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早めが肝心! 選択肢が増えた花粉症の治療法(プレジデント)
http://www.asyura2.com/13/health16/msg/781.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 31 日 11:21:25: igsppGRN/E9PQ
 

早めが肝心! 選択肢が増えた花粉症の治療法
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150131-00014447-president-bus_all
プレジデント 1月31日(土)9時15分配信


■花粉症の人にはつらい春の幕開け

 外はまだまだ寒いが、花粉症の人には憂うつなシーズンが近づいてきた。花粉症の原因の約7割はスギ花粉。日本気象協会の予報によると九州や四国では2月5日頃、関東、近畿地方では2月10〜15日頃からスギ花粉の本格的な飛散が始まりそうだ。今シーズンの花粉の飛散量は、関東甲信越、東北、東海地方では例年並み、近畿から九州にかけてはやや少なくなると予測される。ただ、昨シーズン花粉の飛散が少なかった関東甲信越、東北では昨年の2〜3倍飛ぶとみられ、花粉症の人にはつらい春の幕開けになりそうだ。

 花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ・充血、涙目。中には、口の渇きや喉の違和感、皮膚のかゆみが出る人もいる。症状をできるだけ抑えるには、まずは外出時にはマスク、メガネをして目、鼻、口の粘膜から花粉が入るのを防ぐことが大切だ。花粉症用マスクによって体に入る花粉の量を6分の1、花粉症用メガによって4分の1に減らせるという。

 花粉症の人は毎シーズン実践していると思うが、外出から帰った時には玄関の前で花粉を払い落とし、室内に持ち込む花粉は極力少なくしよう。上着はウールのようなものではなく、ツルツルした素材のほうが花粉は付きにくい。テレビ、新聞、インターネットなどで花粉症情報をこまめにチェックし、飛散量が多い日には不要な外出は控えたり洗濯物や布団を外に干したりしないようにするのもポイントだ。地域にもよるが花粉の飛散が多いのは一般的に午後1〜3時頃なので、ウォーキングやランニングをしている人はその時間帯を避けたほうがいいだろう。花粉飛散開始日(1平方センチメートルにスギ花粉が2日以上連続して1個以上観測された最初の日)には、6割の人に症状が出ているそうなので、マスクやメガネは少しずつ花粉が飛び始める1月下旬ごろからしたほうがよさそうだ。

 治療も早めに始めるのが肝心だ。例年強い花粉症に悩まされ仕事や生活に支障が出る人は、花粉飛散開始日か、その前から抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬といった飲み薬を服用するとシーズン中の症状が軽減される。早期に治療を始めて強い症状が出なければ、結果的にシーズン全体での薬の量を減らせるわけだ。

 抗ヒスタミン薬は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの作用を抑える薬で、第一世代と第二世代がある。最近では、第一世代より効果が高く眠気や喉の渇きの副作用が少ない第二世代の薬が主流になっている。1日1回服用すればよい薬もあり市販薬にもなっているので、医療機関に行く時間がなければ市販薬でしのぐ手もある。ケミカルメディエーター遊離抑制薬は、花粉に反応する体内物質(ヒスタミン、ケミカルメディエーター)の算出を抑える薬。2週間くらいしないと十分な効果が出ないので、早めに使い始めたほうがよい薬だ。また、抗ヒスタミン薬と組み合わせて使われることが多い抗ロイコトリエン薬は、鼻の粘膜の腫れを引き起こすロイコトリエンの働きを抑える。

■保険適用された「舌下免疫療法」とは

 症状が出てからの治療では、鼻の中に噴霧する点鼻用ステロイド薬、血管を収縮させて鼻づまりを解消する点鼻用α交感神経刺激薬、抗ヒスタミン薬やステロイドの点眼薬といった局所治療薬を飲み薬と組み合わせて使う。かなり症状が強い場合には、一時的にステロイドの飲み薬を使う場合もある。なお、点鼻用α交感神経刺激薬で血管を広げすぎると逆に鼻づまりがひどくなることがあるので、長期間の使用は避けたほうがいいという。市販の点鼻薬にも含まれているので要注意だ。

 薬物治療以外に、レーザー治療もある。鼻の粘膜をレーザーで焼いてスギ花粉の侵入を防ぐ方法だ。レーザー照射後は鼻の中にかさぶたができるが、それが治れば違和感もないという。受験生、妊婦など、花粉症シーズンに薬を飲みたくない人やアレルギー症状に悩まされたくない人はレーザー治療を検討してみてもよいだろう。ただ、鼻水や鼻づまりがすでに起こっているときにはレーザー治療は行えない。この治療は、できたら1月上旬くらいまで、遅くても花粉飛散開始日より前に実施すべきとされる。また、レーザー治療の効果の持続期間は1年程度で、次の花粉症シーズンには症状が出る。鼻の粘膜は同じところに刺激を与え続けるとトラブルを起こすため、毎年レーザー治療を受けるのは難しい。受験など特別な年、花粉飛散量が多い年などを選んで受けるとよさそうだ。

 スギが原因の花粉症に関しては完治させる治療法もある。それは、スギ花粉のエキスを少しずつ体に入れて慣らし、アレルギー反応が出ないように体質改善をする「減感作療法」と呼ばれる免疫療法だ。皮下注射とスギ花粉エキスを舌の下にたらす舌下免疫療法があるが、昨年10月、舌下免疫療法に保険が使えるようになり注目を集めている。

 スギ花粉舌下液シダトレンを1日1回舌の下にたらし、2分間そのままにした後、飲み込む治療法。その後5分間はうがいや飲食、2時間は激しい運動や入浴を控える。初めの2週間は少しずつ増量し、3週目からは同じ量を毎日2年以上舌下摘下する。3〜5年続ける必要があるが、7〜8割の人に有効で、治療をやめても症状が軽減するかほとんど出なくなるそうだ。皮下注射による減感作療法にはもともと保険が使えたが、舌下療法は通院回数を減らせ、自宅でできるのがメリットだ。特に最初のうちは唇の腫れや耳のかゆみなどの副作用が出る場合もあり、アナフィラキシーショックが起こる恐れもある。

 対象は12歳以上のスギ花粉症の人なので、治療を始める前には血液検査でアレルギーの原因を調べるのは不可欠だ。2年間毎日続けなければいけない、まったく効かない人もいるのに効果があるかどうかは事前には分からないといった難点はあるが、毎日続ける自信があり花粉症を完治させたい人、毎年花粉症で生活にかなり支障が出ている人は治療を検討してみる価値がありそうだ。ただし、この治療法は花粉飛散開始日より3カ月前までに始めなければならない。治療開始時期は、スギ花粉が飛んでいない6〜11月が望ましいので、今シーズンは対症療法でしのぎ、花粉の飛散がおさまる季節を待とう。

医療ジャーナリスト 福島安紀=文


 

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