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ウクライナの東部でキエフ軍が崩壊した大きな理由はふたつある。包囲された反キエフ軍(ドネツク人民共和国の義勇軍)部隊が援軍の到着まで耐えた踏ん張りとキエフ軍の戦術的な失敗だ。この失態を誤魔化し、NATO軍を投入する口実にするためにも「ロシア軍の侵攻」を宣伝しなければならなかったのだろう。
しかし、西側のメディアは証拠らしい証拠を示すことができない。そこで「ロシア軍部隊が消えた」と伝えたり、「ステルス部隊」なるものを作り上げたりしている。日本のマスコミは開き直り、中にはキエフ軍側の「あれがロシア軍でなくて何だ」という愚痴を見出しにする新聞社もある。
キエフ軍は当初から住宅地を攻撃し、住居を破壊するだけでなく多くの住民を死傷させた。そうした状況だからこそ住民はロシアへ逃れたわけだ。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は100万人を超す住民が避難、81万人がロシアへ入国したとしている。
つまり、キエフ軍が崩壊して「市内から人びとの脱出が始まっ」たわけではない。キエフ軍の攻撃を避けるためにロシアへ逃げ込んだのだ。現在、西部地域へ逃げている人の多くは、住民がロシアへ避難して空いたところへ「移住」した人たちだろう。
報道機関を名乗るなら、アメリカ/NATOを後ろ盾とするキエフ軍の「大本営発表」を垂れ流す前にしなければならないことがある。UNHCRも81万人が逃げ込んだと推測しているロシアの取材だ。ウクライナ東部を訪れたなら、最低限、その程度のことはするべきである。難民キャンプを見つけることは難しくないはずだ。アメリカ/NATOに楯突くようなことをしたならアンドレイ・ステニンのようなことになると思っているのだろうか?
今年2月にネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領から実権を奪ったのがアメリカ/NATO。現場で指揮していたのがアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補。ネオコンの大物、ロバート・ケーガンの結婚相手だ。
このヌランドは昨年12月13日、ウクライナをアメリカの巨大資本にとって都合の良い体制へ作り替えるため、1991年から50億ドルの工作資金を投入したと米国ウクライナ基金の大会で公言している。彼女が立つ演壇には巨大石油企業シェブロンのマークが飾られていた。
1991年にソ連が消滅、翌年の初めにアメリカの国防総省ではDPG(国防計画指針)の草案という形で世界を制覇するためのプランが練り上げられた。作業の中心は国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツ。この指針は「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。
ネオコンがこの世界制覇プランを作成した3年後、ジョセフ・ナイ国防次官補は「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を公表、1996年には「日米安保共同宣言」が出されて安保の目的は「極東における国際の平和及び安全」から「アジア太平洋地域の平和と安全」に拡大した。
1997年にまとめられた「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」では、「日本周辺地域における事態」で補給、輸送、警備、あるいは民間空港や港湾の米軍使用などを日本は担うことになり、99年の「周辺事態法」につながる。「周辺事態」とは、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」だ。2005年になると「日米同盟:未来のための変革と再編」が締結され、日本は「日米共通の戦略」に基づいて行動するとされた。この延長線上に集団的自衛権はある。
日本だけを考えても、特定秘密保護法、国家安全保障基本法案、集団的自衛権への道は1995年から始まるのであり、アメリカの戦略という視点から見れば1992年からスタートする。安倍晋三首相が唐突に持ち出してきたわけではない。「安倍が全て悪い」かのように言うのは、自分たちの責任を誤魔化したいからだろう。そもそも、安倍を再登場させる道を検察とタッグを組んで作ったのはマスコミだ。
中東や北アフリカにおける体制転覆プロジェクトにしろ、ユーゴスラビアからウクライナに至る旧ソ連圏での工作にしろ、その大本には集団的自衛権と同じように、ウォルフォウィッツ・ドクトリンが存在する。
ネオコンの世界制覇プランでは、「人道」や「民主化」といった標語が使われるが、実態は殺戮と破壊。その手先として使われているのがアル・カイダやネオ・ナチだ。そうした現実を本ブログでも書き続けてきた。
それに対し、日本のマスコミはネオコンの宣伝をそのまま垂れ流している。つまりウォルフォウィッツ・ドクトリンのプロパガンダ機関。集団的自衛権に本心から反対しているとは考えられない。もし、本当に反対なら1990年代から激しく批判していなければおかしいのだ。
マスコミの世界では「右」と「左」が罵り合っているようだが、アメリカの戦略を宣伝しているという点では「同じ穴の狢」だ。国民を騙すため、そして売り上げを伸ばす演出のため、「フェイス」と「ヒール」を演じ分けているにすぎない。その「フェイス」と「ヒール」の間で楽しそうにピエロ役を演じている人もいる。
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