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健康を知る003 植物油二回目
http://takedanet.com/archives/1024311709.html
2015年04月14日 武田邦彦 (中部大学)
表紙には日本脂質栄養学会の奥山先生のご本に掲載されているグラフを示しました。棒グラフになっていて、油脂や肉類などを例にとって、食べ過ぎると良くないものと、良いものに分類しています。
食材の危険性などは人体実験ができないので、動物実験とこれまでの歴史的な経験の組み合わせなどで判断しなければならないので、具体的なデータ(人間のものはほとんどない)より、経験を積んだ医師、栄養関係や毒物系の研究者の総合的な判断の方が役立つ時が多いものです。
そのような考え方から、植物油の危険性を学ぶ上で、このグラフを選びました。整理をされたのは日本ではもっとも信頼性があると思われる先生のグラフを参考にします。
3つの群に分かれています。
1) 食べる量と危険性があまり関係ないもの・・・植物性タンパク質(大豆など)と総脂肪(種類を問わず、油の合計)
2) 食べる量が増えると危険なもの・・・植物油(サラダ油など)
3) 食べる量が増えると良くなるもの・・・動物性タンパク質、動物性脂肪
4) 増えたほうが良いもの・・・コレステロール
どれをとっても「エッ!本当??」と聞き返したいことばかりです。私たちの常識・・・動物性の油や肉より植物性の方がヘルシーだとか、コレステロールは少ない方がよい・・・とまったく逆なのです。
でも、「私たちの常識」が「正しい」とは限りません。むしろ、私たちは医学論文を読み、自分でよく考え、そして作り上げた常識ではなく、単にテレビで繰り返し言われているからとか、コマーシャルでよく聞くからという程度のものが多いのです。つまり「常識とは違う」というのは「付和雷同」と同じこともあるのです。
コレステロールについては次回にやりたいと思いますが、コレステロールを減らす必要があるというのは、「肉食のヨーロッパの人で極端にコレステロールの高い人(300ぐらい)の症例」を「肉食に少ない日本人のコレステロールの低い人(200ぐらい)」にそのまま適応したから間違いが起こりました。
途中でコレステロールは必須のものであることが分かり、慌てて「善玉」、「悪玉」という区別をNHKが作り、さらに混乱しました。コレステロールの問題も、植物油(動物の脂をふんだんにとる人にとっての植物油と、もともと油の料理の少ない日本人の場合は違う)の問題も、「普通の生活でとっている量」、「民族や料理の特徴」、「体質」などによって違うので、ヨーロッパやアメリカの研究、それも自分の会社の薬が売れるからとか、医療の分野で功績を挙げたいからということで奇妙な説を唱え、マスコミが「注目を浴びるから」と放送しているうちに「常識」になったものが多いともいえます。
ここではまず、現在の日本の生活では、動物性のタンパク質(肉)や油はまだとっても良いけれど、植物性の油は少量にとどめておいた方が良いということをまずは理解することが大切と思います。もちろん、だからといって毎日、肉や脂身を食べて良いというのではなく、基本は「伝統的な日本料理」を基準にしてやや洋風にという感じです。
日本料理というのは、魚(動物性タンパクと油)と煮物の野菜、漬け物を中心としてきました。油のものはほとんど無かったのは、高価なごま油しかなかったこともありますが、日本料理で唯一、油を大量に使う天ぷらは江戸から始まったもので、しかも高級品でしたから、日本人が食べ始めたのはごく最近です。
つまり、日本人が牛や豚、それに植物油を料理に使ったり、食べ始めたのは最近のことだから、かなり注意をしなければならないということです。多くの人は「ダイオキシン」やPCBというと怖がり、「サラダ油」というと健康に良いと思いますが、化学的にはそれほど大きく性質が異なるものではありません。
一度、工業製品になると、販売している会社がなんとてしても不利な情報を隠そうとしますが、こと食品のような場合にはもっとオープンな議論と報道が必要でしょう。
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