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デイサービス男性目線で
カジノ風ゲームにお酒も 通いたくなる工夫凝らす
高齢者が集うデイサービスにキャバレー風やカジノ風など新顔が登場、女性に比べて家に引きこもりがちな男性にも人気だ。本格的な遊びで競争心をかき立てるほか、お酒も飲めるなど、男性目線で楽しめる工夫が盛りだくさんだ。
「デイサービス・ラスベガス」(横浜市)ではカジノも楽しめる
「松渓ふれあいの家」(東京都杉並区)では5の付く日に飲酒も可能
「よいち銀座はくちょう」(北海道余市町)は元キャバレーを改装した
北海道の積丹半島にある余市町。夕方、ウイスキー蒸留所近くの飲食街に「デイサービスセンターよいち銀座はくちょう」の赤いネオンがともる。元キャバレーを改装、ビロードのソファが置かれ、ダンスステージにシャンデリアが輝く。「いらっしゃい。きょうも時間の許す限り楽しみましょう」と運営するよいち福祉会(余市町)の四方妃佐子さんが呼びかける。
◇ ◇ ◇
デイサービスは原則、介護保険で認定を受けた人が利用でき、簡単な健康チェックの後、運動と食事や入浴のほか、仲間と一緒に楽しむ。夕方に終わる施設が多い中で、午後8時半までの運営は珍しい。夕食時の酒を楽しみにする人も多い。
男性利用者の一人がマージャン卓を準備するそばで職員も交えてトランプの「ジジ抜き」も始まる。「ビールとカラオケが楽しみ。シャンソンを勉強中」という佐々木昇さん(73)は一人暮らしで週2回利用する。「若い頃通った思い出の場所。ダンス上手の女性もいるよ」と懐かしげ。通い始めて認定度も要支援2から1に軽くなった。
利用者の6割が男性。「医師や本人などと話をして問題がなければ、ビールや焼酎も提供する」(四方さん)。施設でのレクリエーションといえば皆で一斉に折り紙や塗り絵などをすることも多いが、ここではダンスにカラオケ、マージャン、トランプと銘々が好きなものに興じ、職員は見守る。「少し興奮することがあっても社会ではよくあること」と制しない。
横浜市の住宅街にあるのは「デイサービス・ラスベガス」。一歩中に入ると、まるでカジノのようにバカラ台、スロットマシンなどが並ぶ。利用者宅からの送迎も、黒塗りの高級車に。「デイサービスに通うことへの抵抗感を減らしたい」(運営する日本エルダリーケアサービス)
黄色いネクタイとチーフを合わせ、ブラックジャックを楽しむ80代の男性は「ここは社交場。ディーラーをすっからかんにしてやるんだ」と意気込む。利用するには「ベガストレッチ」と呼ぶ軽い体操をして疑似通貨「ベガス」をもらう必要があり、施設管理者は支配人、家族との連絡帳もパスポートと呼ぶなど楽しみの要素が満載だ。
介護現場のレクリエーションに詳しい余暇問題研究所(東京都目黒区)の山崎律子代表は「施設でのレクといえば、職員の掛け声で皆が同じ作業をするのを想像しがち。でも生きる喜びを感じるものなら、節度を守る範囲でマージャンやお酒も楽しんで良い」とみる。体や頭の体操に良かれと思って職員が提案するレクでも「年を取るにつれ思うように動かなくなる体で『皆より遅れた』『手が出ていない』などと言われる場所に出かけたいと思いますか?」と問いかける。
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女性は仲間との会話で満足する人も多いが「男性は『子どもっぽい遊びはやりたくない』と遠くで見ている」(早稲田大学エルダリーヘルス研究所の荒木邦子さん)。多くの施設で、男性の参加を促すのに苦労しているという。荒木さんは「会話をたくさんし、昔の仕事や育った場所などから関心事を知る工夫が欠かせない」と指摘する。
元会社員の中高年男性が集まり「自分たちが通いたくなる場所づくり」を目標に14年前に始めた松渓ふれあいの家(同杉並区)は男性利用者が7割強。クラブ活動と称しマージャン、囲碁など10種類以上のプログラムがある。5の付く日には飲酒も可能だ。「やりたいことをやれるとなると取り組み姿勢が違う」と運営するNPO法人生きがいの会の小原健一理事長。
ただ「個人の好みに合わせるには人手が必要」(小原理事長)。施設は送迎や入浴、食事や服薬の手助けなど分刻みの忙しさだ。小原理事長は「ボランティアを積極的に受け入れ、職員の負担も軽減している」と話すが、誰もが通いたくなる楽しい場所にするには課題も多い。
(生活情報部次長
吉野真由美)
[日経新聞4月7日朝刊P.9]
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