http://www.asyura2.com/13/hihyo14/msg/166.html
Tweet |
読売・産経の変節。
増税反対派の巻き返しが始まっているようだ。
産経から
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130828/fnc13082811000008-n1.htm
消費税増税強行へ目に余るメディアの虚報
筆者は、来年4月からの消費税増税に極少数派としてここ数年、反対の論陣を張ってきた。増税賛成論に対しては反論するが、きちんとした論拠さえあれば、尊重するのが当然だと考える。しかし、主流派メディアの根拠なき増税論やデマの多さにはあきれる。増税に慎重な安倍晋三首相を前にしてあせる財務官僚の意を汲(く)んだ御用メディアの虚報は目に余る。(SANKEI EXPRESS)
虚報とは、「消費税率10%でも財政再建できない」「増税で税収が増え、デフレにならない」「増税しないと国債が暴落する」という3点に尽きる。いずれも財務官僚の言いなりになったメディアが喧伝(けんでん)してきた。
黒字化達成できない?
最新の事例は8月8日に内閣府がまとめた「中長期の経済財政に関する試算」である。単なる「試みの計算」書ではない。1年前に国会で成立した消費増税法案通り、消費税率の2014年4月の8%、15年10月の10%への引き上げはもとより、さらに一層の増税を合理化する狙いがこめられている。消費増税分が上乗せされる14、15年度以降、23年度までの税収を試算。今後10年間の経済成長率平均が名目3%、実質2%であっても、国・地方の基礎的財政収支(税収・税外収入と国債費を除く歳出の収支)は20年度でも国内総生産(GDP)比で2%の赤字となり、目標とする黒字化を達成できない、というが詐術である。
鍵は基点となる今年度の一般会計税収にある。「試算」では43.1兆円と、何と12年度の実績である43.9兆円より減る。現実には景気の好転で、税収は法人税収を中心に大きく伸び続けている。ところが、首相のひざ元の内閣府がアベノミクス効果を完全無視し、13年度予算の税収見込みをそのまま受け入れ、財務官僚の意に従った。この試算の「ウソ」は筆者が8日の時点で安倍首相周辺の専門家たちに指摘したところ、「気付かなかった。まさか、そこまでやるとは」と絶句していた
本欄でも以前に詳述したが、消費税率を1%引き上げると、約2兆円、一般会計消費税収が増える。1997年度の消費税率引き上げ幅は2%なので、毎年度4兆円の消費税収が増えてきたが、所得税収や法人税収などは逆に大きく減る。税収全体をみると、98年度以来2012年度までの15年間のうち13年間は、1997年度を大きく下回った。2000、07年度はプラスになったが、プラス幅は誤差の範囲内といえるほど極小で、いわば0勝13敗2引き分けである。
3つ目の財務官僚詐術は執拗な「日本国債暴落」説である。日米比較すれば、それが詐術だとすぐわかる。両国政府の純債務をみると、11年度末で日本は473兆円、GDP比97%なのに対し、米国は14兆8000億ドル、GDP比95%である。日米の債務水準はほぼ同じで、日本が飛び抜けて高いわけではない。
しかも、日本国債の90%以上は日本国内の貯蓄で賄われており、日銀が買い増しするゆとりが十分ある。米国の場合、国債の3分の1は外国勢に依存しており、投げ売られるリスクは日本よりはるかに高い。米連邦準備制度理事会(FRB)による国債買い入れも限度に来ている。外国の投資家はそれをよく知っているので、米国債よりも日本国債をはるかに安全資産だとみている。
「世論調査」で「世論操作」
増税翼賛会メディアが引き受けているのが、「世論調査」という名の「世論操作」である。とりわけ日経が最も露骨で、いわばデマゴギーも同然だ。
8月26日付、日経朝刊1面を見ればよい。「本社世論調査」とのカットの脇に、「消費増税7割超が容認」とある。それは朝日新聞を除く他のメディアの世論調査と全く逆の結果で、「何かヘンだな」と思って、本文を読んでみたところ、増税に世論を導くための典型的な印象操作そのものである。
記事によると、野田佳彦前民主党政権当時に成立させた消費増税法案通り、消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げることについて、3つの選択肢で質問。(1)の「予定通り引き上げるべきだ」が17%、(2)の「引き上げるべきだが、時期や引き上げ幅は柔軟に考えるべきだ」は55%、(3)の「引き上げるべきでない」は24%だった、とある。
安倍首相は(2)の考え方に近い。つまり予定通りの増税に極めて慎重で、その線で調査結果を要約すれば、「引き上げるべきではない」を加えて「8割超が予定通りの増税に否定的」とするのが自然である。ところが、日経の編集デスクは「税率引き上げを容認する声が7割を超えた」と読み替えたのだ。
メディアが消費増税を強く支持すること自体は、「言論の自由」だ。が、筆者は日経に長く在籍し、その間、恣意的な経済報道をタブーとしてきた。データをねじ曲げてまで世論誘導を図る今の日経の報道姿勢は、「社会の公器」としての役割の放棄で、官報以下だと、嘆じざるを得ないのだ。
(産経新聞特別記者・編集委員)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。