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NHK偽物番組 佐村河内氏以前にもイスラエル英雄デッチ上げ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140315-00000024-pseven-life
SAPIO 2014年4月号
「現代のベートーベン」を持て囃した『NHKスペシャル』は、とんだ大誤報となっただけでなく、番組作りに根本的な疑問を喚起した。本当にNHKは「騙された」だけなのか。
今のところ、稀代のイカサマ作曲家・佐村河内(さむらごうち)守氏を大スターにしたNHKに対する評価は、「騙された被害者」か、せいぜい「見抜けなかった間抜け」といったところだろう。しかし、それは甘すぎる。
一罰百戒で断罪するわけではない。NHKにはそういう体質があるのだ。15年前、同じように大作ドキュメンタリーで「ニセモノの英雄」を祀り上げた疑惑を紹介する。
タイトルを『ナチハンター〜アイヒマンを追いつめた男』という。1999年5月30日に「BS10周年企画 ドキュメンタリー特集」の1本として放映された番組だ。
題名の通り、ナチス幹部でユダヤ人大量虐殺の中心人物として知られるアドルフ・アイヒマン(1906〜1962)をイスラエルの諜報機関・モサドが拘束した作戦を描いていた。有名なナチス幹部、名高い拘束劇、世界中が注目した裁判と処刑舞台装置に不足はなく、NHKが大金を注ぎ込んで制作するに値するテーマではあった。
「追いつめた男」として登場したのはピーター・マルキンという人物で、番組では「アイヒマン誘拐作戦を実行した隊長」とされた。
マルキン氏は撮影班とともに作戦の舞台となったアルゼンチンを訪れて身振り手振りで拘束の場面を再現し、さらに拘束後にアイヒマンにワインと煙草をふるまって会話したというドラマチックなエピソードを明かす。撮影はアメリカや、アウシュビッツ収容所があったポーランドにも足を運ぶ念の入れようだった。
ところが放送からわずか1か月後、「マルキン隊長」が、実は偽者だという衝撃的な報道が出ることになる。
同年7月9日付の『週刊ポスト』が、「NHK『ナチス特番』に英雄デッチ上げ疑惑」とのタイトルで、この作戦の「本当の隊長」はラフィ・エイタンという人物で、マルキン氏は作戦メンバーの一人にすぎないと報じたのである。
読者に正しい判断をしてもらうためにディスクローズしておくと、『週刊ポスト』は本誌と同じ小学館発行の雑誌である。もちろん編集部は別だが、当時この記事を担当したのは本誌の現在の編集長である。したがって取材の経緯を詳しく知る立場にあり、同時に「誤報問題」のきっかけを作った当事者でもある。
記事では、その年の3月に出版されて世界的ベストセラーになった『憂国のスパイ』(日本語版は光文社刊)の著者であるゴードン・トーマス氏にインタビューしている。同書は秘密のベールに包まれたモサドの活動を明らかにしたことで話題となり、アイヒマン拘束劇についても詳述している。
トーマス氏はエイタン隊長から作戦の詳細を取材しており、『週刊ポスト』に対して「アイヒマンを捕まえたのはエイタンであり、マルキンがアイヒマンと交流したことも絶対にない」と語ったうえで、特番のことを伝えた際のエイタン氏の言葉として、「くだらない番組を作ったNHKとは話もしたくない」とのコメントを明かした。
また、NHK特番の1年前には英チャンネル4がエイタン氏の証言を元に拘束劇の再現ドキュメンタリーを放映したこと、世界最大のナチス追及団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」のブライトバート資料センター所長(当時)の「アイヒマン拉致チームのリーダーはエイタン氏だった」との証言、イスラエル政府広報オフィスが「作戦について最も信頼できる本」としたイッサー・ハレル元モサド長官の著書に、隊長としてエイタン氏の名が記されていることなどを報じた。
ところが、当時のNHKの対応は驚くべきものだった。制作責任者のチーフ・プロデューサーが取材に応じたものの、「エイタンはもちろん知っているが、作戦の一メンバーであり隊長ではない」と言い張ったのである。しかも当初は「モサドに確認した」「ハレル長官までいきました」などと説明していたものの、後に「ハレル氏には取材を断わられた」「モサドには取材依頼したが応じてもらえなかった」などと前言を翻した。
つまり、マルキン氏の言葉を鵜呑みにして番組を作ったことを半ば認めたわけだが、それでも最後まで「隊長はマルキンであってエイタンではない」という主張を変えず、番組の検証も訂正もしなかった。それどころか、記事発売後に『週刊ポスト』編集部に抗議までしてきたのである。
本人の言うままを信じ、客観的検証をせず、過剰なまでの演出でドキュメンタリーをドラマチックに仕立てるやり方は佐村河内氏のケースとそっくりだ。これがNHKの体質ならば、他にも同様の番組が存在する可能性は高い。
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