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大学生「新聞離れ」の影響は? 「首相の名前」正解率55%…漢字うろ覚え
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130727-00000500-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2013/7/27 15:50
ニュースの閲覧や検索がより便利になったスマートフォンや情報を共有できる交流サイトの急速な普及で、大学生の「新聞離れ」が一段と加速しているようだ。学生が新聞を読まなくなったことで、その意識や知識に影響が出ているのだろうか。アンケートでは、最近よく取り上げられているニュースに関連した質問に答えてもらった。
第1問「現在の首相の名前を漢字のフルネームで書いてください」(答え「安倍晋三」)…正解者78人(正解率55%)
第2問「現在の首相が行っている金融・経済政策を通称何と言いますか」(答え「アベノミクス」)…正解者117人(正解率82%)
第3問「TPPの正式名称は何ですか」(答えは「環太平洋戦略的経済連携協定」)…正解者31人(正解率22%)
第4問「2016年のオリンピック開催国はどこですか」(答え「ブラジル」)…正解者82人(正解率57%)
第5問「2013年6月17、18日のG8主要国首脳会議(G8サミット)はどこの国で行われましたか」(答え「イギリス(北アイルランド)」)…正解者3人(正解率2%)
アンケートはG8サミットの数日後に行ったにもかかわらず、第5問は極めて低い正解率となった。それよりも、首相の名前を正しく書けた学生が、55%にとどまったことに驚かされた。不正解の学生のうち、漢字の間違いが40人(28%)。間違いで最も多かったのが、「安部晋三」である。他にも安倍を「阿部」と書く学生や、晋三を「信三」「晋造」と書く学生が目立った。
漢字を正しく書けなかった男子学生2人にインタビューをすることができた。1人目の学生は、「ニュースはテレビを中心に見ている。テレビだと文字をそんなに意識して見ていないし、フルネームで見る機会が少ないから間違った」と答えた。2人目の学生も「テレビでは音声だけ聞くので、漢字を実際に書けと言われたらできない」という回答だった。
2人に共通しているのは、主にテレビからニュースなどの情報を得ていることだ。ニュースについて新聞やネットの文字を介さず、音声だけで情報を得ていれば、漢字が正しく書けなくて当然かもしれない。さらに、まったく間違った名前を回答したり、回答できなかったりした学生が、25人(17%)もいたのにはさらに驚かされた。ニュースそのものにまったく関心がないのだろうか。
TPPの正式名称についての質問では、「環太平洋貿易協定」「環太平洋関税協定」「環太平洋平和条約」といった、「環太平洋」というキーワードは含まれているものの、間違っている解答が多かった。
長期間にわたって何度も取り上げられてきたニュースのため、うろ覚えで知っているという学生がほとんどであることがうかがえる。自ら知ろうとしなければ、知識としては身につかない。何となく見たり、聞いたりしている学生が多いことが、正解率の低さにつながっていると考えられる。
■知識欲の欠如こそ問題
アンケートやインタビューからは、ニュースに対する関心が薄く、ニュースの内容を理解したり、自分の知識として吸収したりしようとしない現在の学生の姿が浮かび上がってきた。「新聞離れ」が、「ニュース離れ」「常識離れ」を招いているのだ。
学生が「新聞」を読まなくなったこと自体が問題なのではなく、学生が社会や政治、経済といった物事に対する興味を失い、積極的に知識を身に付けようとしなくなったことこそが問題なのではないだろうか。
「苦手な事を無理に頑張る必要はありません。そんな時間があるなら長所を伸ばしなさい」。取材を行ったわれわれも含め、今の学生は、いわゆる「ゆとり教育世代」である。「個性を伸ばす」ということに重点が置かれて育ってきたことは決してマイナスではないが、その反面、「自分のしたくないこと、気が進まないことはやらない」という風潮が強まったことは否定できない。「新聞離れ」には、「ゆとり教育」が影響しているのではないだろうか。(SANKEI EXPRESS)
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