなたは、あの時どんな印象を持ちましたか。
ベッカー  日本人は至ってお人好しだから、フンセン首相が何を狙って歓迎し、心の中で何を考えていたかは、分からなかったに相違ない。片手間が見え見えのスケジュールは、礼儀知らずのー方的な訪問だったが、援助の点では「ネギを背負った鴨」だった。フンセンは笑顔で相手をしていても眼光は鋭く光っており、安倍首相レべルなら扱い慣れ、料理しやすいと読んだはずだ。何しろ、半年前にフンセンが北京を訪問した時に、二十億ドルの援助と投資を引き出し、次は日本からどんな提案があるかと、待ち構えていたに決まっている。そんなところにバタバ夕と訪れて、友好や援助の美辞麗句を並べても、そんな相手は幾らも扱い慣れている。日本側の情報力の無さについても十分に知り尽くしていたはずです。
藤原 それ確かでしょう。大使館やジェトロはあっても、プノペンに日本の新聞の特派員は皆無で、共同通信のプノンべン支局には三人のカンボジア人がいるが、日本人は駐在していません。商社の支店や日本の企業などが、ビジネスとして進出していても、情報力では全くお粗末です。これだけ対日感情が素晴らしく、カンボジア人が日本を敬愛し、日本レストランも沢山あるのに、大半の経営者は華僑か韓国系です。しかも、中国や韓国から日に二便あるのに、日本からの直行便はない。
ベッカー でも、日本人は地味な仕事を誠実に行い、水道などのインフラつくりを担当して、現地ではそれが評価されており、ボランタリー活動も熱心です。こういう民間レベルの協力が、今後どんどん増えることにより、両国の関係が良くなればいいと思う。そうすれば真の友好と親善が育って、中国包囲網の強化などという、低級なレべルの発想から抜け出し、日本人の持ち味が活かせます。
 ただ、かつては立派で誠実な日本人がいたが、最近は金儲けの投資や進出が日立つので、日本生まれの私は歯痒いです。また、自信がないのに虚勢を張って視点が見定まらない首相よりも、皇室外交の方が遥かに優れ、それをやらない限り活路はない。カンボジアヘの日本の投資に較べ、中国は十五倍で韓国でも八倍です。獰猛なシナ人や韓国人には勝てないし、狡猾な欧米にも出し抜かれてしまう。・・・・・・・・ (後略)
<貼り付け終わり>

安倍外交といって派手に宣伝している安倍の外遊の実態は、実に杜撰で身勝手な内容のものに過ぎなかったのであり、それは日程について検討してみればはっきりすることだ。カンボジアの首都であるプノンペンの訪問の内容というのが、午後に到着して慌ただしく行事に参加した写真を撮り、翌日の朝早く夜逃げか空き巣狙いのようにぶノンペンを発ち、次の訪問予定のラオスに向かったらしいことからしても、自分の都合だけで勝手に行動して援助資金をばら撒いて歩く、極めてお粗末なモノだったらしいことが分かってしまう。しかも、プノンペンには駐在している日本人記者が皆無だというのだから、記事を書いた新聞記者は政府専用機に同乗した随行記者団に違いなく、それではまるで計画的なやらせ記事ではないか。そんなものを読まされて政府の宣伝で洗脳されたのでは、読者としてたまったものではないと言えるだろう。安倍がやっている外交の実態が大慌てのドタバタだったことは、安倍内閣が発足した段階ですでに明らかだった。

<貼り付け>
米中急接近に大慌て 安倍外交 救いがたい無能ぶり
(日刊ゲンダイ2013/6/11)
安倍首相はオバマ米国大統領の外交戦略を完全に読み違えた。米中首脳会談での習近平中国国家主席に対する厚遇ぶりを見て、日本の外交当局者は焦っているはずだ。安倍が日米同盟を過大評価し、「歴史認識」や「尖閣」で中韓への敵対姿勢にかまけているうちに、米中韓が接近。日本は置いてきぼりだ。
ネクタイを外したワイシャツ姿でリラックスして歩くオバマと習近平。かつてのロン・ヤス(レーガン・中曽根)会談やブッシュ・小泉会談を思わせる和やかなムードである。その立場を、安倍は中国に取って代わられた。
「米国の外国要人への対応にはレベルがありますが、今回の習近平氏への待遇は最高レベルでした。米中は『新たな大国関係』の構築を模索することで一致しました。米国は相当な覚悟で中国との関係を組み替えようとしています」(外交関係者)
その証拠に、今回の米中首脳会談は米国側からの提案だった、とドニロン米大統領補佐官が明らかにした。だから米側は至れり尽くせり。西海岸・パームスプリングスの保養所を会談場所に用意し、オバマはわざわざ東海岸のワシントンから米大陸を横断。2日間で8時間もの濃密な時間を過ごしたのだった。会談で「米国が尖閣で中国の自制を促した」と日本政府は喜んでいるが、まったく別の見方もある。折しも、1971年、米国と台湾が繊維交渉でモメた際、米国は日中の尖閣問題を“利用”しようとした歴史的事実が明らかになった。米中急接近で再び、米国が尖閣を巡るスタンスを中国寄りに変える可能性も指摘されている。

◆尖閣も絶望…気がつけば日本だけがひとりぼっち
元外務省国際情報局長の孫崎享氏もこう言う。
「日米は民主主義という価値観を共有しているから、米中よりも緊密な関係を築けるという見方が国内にありますが、その時代は終わりました。安倍政権は、元国務副長官のアーミテージやマイケル・グリーンといった『ジャパンハンドラー(日本を操る人たち)』の意見を聞いて尖閣の緊張を高め、タカ派姿勢を強めてきた。中国に厳しい態度を取れば米国が評価してくれると思ったのです。しかし、民主党ではない彼らと、オバマ政権中枢は考え方が違う。その読み間違えが今回明白になりました。オバマにとって経済的にも安全保障面でも最重要は中国です。北朝鮮問題は中国にやってもらうしかない。イラン、シリア、トルコの問題で中国に勝手に動かれては困るので、中国と対立することはないのです」
その北朝鮮問題では、あす(12日)、南北閣僚級会談が6年ぶりに開催されることになった。北と韓国の当局者が正式に会うのである。飯島参与を非公式に送り込み、暴露されて恥をかいた安倍政権とは大違いだ。
「飯島氏の訪朝は、特使でもなく、安倍首相の親書すら渡していないので、あれから1カ月経っても何も動いていません。一方韓国は、飯島訪朝に批判的だったのに、結局、当局者会談を設定し、日本の先を行っている。つくづく日本の外交力のなさを思い知らされます。これでは、北朝鮮どころか米韓からも相手にされなくなるでしょう」(コリア・レポート編集長の辺真一氏)
今月27日には韓国の朴槿恵大統領が訪中し、習主席と会談する予定だ。世界の景色はガラリと変わってきた。日本の孤立化は深刻だ。
<貼り付け終わり>
そしてこんな杜撰な人気取り外交をやりまくったために、あっという間に予算を使いまくつてしまったことも明らかになり、いかに税金が無駄に費やされてしまったかをメディアは追及せず、安倍外交という提灯記事の羅列に明け暮れてきたのだった。これは外遊費だけであり数兆円の経済援助は含まれていないのだ。

<貼り付け>
『安倍晋三首相の外遊にかかる平成25年度の宿泊予算がすでに底をついていることが22日、分かった。
首相が掲げる「地球儀外交」の影響により海外出張が例年をはるかに上回っているためだ。来年1月には中東やアフリカ、インドなどへの訪問を控えており、政府は他の予算を切り崩して捻出する必要に迫られている。
 首相の海外での宿泊費は内閣官房の「内閣総理大臣外国訪問等経費」から支出され、25年度は3450万円。政府関係者によると、年度の4分の1の期間を残して宿泊予算が枯渇した例は近年では珍しいという。
 昨年12月に再登板した安倍首相は今年に入り、東南アジア諸国連合(ASEAN)の全10カ国をはじめ、延べ29カ国を訪問した。在任が1年3カ月だった野田佳彦前首相と菅直人元首相のそれぞれ延べ16カ国と8カ国、9カ月だった鳩山由紀夫元首相の同11カ国と比べても、安倍首相は突出している。
 政府は26年度の宿泊予算について約600万円増の4070万円を充てる方針だが、首相は周囲に「今後もドンドン海外に行く」と話しており、26年度も途中で予算が枯渇する可能性がありそうだ。
 防衛省が管轄する政府専用機の関連予算も窮迫している。天皇陛下や皇族方がご利用になられる分も含めた政府専用機の燃料費は、24年度が約16億円だったが、「25年度はそれを大きく上回ることは確実だ」(防衛省関係者)という。(産経新聞13年12月23日)』
『1月9日から約1週間の日程で中東とアフリカを歴訪、25日からはインドを訪れて憲法公布の記念式典に出席する。そのため、政府は他の予算を切り崩して外遊費用に充てる方針だという。
「総理は1月22日からスイスで開催されるダボス会議にも行きたいと言っている。できれば施政方針演説や代表質問の前は外遊を控えて欲しいが、総理は海外に行くと元気になるので止められません」(官邸関係者) (中略)
 「海外に“行くな”とは言いませんが、頻繁な外遊に見合った成果があったでしょうか。肝心の中韓や米国との関係も一向に改善されていない。安倍首相は<空いた日は外遊・内遊で埋めてくれ>と言っているそうです。つまり、出かけることが目的の自己満足です。そりゃあ、海外に行くとチヤホヤされて気分がいいでしょう。しかも、首相は行く先々でODAなどの大盤振る舞いをしている。国民には増税を押し付けて、福祉もカット。それでいて、自分は海外豪遊が許されると思っているなら考えが甘い。到底、理解を得られません」(日刊ゲンダイ13年12月24日)』
これも特派員を配置して海外に情報拠点を充実させないままに、政府の宣伝に使われる随行記者団に頼って記事を作ってきた、日本のメディアの持つ致命的な欠陥を利用し、情報を操作し続けている権力者に悪用されている日本のメディアの体質が、国民を裏切る結果を産んでいるのではないだろうか。、
 

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コメント
 
01. 2014年10月24日 18:15:03 : 9znkOphpKM
孫崎氏の分析はなかなかだね。
中国はロシアと緊密になっているが、だからといってプーチンの思惑を易々と受け入れているのではない。
あくまで是々非々、ウクライナのクリミアのロシア併合問題でも中国はロシアの意見は充分尊重するといいつつも安保理でクリミア非難決議を棄権した。
プーチンとしてみれば中国にも一緒に反対して欲しいと事前に根回ししたようだが、習近平は最後まで首を縦に振らなかったようだ。
あのイケイケのプーチンでさえ、中国の台頭に一目置かざるを得ない。
これはアメリカにおいても同じことだ。
いや、アメリカのほうがロシアよりはるかに中国の態度に気を揉んでいることだろう。
日本では中国を軽んじる言説が幅を利かしているので、中国が米露に並ぶキープレイヤーになりつつある現実を知らない、というより認めたくないあまりに無視しているといったほうが適切だろう。
韓国は中国との貿易額が日本のそれをしのいで、もはや日本をなんとしてでも必要というわけではなくなっている。
肝心のASEANだが、中国を締め出そうという日本の虫の良い提案を本気でさようですなあと受け入れるなどありえない。
中国の覇権主義は脅威だが、中国だけでなくASEAN加盟国自体が自国や周辺国と争いの種を持ったまま、それを顕在化させずなんとか経済的成長をと望んでいるときに、中国を刺激してよいことなどどこにもない。
東アジアは急激に変わってきている。日本のアプローチは相変わらず旧態依然、対応できない。
マスコミ含めて日本人は情報の孤児である。



02. 2014年10月25日 10:29:17 : YbEu39nyyg
世界の基準からかけ離れたいい加減で杜撰なやり方の独断的な
政治が、安倍政権の手口として罷り通っており、税金のバラマキが続いている。
この手前勝手なやり方が日本の企業全体にも蔓延して、手抜きが蔓延っているが、
一国の首都に特派員が一人もいないというのは、情報の収集と言う点からして致命的な失策だのに、それに気づくことも出来ないとしたら、韓国や中国に圧倒的に差を付けられても当然である。日本人がそれほど劣化してしまった証拠として、お粗末な首相としての安倍晋三が登場していると言うことなのだろう。情けないことだ。

03. 2014年10月26日 13:12:31 : 38WMdrhjnw
この記事の前に登場していた連載記事の内容を読むことによって、いかに安倍晋三がやっている外交が支離滅裂で日本の運命を損なうものあり、ヒトラーを手本にしている中国の独裁者の習近平と一緒になって暴走し、アジアの運命を狂わせようとしているかが良く分かるのである。

http://www.asyura2.com/14/senkyo172/msg/908.html

<記事の貼り付け>

独裁者による国家社会主義化が著しい習の中国と安倍の日本の暴走路線の行方
投稿者 勿忘草 日時 2014 年 10 月 17 日 13:38:05: PfziLYj8A0K0M


伝統的な歴史観によると共産主義と自由主義は敵対しており、二十世紀の世界の政治はこの対立関係を中心に動いてきたという。だが、二十一世紀になるとこの関係は崩れてしまったので、この二極対立は雲散霧消して無くなってしまい、市場経済制度の過度の発展によって、国家社会主義と国家資本主義の混合方式が登場して、中央集権が強化され独裁的なファシズム体制に統一されてしまい、議会制度や民主主義は存在しなくなって、すべての国家がワンワールド体制の下部組織に成り果ててしまった。

http://blog.tumuzikaze.net/index.php?NWO%EF%BC%88%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%9E%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%8D%E5%AE%9F%E6%85%8B%EF%BC%81Prologue

ワンワールド体制の支配者が食い荒らす標的として狙いを定めたのが、アジアにおける独裁支配の傾向が強い中国と日本の政治であり、取りあえずは第一段階としては両国の経済をバブルで膨張させ、紙くず同然の米国の国際を買わせて、有り金を巻き上げようという作戦を行ってきた。25年前にその手口に嵌ってガタガタになったのが日本だが、ここに来て中国のバブルが大崩壊しようという状況にある。こうした経済的な時限爆弾に続いて独裁による破綻という作戦が着実に進み、統治者としての能力は劣るが権力志向だけはダントツの習近平と日本の安倍晋三がトップになったので、この二人にヒトラーとスターリンの役割を与えて戦争体制で争わせて消耗させ、共倒れになった時に完全制圧をしようとしている企みが読み取れる。

共産主義と資本主義の対立と国家資本主義路線を突き進むヒトラーの習近平
http://www.asyura2.com/14/china4/msg/853.html

投稿者 フランクリン 日時 2014 年 10 月 15 日 12:24:33:
安倍がスターリンで習近平がヒトラーだという比較が、画期的な新説として紹介されていた。

http://www.asyura2.com/14/senkyo169/msg/614.html

確かにこれは興味深い歴史の対比論であり、習近平が侵略主義者のヒトラーの役割を演じるならば、今後の日中関係はどのように展開していくかと気になったので、この記事が出ていた「ニューリーダー」という経済誌を入手して、全文を読んでみたところ「平等」と「自由」が、「共産主義」と「資本主義」の対立関係として捉え、現代史における冷戦関係について政治史的に分析した興味深い論考を発見した。この記事を含む論文はとても貴重だと思われるので、以下にその記事を貼り付ければ議論のテーマになる感じがする。
http://www.fujisan.co.jp/product/1281679819/b/1115006/

『ニューリーダー』 2014年8月号
特別対談
太平洋とインド洋を結ぶ国際政治と経済戦略(中)
二一世紀冒頭のユーラシア大陸周辺における地政学
スチュアート・アラン・べッカー ミャンマー・タイムス 営業局長
藤原 肇 フリーランス・ジャーナリスト、慧智研究センター所長

中国の膨張路線と東南アジア諸国連合の役割
ベッカー アフリカの資源地帯への積極的な進出に加え、中国が インド洋で突破口を開くと同時に、 西太平洋の諸島群で覇権主義を広げることが、地政学的に極めて重大問題であることは、これまでの対談を通じて、かなり整理した形で理解ができました。その中で、 東南アジア諸国連合(ASEAN)の役割が、いかに重要かも再確認しました。
 もっとも、藤原さんが指摘された韓国と台湾が腰抜けであるという事実に、世界は未だ気づいていない。その辺をもっと掘り下げたい。また、「アブダクション」という用語についても、具体的な検討が必要だと思います。
藤原 その通りです。だが、そう簡単に論じられない意味論を含むので、歴史的な背景を理解しない限りは、問題の核心を突くのは難しいのです。
ベッカー 常識の穴を埋めることがジャーリズムの仕事で、これまで私はそれをやって来ました。 昨年の末に取材で米国に行き、MITのチョムスキー教授を相手に、インタビュー記事を纏めました。 そして、タイの「バンコク・ポスト」の二月一五日号に、ウィキリークス事件を糸口にして、言論の自由の問題として発表しました。
藤原 あのインタビューは良くまとまっていた。過去半世紀の米国の政策に関し、歴史を簡明に総括したチョムスキー博士らしい発言でした。でも、あの種の鋭い内容の発言は、日本では活字にならない。タイのメディアの言論活動の方が、日本より遥かにマシで、勇気ある言論が躍動している。
ベッカー ありがとうございます。「ベンは剣よりも強い」はずなのに、権力による言論への干渉が強まり、メディアが元気を失う時代です。だが、ジャーナリストは使命感に燃えて、勇気ある発言をすべきです。そこで、日本のチョムスキーともいうべき藤原さんに、私はもっと徹底的にインタビューしておきたい。そして、これまでのインタビューを本に纏めて、 画期的な思想を世に紹介したい。
 それには、死角でもある極東の地政学について、どうしても総括が必要になる。 しかも、そこに中国が関与しているので、東南アジア問題に立ち戻る前に、極東の状况について、是非とも藤原さんのご意見を聞いておきたい。
藤原 三〇年前にコメンテータを辞めたのは、解説するのは気が進まなかったのと、答えは自分で考えるもので、説得より納得が大切だと思うからです。取材されるのは趣味に合わないにが、まあ、良いことにして始めましょう。
ベッカー 座間市で生まれたアメリカ人として、日本の政治にも精通していると思っていた。ところが、藤原さんの『Japan's Zombie Politics』を読み、まるで分かっていないと悟り、凄まじい衝撃を味わいました。まず、愛国心に反する内容の本の執筆動機と、その反応についてまず聞きたい。
藤原 私は物書きではなく観察者で、本など書きたいと思わない。でも誰も書かないから仕方なく書いた。また、あの本は政治の裏面史と共に、日本の隠れた深層心理を論じ、タブーに属す問題に触れているので、日本語版は密かに焚書された。だから、台湾で英語版を作ったのだが、外国人にはタブーが解りづらく、その辺が明らかにならない限り、問題の本質が理解できない。近代経済と富の蓄積の基盤には、麻薬取引と奴隷貿易があったのに、歴史の記述から抹殺されているが、それと似た金脈を掘り当てるためには、困難に挑む勇気と知恵が必要です。

極東における中国の膨張路線と日韓台のトライアングル
ベッカー それではまず台湾と韓国が腰抜けという指摘の根拠についてお伺いします。因みに日本は腰抜けでないのですか。中国に外貨準備やGNPで抜かれ弱体化が目立つ日本ですが、これから何をやろうとしているのか、その行方についても知りたい。
藤原 金儲けという餌に釣られ、台湾と韓国は中国大陸に全面投資した結果、経済的な中国依存の体質が強まり、設備投資した莫大な額の資本が、現実に大陸で人質になっています。米国の市場で経済力をつけ、次に人件費の安い大陸に工場を移し、気がついたら人質になっていた―――これが両国のアブダクションです。人件費の高騰と経営不振で、倒産状態でも逃げられないし、退職金や違約金に責められて、自殺する経営者が増えており、投資家と資金が拐帯された状態です。  日本は単独では進出せずに、言葉のメリットを生かす形で、台湾人や香港の華僑と手を組み中国に工場施設を作った。日本の資本も人質の状態だが、日本人の用心深さによって全面投資はしなかった。韓国人や台湾人に似たような形では、泥沼に嵌まり込んでいない。昔から言われている形容だが「日本人は石橋を叩いても渡らない」のに、「韓国人は橋がなくても川を渡り後になってなぜ渡ったかを考える」、「シナ人は川を渡ってから橋を焼き捨てる」という通りで、民族による違いが読み取れます。
ベッカー カンボジアでもプノンペンには建てかけの高層ビルが何年間も雨ざらしのままで、そういう施工者は決まって韓国系で、 資金難のため途中で放置し、迷惑この上ない。それに対し中国式の投資は、アフリカ進出と同じパターンで、道路建設やダムエ事が中心で、 大量のシナ人を投入する。 そこには領土的な野心が透けて見えるし、 排他的な性格がとても強烈だ。ただ、韓国の島にもシナ人の進出が目立ち、土地を買って国籍まで取るなど、藤原さんの指摘は初めて耳にする話で、ただならない狙いが読み取れる。チベットや内モンゴルと同じで、侵略の変形の膨張路線ではないか。
藤原 それは十分に考えられることです。国内がある程度安定した時に、膨張路線をとったのが、シナの歴史です。
 しかも、内戦から文化大革命を経て、一九六〇年代から八〇年代にかけての中国は、貧困から抜け出すために必死だった。また、三五年前の日本の突出ぶりは、経済力で近隣諸国を引き離したので、 対日バッシングをー手に引き受けて、米国の苛めに痛めつけられた。 だから、台湾や韓国の経済が発展すれば、苦痛を軽減できると考えた私は、アメリカから太平洋を横断して、アジアの諸国に良く出かけた。韓国には三〇度以上も訪れたし、台湾には招かれて二年ほど住み、中国にも二〇度近く訪問した。しかも、信頼できる情報の人脈もあったし、土地勘と住民感情への理解は兵要地誌に基づいて正確だったと思う。
 戦前の朝鮮半島は日本との合併で、一種の植民地的な支配を受けたが、戦後に独立し北朝鮮と韓国になった。文明史観に基づく判断によれば、旧植民地は盟主国の性格を純化し、歴史法則に従って北朝鮮は天皇制の形で、韓国は財閥と公安監視に特化している。しかも、冷戦体制の中で朝鮮戦争が勃発し、三八度線を挟んで両国は敵対して、国境線に近いソウルが首都のために、韓国民の多くは不安に苛まれており、海外移住の希望が圧倒的だ。また、満州を故地に持つツングース族は、遊牧系の騎馬民族で戦士で、山の多い北朝鮮に広く分布している。それに対し倭族に属す農民は、朝鮮半島の南部に定着した後で、そのー部は対馬海峡を横断し、何度も日本列島に波状移住した。瀬戸内海は黄海と玄界灘の延長だから、瀬戸の沿岸には倭族が住み着き、海のどん詰まりに堺の港が位置するし、その奥に倭族がー四〇〇年もの昔に、 飛鳥京や奈良の都を作っている。 ローマ帝国の将軍カサエルが、ドーバー海峡の彼方まで遠征し、ガリアやブリタニアの民を制圧し、植民地化したパターンと同じです。

フランス革命と植民地主義が生んだ民族と国民国家の時代
ベッカー まさに歴史は繰り返すですね。
藤原 シナの歴史も本質は似ていて、兵馬俑を作った秦の始皇帝は、シナの語源のシン(Qin)帝国を作ったし、手本にした古代ペルシア帝国は、中央集権的で好戦的な戦士集団だった。だが、漢と呼ばれる王国時代の末期に、内乱と疫病の蔓延でシナ体制は滅亡し、トルコ系やモンゴル系の遊牧民が、唐や元などの大陸国家を作り上げた。また、シン(秦)帝国の遺民は漢字文化を育て、一部は客家や華僑として離散し、シナ系であることを誇っている。これが歴史における相似象であり、生命体の繁殖パターンとして、時空を超越する力学の下に、文明と文化を構築しています。
 国家や国民は人工的なものであり、言葉は文化として民族に属すし、それと国家が一致するケースは希で、国民はフランス革命に由来する概念です。私の処女作からの読者である、韓国経済新聞社の李揆行社長から、秘密厳守の約束で聞いた話だが、韓国の財閥や軍人を含む高級官僚は、北から来た騎馬族の系統が占め、権力を撮る支記者を構成する。同じパターンはシナの政治にもあって、西欧人には漢民族に見えても、支配者として治める異民族系は、胡錦涛や胡啓立を始め胡耀邦のように、遊牧民系に属す胡族出身だったりする。この不思誰な継解きゲームには、漢字の理解能力が必要になり、これが歴史を読み解く鍵なのです。
ベッカー ただ、その問題に深入りし過ぎると、優生学の罠に嵌る危険があります。
藤原 その指摘はもっともだが、 現在起きている紛争の多くは、国家という伜組みの中における、民族的な個性認知の問題であり、これは近代が抱えた疾病である。これは正統と異端の関係に似て多様性への寛容の問題に属すし、異端審問や魔女裁判の歴史がその問題点を教えてくれています。それは生理と病理に関わって、免疫の問題と共通性を持っており、自己と非自己の関係になるし、ガンの取り扱いに結びついている。現在の西洋医学のガンの理解は、異常な速度で分裂する細胞が、異端だから取り除けと結論し、排除が有効な措置だと考え、共生についての配慮をしていない。これは自由と平等の原理として、常に対立してきた概念であり、自由主義と共産主義の問で、冷戦や熱戦を繰り返してきた。二項対立である自由と平等の理念は、人間レベルでの捉え方であり、より普遍的な概念への発展が可能だ。自由主義は無秩序を指向するし、共産主義は統治や秩序と結び、社会レベルでの信条に属すから、近代人には理解しやすい概念ではある。
 しかし、情報革命が進行して行く時には、世界化で国民国家の枠が崩れて、宇宙レベルの発想が広がる中で、新しいパラダイムが必要になる。無限大と無限小を超える大自然は、ホロコスミックスとして無と空が繁がり、このモデルを使うことによって、ポラリティを持つ自由と平等は、自由度が法則性で置換されます。だから、二一世紀にふさわしい概念として、 平等に代えて法則性(Regularity)を導人し、自由を変則性 (Irregularity)で置き換えれば、 人間や生物界から大自然の宇宙界に、相移転の操作が可能になる。
それをトポロジカルに表現すれば、哲学や思想を図形として顕現するし、動態幾何学の究極モデルとしてトーラスの形での理解になります。
ベッカー 動態幾何学やトポロジーと言われても何のことか良く分からない。もう少し具体的に。

フクシマ原発の爆発と日本政府の嘘と亡国の運命
藤原 奥義は言葉では表現し得ないので、昔からシンボルや寓意図で表し、近代になると方程式を用いている。だが、数式では零と無限はダメだから、普遍原理には幾何学しか役立ちません。そう考え二〇世紀の総括の形で、『ホロコスミックス』と題した論文を書き、 ニューヨークの国際地球環境大学 (IEEU)の紀要に、世紀末の最終年度に寄稿したら、二〇〇〇年一月号に掲載された。そのコピーはあなたに上げてあるし、『月刊 ザ・フナイ』の二〇一二年四月号に、日本語訳が掲載されています。
 また、十数年も前の話になるが、 皇室関係筋の読者から頼まれ、英文紀要に献辞と署名をした上で、 皇太子に献上したいと言われた。
また、この使者が東宮に届けたところ、「既に読んでいる」と言われたと聞き、私は皇室の情報力の凄さに驚愕したし、皇太子の洞察力に目を見張った。オックスブリッジの人材教育の高さや、英国の情報網の持つ人脈には、さすがに凄いものがあると驚いたし、皇室は欧州の王室と繁がりが強い。また、二〇一二年七月の皇太子のカンボジア訪問の時に、あなたは私にインタビューして、皇太子について記事を書いています。それには彼が水に関心を持ち、環境問題の理解の鍵をトーラスが握り、トーラス思考が未来を拓くと論じて、その図を記事の冒頭に使った。あなたはそれを記憶していませんか。
ベッカー 記事と図は記憶しているが、それが自由と平等の問題にまで結びつくとは思わなかった。
藤原 しかも、あなたは3.11 地震と原発事故に触れ、皇太子が環境問題に熱心だと書き、記事の中で人類の連帯を論じて、映画 『スライヴ』まで紹介していた。 環境汚染を憂慮している皇太子は、 フクシマ原発の放射能に対し、生命への影響を心配しています。また、福島の子供は免疫不全で鼻血をだし、被災者を何度も見舞った天皇は、内部被曝のマイコプラズマ疾患で体調を崩しているというのに、政府は汚染被害は軽いと発表し、事故隠蔽の情報操作に懸命です。しかも、安倍は大急ぎで秘密保護法を作り、報道規制を強化したせいで、日本のメディアは報道しようとしないが、ドイツやフランスの記者は福島に乗り込み、事故の真相を暴露し続けている。
 また、チェルノブイリ事故の結果に詳しいので、米国政府は軍人を含むアメリカ人に、福島から五〇マイル(八〇キロメートル)離れろと警告した。 だが、日本政府は、二〇キロメートルなら安全だと、欺瞞に満ちた指導を国民に行い、被曝基準を二〇倍も引き上げた。米国の言う八〇キロメートルが危険地帯ならば、東京や横浜もその圏内に入るので、緊急対策をする必要があるのに、安倍内閣は全く放置しています。しかも三号炉は水素爆発でなく核爆発で、倒壊寸前の四号炉の核燃料は、日本を全滅させる可能性を持つ。その上、日本には五四基の原発が存在するが、震度六の地震に耐える原発はなく、日本は世界一の地震列島である。さらに、核武装のために秘かに備蓄したプルトニウムは山のようにあるし、毎日のように出る放射性ゴミは保管場所さえもない状態という始末です。
 また、連日のように放射能汚染の水が、大量に太平洋に廃棄されて、自然環境を破壊しているのに、日本政府は責任を感じないで、安全だと叫びまわるだけです。それだけでは終わらず、オリンピック開催の妄執に支配され、安倍晋三は五輪招聘のスピーチで、「福島原発の汚染水は〇.三平方キロメートル内に、 完全にブロックさせたので全く問題はない」と胸を張った。 だが、これは言語道断のデタラメで、 嘘の中で虚言が最も悪質だが、安倍は世界に向け大嘘をついた。それはオリンビック開催に合わせて、東京にカジノを作るためです。日本の最大の産業は自動車でなく、パチンコだ。パチンコに続く巨大な賭博利権に、首相や都知事が駆り出され、世界を相手にしたペテンにオリンピックが悪用された。
 米国はゲーム理論を生んだ国だから、戦術的な策略は受け入れるが、騙すための見え透いた嘘は、毛嫌いする性格がとても強烈です。特に原発事故のような深刻さを秘め、文明の死命を制す問題では、 先送りや誤魔化しは許さない。自薦だが警察官の役割を演じる米国にとり、平然と虚言を並べた安倍の行為は、糾弾に値する犯罪行為だった。しかも、全世界を愚弄するかのように戦犯を祀る靖国神社を賛美して、過去に犯した過ちを否認し、驕慢な姿勢を改めない安倍に、アメリカが蓄積した怒りの気持ちは、爆発寸前の状態に達している。なぜなら、東条英機らのA級戦犯が絞首刑になった日に、安倍の祖父である岸信介は、巣鴨の拘置所から釈放されたが、同じ A級戦犯の岸がCIAに、スパイ役を約束したので、絞首刑にならなかった秘話がある。それを熟知する米国政府は、売国奴の血筋を受け継ぐ形で、世襲議員から首相になった安倍を卑下している。
 だから、訪米した安倍をオバマは晩餐に招かず、サミットでも首脳会談を忌避し、独善的な安倍の存在を無視し続けた。この侮蔑のメッセージに加えて、ケリー国務長官とへーゲル国防長宮は、千鳥ヶ淵の戦没者墓苑で献花し、靖国カルトに拒絶反応を示した。だが、 国際感覚のない愚鈍な安倍は、日米の絆が損なわれているのに、追従して貢物を差し出しさえすれば、 米国は喜ぶだろうと錯覚して、集団自衛権を口実に使うことで、米国のご機嫌取りの戦争を口にし、 臨戦態勢を整えようとしています。
ベッカー どうしてそんな馬鹿げた状况が、放置されているのか。 自分たちの運命を守るために国民が抗議のデモを組織するとか、ジャーナリズムがペンの力で、政治の暴走に対し批判をすべきです。

自滅型の極東領域と発展型のASEAN領域
藤原 ブッシュが使った不正選挙を手本に、圧倒的な多数の議席を確保した安倍内閣は、独裁体制を張り巡らせて、国民の洗脳工作を進めています。だから、政治に突破口がないだけでなく、日本版のNSC(国家安全保障局)まで作り、言論統制の上に安倍は君臨して、いわゆる愚民政治が日本を包み、権力による暴政が本格化しています。検察と警察を飼い慣らした安倍は、新秩序を求めて言論統制を張り巡らせ、メディアは牙を抜かれてしまった。先日の『プノンペン・ポスト』の記事に、「日本に小型ヒトラーが登場し、侵略政治が動き出した」と書いてあったが、AFPが配信した北鮮情報でした。よく似た情報が数ヶ月前にも流れ、これは北京の新華社の発信だったが、いくら安倍政権が極右タカ派でも、こんな歴史認識は間違っています。
 なぜならば、日本に領土膨張の野望はなく、憲法の規定で交戦権さえないので、いくら集団自衛権を口実にしても、すぐに軍事行動には移れません。もちろん、安倍は憲法の改訂を目論み、戦争をやりたい幼稚な欲望のために軍事行動に踏み切るにしても、日本にできるのは専守防衛であり、支配圏は日本の国境内だけだから、スターリンの立場と同じです。しかも、いくら安倍が武者震いをしても、リーデル ・ ハートが存在しないし、周辺を囲むのはカルト集団だけで、狂信的な福音主義の統一教会とフランスでカルトと指名された創価学会が、モサドの支援で張り付くだけだ。
 それに対し、生存圈を国境外にまで拡大を続け、膨張しようとしている中国は、ナチスの侵略路線に良く似た形で、至るところで国境紛争を起こし、その典型が南シナ海に見られます。また、アジアインフラ投資銀行の創設のように 次の標的がASEAN諸国なのは確実で、金融の搦め手を使おうとしている。さらに、韓国や日本での土地支配を狙い、日本では水資源が最大の価値だから、破産したゴルフ場だけでなく、太陽光発電施設を口実に使って、その下の土地の買い占めが、法人名義で着実に進んでいる。こうした土地を活用する通貨秩序は、ナチスが用いた経済政策の丸写しだし、習近平はヒトラーを模倣している。だが、シャハト博士がいない。そのために、高速道路網や不動産のレベルだけで、ハブル崩壊と共に終わりそうです。
 現に、リーマンショック後の四兆元(五六兆円)の財政出動は、 ナチスの新経済計画(国家資本主義)が手本で、北京五輪もベルリン大会の模倣であり、真似するだけで創意する人材はいません。しかも、中国産は外国に依存するだけで、名前はメイド・イン・チャイナと付けても、それはラベルの問題に過ぎず、実態は他力本願のパクリ技術だから、ナチス体制もコピー水準で終わる。要するに、 この日中における全体主義体制は、 ヒトラーとスターリンのスタイルの模倣で、張子のトラがいくら空威張りしても、騒ぎ立てるだけの顔見世興行です。
 卑小な人間が権力を握る時は、 悲劇で終わると歴史は教えるが、 極東の運命は闘牛場での後始末と同じで、誰がビフテキを食べるかの問題になる。そんな舞台装置の裏側を見るならば、ユーラシア大陸にはロシアが控え、太平洋の彼方にはハイエナの米国がいる。しかも、インド洋を囲んだアラブとASEAN諸国が、次の幕開けを待ち構える構図で、アジアの地政学が展望できるのです。
ベッカー 随分過ぎるほど遠回りしたが、やっと東南アジアにたどりつき、ASEAN諸国やカンボジア事情に、議論のテーマが戻って来ました。それにしても、藤原さんの地政学的な観点は、中国と日本に対して悲観的で、ソフトと人材面での評価も劣悪だと知って、改めて驚きました。
藤原 それは情報革命が進行する時代は、二項対立のモデルを止揚しながら、秩序化された無秩序の価値の形で、定着する世紀が始まったせいです。大自然は秩序と無秩字が共存しているが、内が外で外が内になるトーラスは、入り子構造として成り立っており、それをホロコスミックスは教唆するし、大宇宙の摂理を明示しているのです。
(続く、敬称略)

藤原肇 (ふじわらはじめ)  1938年、東京生まれ。仏グルノーブル大学理学部にて博士課程修了。専攻は構造地質学、理学博士。 多国籍石油企業の開発を担当する石油ジオロジストを経て、米国カンサス州やテキサス州で石油開発会社を経営。コンサルタント、フリーランス・ジャーナリストとしても活躍。『夜明け前の朝日』(鹿砦社)、『賢く生きる』『さらば暴政』(清流出版社)、『生命知の殿堂』(ヒカルランド)、『Japan's Zombie Politics』『Mountains of Dreams』(Creation Culture)など著書多数。
Stuart Alan Becker (スチュアート・アラン・ベッカー)  1961年、神奈川県座間市生まれ。 アラスカで育ちワイオミング大学で英語学、ハワイ大学でジャーナリズムを学ぶ。アリゾナの「イースト・アリゾナ・クーリエ」誌、香港の「サウス・チャイナ・ポスト」紙で活躍。ノーム・チョムスキー、ビル・ゲイツ、キャスパー・ワインバーガー、ジェラルド・フォードなどへのインタビュー記事でも知られる。カンボジアの「プノンペン・ポスト」特報記者を経て、現在「ミャンマー・タイムス」 営業局長。主な著書に「China Power Project Directory」がある
 

共産主義と資本主義の対立と国家資本主義路線を突き進むヒトラーの習近平
http://www.asyura2.com/14/china4/msg/853.html
投稿者 フランクリン 日時 2014 年 10 月 15 日 12:24:33:
安倍がスターリンで習近平がヒトラーだという比較が、画期的な新説として紹介されていた。
http://www.asyura2.com/14/senkyo169/msg/614.html
確かにこれは興味深い歴史の対比論であり、習近平が侵略主義者のヒトラーの役割を演じるならば、今後の日中関係はどのように展開していくかと気になったので、この記事が出ていた「ニューリーダー」という経済誌を入手して、全文を読んでみたところ「平等」と「自由」が、「共産主義」と「資本主義」の対立関係として捉え、現代史における冷戦関係について政治史的に分析した興味深い論考を発見した。この記事を含む論文はとても貴重だと思われるので、以下にその記事を貼り付ければ議論のテーマになる感じがする。
http://www.fujisan.co.jp/product/1281679819/b/1115006/
『ニューリーダー』 2014年8月号
特別対談
太平洋とインド洋を結ぶ国際政治と経済戦略(中)
二一世紀冒頭のユーラシア大陸周辺における地政学
スチュアート・アラン・べッカー ミャンマー・タイムス 営業局長
藤原 肇 フリーランス・ジャーナリスト、慧智研究センター所長

中国の膨張路線と東南アジア諸国連合の役割
ベッカー アフリカの資源地帯への積極的な進出に加え、中国が インド洋で突破口を開くと同時に、 西太平洋の諸島群で覇権主義を広げることが、地政学的に極めて重大問題であることは、これまでの対談を通じて、かなり整理した形で理解ができました。その中で、 東南アジア諸国連合(ASEAN)の役割が、いかに重要かも再確認しました。
 もっとも、藤原さんが指摘された韓国と台湾が腰抜けであるという事実に、世界は未だ気づいていない。その辺をもっと掘り下げたい。また、「アブダクション」という用語についても、具体的な検討が必要だと思います。
藤原 その通りです。だが、そう簡単に論じられない意味論を含むので、歴史的な背景を理解しない限りは、問題の核心を突くのは難しいのです。
ベッカー 常識の穴を埋めることがジャーリズムの仕事で、これまで私はそれをやって来ました。 昨年の末に取材で米国に行き、MITのチョムスキー教授を相手に、インタビュー記事を纏めました。 そして、タイの「バンコク・ポスト」の二月一五日号に、ウィキリークス事件を糸口にして、言論の自由の問題として発表しました。
藤原 あのインタビューは良くまとまっていた。過去半世紀の米国の政策に関し、歴史を簡明に総括したチョムスキー博士らしい発言でした。でも、あの種の鋭い内容の発言は、日本では活字にならない。タイのメディアの言論活動の方が、日本より遥かにマシで、勇気ある言論が躍動している。
ベッカー ありがとうございます。「ベンは剣よりも強い」はずなのに、権力による言論への干渉が強まり、メディアが元気を失う時代です。だが、ジャーナリストは使命感に燃えて、勇気ある発言をすべきです。そこで、日本のチョムスキーともいうべき藤原さんに、私はもっと徹底的にインタビューしておきたい。そして、これまでのインタビューを本に纏めて、 画期的な思想を世に紹介したい。
 それには、死角でもある極東の地政学について、どうしても総括が必要になる。 しかも、そこに中国が関与しているので、東南アジア問題に立ち戻る前に、極東の状况について、是非とも藤原さんのご意見を聞いておきたい。
藤原 三〇年前にコメンテータを辞めたのは、解説するのは気が進まなかったのと、答えは自分で考えるもので、説得より納得が大切だと思うからです。取材されるのは趣味に合わないにが、まあ、良いことにして始めましょう。
ベッカー 座間市で生まれたアメリカ人として、日本の政治にも精通していると思っていた。ところが、藤原さんの『Japan's Zombie Politics』を読み、まるで分かっていないと悟り、凄まじい衝撃を味わいました。まず、愛国心に反する内容の本の執筆動機と、その反応についてまず聞きたい。
藤原 私は物書きではなく観察者で、本など書きたいと思わない。でも誰も書かないから仕方なく書いた。また、あの本は政治の裏面史と共に、日本の隠れた深層心理を論じ、タブーに属す問題に触れているので、日本語版は密かに焚書された。だから、台湾で英語版を作ったのだが、外国人にはタブーが解りづらく、その辺が明らかにならない限り、問題の本質が理解できない。近代経済と富の蓄積の基盤には、麻薬取引と奴隷貿易があったのに、歴史の記述から抹殺されているが、それと似た金脈を掘り当てるためには、困難に挑む勇気と知恵が必要です。

極東における中国の膨張路線と日韓台のトライアングル
ベッカー それではまず台湾と韓国が腰抜けという指摘の根拠についてお伺いします。因みに日本は腰抜けでないのですか。中国に外貨準備やGNPで抜かれ弱体化が目立つ日本ですが、これから何をやろうとしているのか、その行方についても知りたい。
藤原 金儲けという餌に釣られ、台湾と韓国は中国大陸に全面投資した結果、経済的な中国依存の体質が強まり、設備投資した莫大な額の資本が、現実に大陸で人質になっています。米国の市場で経済力をつけ、次に人件費の安い大陸に工場を移し、気がついたら人質になっていた―――これが両国のアブダクションです。人件費の高騰と経営不振で、倒産状態でも逃げられないし、退職金や違約金に責められて、自殺する経営者が増えており、投資家と資金が拐帯された状態です。  日本は単独では進出せずに、言葉のメリットを生かす形で、台湾人や香港の華僑と手を組み中国に工場施設を作った。日本の資本も人質の状態だが、日本人の用心深さによって全面投資はしなかった。韓国人や台湾人に似たような形では、泥沼に嵌まり込んでいない。昔から言われている形容だが「日本人は石橋を叩いても渡らない」のに、「韓国人は橋がなくても川を渡り後になってなぜ渡ったかを考える」、「シナ人は川を渡ってから橋を焼き捨てる」という通りで、民族による違いが読み取れます。
ベッカー カンボジアでもプノンペンには建てかけの高層ビルが何年間も雨ざらしのままで、そういう施工者は決まって韓国系で、 資金難のため途中で放置し、迷惑この上ない。それに対し中国式の投資は、アフリカ進出と同じパターンで、道路建設やダムエ事が中心で、 大量のシナ人を投入する。 そこには領土的な野心が透けて見えるし、 排他的な性格がとても強烈だ。ただ、韓国の島にもシナ人の進出が目立ち、土地を買って国籍まで取るなど、藤原さんの指摘は初めて耳にする話で、ただならない狙いが読み取れる。チベットや内モンゴルと同じで、侵略の変形の膨張路線ではないか。
藤原 それは十分に考えられることです。国内がある程度安定した時に、膨張路線をとったのが、シナの歴史です。
 しかも、内戦から文化大革命を経て、一九六〇年代から八〇年代にかけての中国は、貧困から抜け出すために必死だった。また、三五年前の日本の突出ぶりは、経済力で近隣諸国を引き離したので、 対日バッシングをー手に引き受けて、米国の苛めに痛めつけられた。 だから、台湾や韓国の経済が発展すれば、苦痛を軽減できると考えた私は、アメリカから太平洋を横断して、アジアの諸国に良く出かけた。韓国には三〇度以上も訪れたし、台湾には招かれて二年ほど住み、中国にも二〇度近く訪問した。しかも、信頼できる情報の人脈もあったし、土地勘と住民感情への理解は兵要地誌に基づいて正確だったと思う。
 戦前の朝鮮半島は日本との合併で、一種の植民地的な支配を受けたが、戦後に独立し北朝鮮と韓国になった。文明史観に基づく判断によれば、旧植民地は盟主国の性格を純化し、歴史法則に従って北朝鮮は天皇制の形で、韓国は財閥と公安監視に特化している。しかも、冷戦体制の中で朝鮮戦争が勃発し、三八度線を挟んで両国は敵対して、国境線に近いソウルが首都のために、韓国民の多くは不安に苛まれており、海外移住の希望が圧倒的だ。また、満州を故地に持つツングース族は、遊牧系の騎馬民族で戦士で、山の多い北朝鮮に広く分布している。それに対し倭族に属す農民は、朝鮮半島の南部に定着した後で、そのー部は対馬海峡を横断し、何度も日本列島に波状移住した。瀬戸内海は黄海と玄界灘の延長だから、瀬戸の沿岸には倭族が住み着き、海のどん詰まりに堺の港が位置するし、その奥に倭族がー四〇〇年もの昔に、 飛鳥京や奈良の都を作っている。 ローマ帝国の将軍カサエルが、ドーバー海峡の彼方まで遠征し、ガリアやブリタニアの民を制圧し、植民地化したパターンと同じです。

フランス革命と植民地主義が生んだ民族と国民国家の時代
ベッカー まさに歴史は繰り返すですね。
藤原 シナの歴史も本質は似ていて、兵馬俑を作った秦の始皇帝は、シナの語源のシン(Qin)帝国を作ったし、手本にした古代ペルシア帝国は、中央集権的で好戦的な戦士集団だった。だが、漢と呼ばれる王国時代の末期に、内乱と疫病の蔓延でシナ体制は滅亡し、トルコ系やモンゴル系の遊牧民が、唐や元などの大陸国家を作り上げた。また、シン(秦)帝国の遺民は漢字文化を育て、一部は客家や華僑として離散し、シナ系であることを誇っている。これが歴史における相似象であり、生命体の繁殖パターンとして、時空を超越する力学の下に、文明と文化を構築しています。
 国家や国民は人工的なものであり、言葉は文化として民族に属すし、それと国家が一致するケースは希で、国民はフランス革命に由来する概念です。私の処女作からの読者である、韓国経済新聞社の李揆行社長から、秘密厳守の約束で聞いた話だが、韓国の財閥や軍人を含む高級官僚は、北から来た騎馬族の系統が占め、権力を撮る支記者を構成する。同じパターンはシナの政治にもあって、西欧人には漢民族に見えても、支配者として治める異民族系は、胡錦涛や胡啓立を始め胡耀邦のように、遊牧民系に属す胡族出身だったりする。この不思誰な継解きゲームには、漢字の理解能力が必要になり、これが歴史を読み解く鍵なのです。
ベッカー ただ、その問題に深入りし過ぎると、優生学の罠に嵌る危険があります。
藤原 その指摘はもっともだが、 現在起きている紛争の多くは、国家という伜組みの中における、民族的な個性認知の問題であり、これは近代が抱えた疾病である。これは正統と異端の関係に似て多様性への寛容の問題に属すし、異端審問や魔女裁判の歴史がその問題点を教えてくれています。それは生理と病理に関わって、免疫の問題と共通性を持っており、自己と非自己の関係になるし、ガンの取り扱いに結びついている。現在の西洋医学のガンの理解は、異常な速度で分裂する細胞が、異端だから取り除けと結論し、排除が有効な措置だと考え、共生についての配慮をしていない。これは自由と平等の原理として、常に対立してきた概念であり、自由主義と共産主義の問で、冷戦や熱戦を繰り返してきた。二項対立である自由と平等の理念は、人間レベルでの捉え方であり、より普遍的な概念への発展が可能だ。自由主義は無秩序を指向するし、共産主義は統治や秩序と結び、社会レベルでの信条に属すから、近代人には理解しやすい概念ではある。
 しかし、情報革命が進行して行く時には、世界化で国民国家の枠が崩れて、宇宙レベルの発想が広がる中で、新しいパラダイムが必要になる。無限大と無限小を超える大自然は、ホロコスミックスとして無と空が繁がり、このモデルを使うことによって、ポラリティを持つ自由と平等は、自由度が法則性で置換されます。だから、二一世紀にふさわしい概念として、 平等に代えて法則性(Regularity)を導人し、自由を変則性 (Irregularity)で置き換えれば、 人間や生物界から大自然の宇宙界に、相移転の操作が可能になる。
それをトポロジカルに表現すれば、哲学や思想を図形として顕現するし、動態幾何学の究極モデルとしてトーラスの形での理解になります。
ベッカー 動態幾何学やトポロジーと言われても何のことか良く分からない。もう少し具体的に。

フクシマ原発の爆発と日本政府の嘘と亡国の運命
藤原 奥義は言葉では表現し得ないので、昔からシンボルや寓意図で表し、近代になると方程式を用いている。だが、数式では零と無限はダメだから、普遍原理には幾何学しか役立ちません。そう考え二〇世紀の総括の形で、『ホロコスミックス』と題した論文を書き、 ニューヨークの国際地球環境大学 (IEEU)の紀要に、世紀末の最終年度に寄稿したら、二〇〇〇年一月号に掲載された。そのコピーはあなたに上げてあるし、『月刊 ザ・フナイ』の二〇一二年四月号に、日本語訳が掲載されています。
 また、十数年も前の話になるが、 皇室関係筋の読者から頼まれ、英文紀要に献辞と署名をした上で、 皇太子に献上したいと言われた。
また、この使者が東宮に届けたところ、「既に読んでいる」と言われたと聞き、私は皇室の情報力の凄さに驚愕したし、皇太子の洞察力に目を見張った。オックスブリッジの人材教育の高さや、英国の情報網の持つ人脈には、さすがに凄いものがあると驚いたし、皇室は欧州の王室と繁がりが強い。また、二〇一二年七月の皇太子のカンボジア訪問の時に、あなたは私にインタビューして、皇太子について記事を書いています。それには彼が水に関心を持ち、環境問題の理解の鍵をトーラスが握り、トーラス思考が未来を拓くと論じて、その図を記事の冒頭に使った。あなたはそれを記憶していませんか。
ベッカー 記事と図は記憶しているが、それが自由と平等の問題にまで結びつくとは思わなかった。
藤原 しかも、あなたは3.11 地震と原発事故に触れ、皇太子が環境問題に熱心だと書き、記事の中で人類の連帯を論じて、映画 『スライヴ』まで紹介していた。 環境汚染を憂慮している皇太子は、 フクシマ原発の放射能に対し、生命への影響を心配しています。また、福島の子供は免疫不全で鼻血をだし、被災者を何度も見舞った天皇は、内部被曝のマイコプラズマ疾患で体調を崩しているというのに、政府は汚染被害は軽いと発表し、事故隠蔽の情報操作に懸命です。しかも、安倍は大急ぎで秘密保護法を作り、報道規制を強化したせいで、日本のメディアは報道しようとしないが、ドイツやフランスの記者は福島に乗り込み、事故の真相を暴露し続けている。
 また、チェルノブイリ事故の結果に詳しいので、米国政府は軍人を含むアメリカ人に、福島から五〇マイル(八〇キロメートル)離れろと警告した。 だが、日本政府は、二〇キロメートルなら安全だと、欺瞞に満ちた指導を国民に行い、被曝基準を二〇倍も引き上げた。米国の言う八〇キロメートルが危険地帯ならば、東京や横浜もその圏内に入るので、緊急対策をする必要があるのに、安倍内閣は全く放置しています。しかも三号炉は水素爆発でなく核爆発で、倒壊寸前の四号炉の核燃料は、日本を全滅させる可能性を持つ。その上、日本には五四基の原発が存在するが、震度六の地震に耐える原発はなく、日本は世界一の地震列島である。さらに、核武装のために秘かに備蓄したプルトニウムは山のようにあるし、毎日のように出る放射性ゴミは保管場所さえもない状態という始末です。
 また、連日のように放射能汚染の水が、大量に太平洋に廃棄されて、自然環境を破壊しているのに、日本政府は責任を感じないで、安全だと叫びまわるだけです。それだけでは終わらず、オリンピック開催の妄執に支配され、安倍晋三は五輪招聘のスピーチで、「福島原発の汚染水は〇.三平方キロメートル内に、 完全にブロックさせたので全く問題はない」と胸を張った。 だが、これは言語道断のデタラメで、 嘘の中で虚言が最も悪質だが、安倍は世界に向け大嘘をついた。それはオリンビック開催に合わせて、東京にカジノを作るためです。日本の最大の産業は自動車でなく、パチンコだ。パチンコに続く巨大な賭博利権に、首相や都知事が駆り出され、世界を相手にしたペテンにオリンピックが悪用された。
 米国はゲーム理論を生んだ国だから、戦術的な策略は受け入れるが、騙すための見え透いた嘘は、毛嫌いする性格がとても強烈です。特に原発事故のような深刻さを秘め、文明の死命を制す問題では、 先送りや誤魔化しは許さない。自薦だが警察官の役割を演じる米国にとり、平然と虚言を並べた安倍の行為は、糾弾に値する犯罪行為だった。しかも、全世界を愚弄するかのように戦犯を祀る靖国神社を賛美して、過去に犯した過ちを否認し、驕慢な姿勢を改めない安倍に、アメリカが蓄積した怒りの気持ちは、爆発寸前の状態に達している。なぜなら、東条英機らのA級戦犯が絞首刑になった日に、安倍の祖父である岸信介は、巣鴨の拘置所から釈放されたが、同じ A級戦犯の岸がCIAに、スパイ役を約束したので、絞首刑にならなかった秘話がある。それを熟知する米国政府は、売国奴の血筋を受け継ぐ形で、世襲議員から首相になった安倍を卑下している。
 だから、訪米した安倍をオバマは晩餐に招かず、サミットでも首脳会談を忌避し、独善的な安倍の存在を無視し続けた。この侮蔑のメッセージに加えて、ケリー国務長官とへーゲル国防長宮は、千鳥ヶ淵の戦没者墓苑で献花し、靖国カルトに拒絶反応を示した。だが、 国際感覚のない愚鈍な安倍は、日米の絆が損なわれているのに、追従して貢物を差し出しさえすれば、 米国は喜ぶだろうと錯覚して、集団自衛権を口実に使うことで、米国のご機嫌取りの戦争を口にし、 臨戦態勢を整えようとしています。
ベッカー どうしてそんな馬鹿げた状况が、放置されているのか。 自分たちの運命を守るために国民が抗議のデモを組織するとか、ジャーナリズムがペンの力で、政治の暴走に対し批判をすべきです。

自滅型の極東領域と発展型のASEAN領域
藤原 ブッシュが使った不正選挙を手本に、圧倒的な多数の議席を確保した安倍内閣は、独裁体制を張り巡らせて、国民の洗脳工作を進めています。だから、政治に突破口がないだけでなく、日本版のNSC(国家安全保障局)まで作り、言論統制の上に安倍は君臨して、いわゆる愚民政治が日本を包み、権力による暴政が本格化しています。検察と警察を飼い慣らした安倍は、新秩序を求めて言論統制を張り巡らせ、メディアは牙を抜かれてしまった。先日の『プノンペン・ポスト』の記事に、「日本に小型ヒトラーが登場し、侵略政治が動き出した」と書いてあったが、AFPが配信した北鮮情報でした。よく似た情報が数ヶ月前にも流れ、これは北京の新華社の発信だったが、いくら安倍政権が極右タカ派でも、こんな歴史認識は間違っています。
 なぜならば、日本に領土膨張の野望はなく、憲法の規定で交戦権さえないので、いくら集団自衛権を口実にしても、すぐに軍事行動には移れません。もちろん、安倍は憲法の改訂を目論み、戦争をやりたい幼稚な欲望のために軍事行動に踏み切るにしても、日本にできるのは専守防衛であり、支配圏は日本の国境内だけだから、スターリンの立場と同じです。しかも、いくら安倍が武者震いをしても、リーデル ・ ハートが存在しないし、周辺を囲むのはカルト集団だけで、狂信的な福音主義の統一教会とフランスでカルトと指名された創価学会が、モサドの支援で張り付くだけだ。
 それに対し、生存圈を国境外にまで拡大を続け、膨張しようとしている中国は、ナチスの侵略路線に良く似た形で、至るところで国境紛争を起こし、その典型が南シナ海に見られます。また、アジアインフラ投資銀行の創設のように 次の標的がASEAN諸国なのは確実で、金融の搦め手を使おうとしている。さらに、韓国や日本での土地支配を狙い、日本では水資源が最大の価値だから、破産したゴルフ場だけでなく、太陽光発電施設を口実に使って、その下の土地の買い占めが、法人名義で着実に進んでいる。こうした土地を活用する通貨秩序は、ナチスが用いた経済政策の丸写しだし、習近平はヒトラーを模倣している。だが、シャハト博士がいない。そのために、高速道路網や不動産のレベルだけで、ハブル崩壊と共に終わりそうです。
 現に、リーマンショック後の四兆元(五六兆円)の財政出動は、 ナチスの新経済計画(国家資本主義)が手本で、北京五輪もベルリン大会の模倣であり、真似するだけで創意する人材はいません。しかも、中国産は外国に依存するだけで、名前はメイド・イン・チャイナと付けても、それはラベルの問題に過ぎず、実態は他力本願のパクリ技術だから、ナチス体制もコピー水準で終わる。要するに、 この日中における全体主義体制は、 ヒトラーとスターリンのスタイルの模倣で、張子のトラがいくら空威張りしても、騒ぎ立てるだけの顔見世興行です。
 卑小な人間が権力を握る時は、 悲劇で終わると歴史は教えるが、 極東の運命は闘牛場での後始末と同じで、誰がビフテキを食べるかの問題になる。そんな舞台装置の裏側を見るならば、ユーラシア大陸にはロシアが控え、太平洋の彼方にはハイエナの米国がいる。しかも、インド洋を囲んだアラブとASEAN諸国が、次の幕開けを待ち構える構図で、アジアの地政学が展望できるのです。
ベッカー 随分過ぎるほど遠回りしたが、やっと東南アジアにたどりつき、ASEAN諸国やカンボジア事情に、議論のテーマが戻って来ました。それにしても、藤原さんの地政学的な観点は、中国と日本に対して悲観的で、ソフトと人材面での評価も劣悪だと知って、改めて驚きました。
藤原 それは情報革命が進行する時代は、二項対立のモデルを止揚しながら、秩序化された無秩序の価値の形で、定着する世紀が始まったせいです。大自然は秩序と無秩字が共存しているが、内が外で外が内になるトーラスは、入り子構造として成り立っており、それをホロコスミックスは教唆するし、大宇宙の摂理を明示しているのです。
(続く、敬称略)

藤原肇 (ふじわらはじめ)  1938年、東京生まれ。仏グルノーブル大学理学部にて博士課程修了。専攻は構造地質学、理学博士。 多国籍石油企業の開発を担当する石油ジオロジストを経て、米国カンサス州やテキサス州で石油開発会社を経営。コンサルタント、フリーランス・ジャーナリストとしても活躍。『夜明け前の朝日』(鹿砦社)、『賢く生きる』『さらば暴政』(清流出版社)、『生命知の殿堂』(ヒカルランド)、『Japan's Zombie Politics』『Mountains of Dreams』(Creation Culture)など著書多数。

Stuart Alan Becker (スチュアート・アラン・ベッカー)  1961年、神奈川県座間市生まれ。 アラスカで育ちワイオミング大学で英語学、ハワイ大学でジャーナリズムを学ぶ。アリゾナの「イースト・アリゾナ・クーリエ」誌、香港の「サウス・チャイナ・ポスト」紙で活躍。ノーム・チョムスキー、ビル・ゲイツ、キャスパー・ワインバーガー、ジェラルド・フォードなどへのインタビュー記事でも知られる。カンボジアの「プノンペン・ポスト」特報記者を経て、現在「ミャンマー・タイムス」 営業局長。主な著書に「China Power Project Directory」がある
 

確かにアジアにおける独裁政治かの台頭は目立っているとは言え、その能力の低さは著しいのは習も安倍も世襲代議士であり、権力志向しかないという点ではヒトラーやスターリンほどの能力がなく、一時的に空威張りはしていても本当の始動性など持ち合わせないので、その正体は張子の虎に似た存在にしか過ぎない。安倍晋三の場合はその幼稚さが余りにもひどい物であり、731の持つ意味も分からずにそんな番号の自衛隊戦闘機に乗った写真を公開しているが、その愚かな行動は至るところで顰蹙を買っているのに、本人は気がつくこともないという始末である。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2949.html



04. 2014年10月26日 15:13:00 : Iw2uTHhN2E
2年足らずで50か国もの外遊をして税金をばら撒いているのに、そういう欠落している偏った外交で、単に自己満足の外交でしかない。こんな男が自由に国を動かす事が間違っている。

05. 2014年10月26日 21:07:44 : RXdhEqHY7s
予算がないのなら適当な国に片道切符で行ってもらいたい。

06. ピッコ 2014年10月26日 23:16:56 : ldyqn.PAmBFfI : xfWvkGxpXo
安倍さんは海外に行って歓迎されて、そこでかっこよく演説する姿をNHKをはじめとする日本のマスコミに撮らせて日本のお茶の間で有権者らに見てもらうことが目的だから。 歓迎されるためにはカネの土産は必須なのよね。 間抜けな有権者たちはそれを見て「安倍さんは日本のためにホントによくやっているな」と思うわけ。 小泉政権の時に『ポピュリズム』という言葉が流行ったけど、安倍さんはカネをばらまいて『小泉劇場』ならぬ『安倍劇場』やっている。

07. 2014年10月30日 09:47:32 : P4XcAK6K9w
安部の追放が先決だと痛感している。このままだと日本は食いつぶされる。

08. 2014年10月31日 17:25:34 : nlvnyzGTAJ
中国の指導者習近平と安倍自民とは比較することは無意味だ。

中国の指導者はTOPに上る過程で、洗練され個人の能力と下部の組織は極めて優秀だ。また知識層も国際情勢を十分分析しておりその層の厚さは日本の比ではない。

一方日本の政党政治家は所謂どぶ板選挙により選抜された人形にしか過ぎない。
かっては官僚機構が政治家に代わり政策立案と実行を担当し、政治家は国民にとって歌舞伎役者にしか過ぎない存在であった。

自民党右派の権力を支えているのは米国ネオコンであり決して、国内の勢力ではない。
石原前都知事がヘリテージ財団の肝いりで尖閣問題を米国で演説ししかも自民党の総裁選挙に立候補した安倍その他の候補者に尖閣問題その他の件にかんしアンケートまでしている。
その構造は民主党政権時代も同様で2030年原発ゼロの案を米国にお伺いに行きNOの返事をもらって帰国している。

日中両国の指導者を同土俵で比較するのは間違っている。


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