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メディアの世論調査は、生データをベースに、メディアの誰かが、こうあって欲しいとかこうあるべきという加工が施されているものだと思っている。
そして、生のデータは、おつきあいが深い政党や官僚には渡っている可能性が高いと思う。
転載する記事は、3月21日〜23日にかけて行われた日経新聞の世論調査のうち、外交政策をめぐる調査の結果である。
中国・韓国・ロシアとの関係については日経新聞がこうあって欲しいという数値でよくまとまっていると言えるが、対北朝鮮政策に関する結果には多くの人が驚くのではないだろうか。
確かに、横田ご夫妻がウランバートルで孫と称する女性やその子どもと会ったという報道はなされたが、だからといって、「対話による関係改善を積極的に探るべきだ」が62%に達し、「経済制裁などで圧力をかけ続けるべきだ」の28%を大きく引き離している結果は“異常”と言えるのではないだろうか。
また、中国や韓国との関係については、「関係改善のためには譲歩はやむをえない」と「改善を急ぐ必要はない」という設問になっているのに対し、北朝鮮との関係では、「対話による関係改善を積極的に探るべきだ」と「経済制裁などで圧力をかけ続けるべきだ」になっているのも違和感を覚える。
北朝鮮との関係でも、同じ、「関係改善のためには譲歩はやむをえない」と「改善を急ぐ必要はない」でかまわないはずだ。
この世論調査結果からわかるのは、安倍政権が、中国や韓国よりも北朝鮮との関係改善を優先的に行いたいと思っていることであろう。
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対ロ外交「独自性を」54%
中韓へ「譲歩不要」51% 首相、かじ取り難しく
日本経済新聞の世論調査では、安倍政権に外交で独自色を求める声が多かった。ウクライナ南部クリミア半島を編入したロシアへの対応では「北方領土交渉などをにらみ日本独自の外交をすべきだ」が54%を占めた。中国、韓国とも「譲歩するぐらいなら関係改善を急ぐ必要はない」が51%に達した。こうした対応で展望が開けるかは不透明で、安倍政権は難しいかじ取りを迫られそうだ。
対ロシアで「欧米と歩調をあわせ、制裁を強化すべきだ」との意見は31%だった。北方領土問題を抱える日本政府は米国や欧州連合(EU)に比べ、ロシアへの制裁に慎重な姿勢をとってきた。現時点では査証(ビザ)の発給緩和協議の停止や、新投資協定の締結交渉開始の凍結を決めている。
ロシアのクリミア編入の決定を受け、今後は資産凍結などの追加制裁に踏み込み、米欧に歩調を合わせる構え。「独自外交」と言っても選択肢は多くないのが実情だ。
中韓との関係では「関係改善のためには譲歩はやむをえない」は35%だった。25日にはオランダ・ハーグで日米韓首脳会談を開く。日韓関係の改善を求めるオバマ米大統領の仲介によるものだ。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は従軍慰安婦問題を強く批判しており、法的責任の認定などを求めている。
沖縄県・尖閣諸島の問題を抱える中国とはなお、関係改善のきっかけがつかめていない。米国が求める「東アジアの安定」との間で、バランスを取る必要がある。
北朝鮮への対応では「対話による関係改善を積極的に探るべきだ」(62%)が「経済制裁などで圧力をかけ続けるべきだ」(28%)を上回った。
3月に入り、拉致被害者の横田めぐみさんの両親とめぐみさんの娘のキム・ウンギョンさんの面会が実現した。月内には日朝局長級協議なども予定しているが、米国などは北朝鮮の核・ミサイル開発を問題視している。
政権が抱える様々な課題の中で、外交への注目度が特に高いわけではない。首相が優先すべき課題について聞くと「社会保障改革」が33%で最も多く「財政再建」が20%で続いた。「中国や韓国との関係改善など外交政策」を挙げたのは8%。
[日経新聞3月24日朝刊P.2]
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