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生きた乳酸菌だけでなはない!免疫を活性化する「殺菌した乳酸菌」のチカラ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150129-00198364-health-hlth
日経ウーマンオンライン(日経ヘルス) 1月29日(木)10時55分配信
「健康によい」というイメージが定着している乳酸菌。
「生きた乳酸菌のほうが殺菌した乳酸菌よりも健康効果がある」と思っていないだろうか。
しかし、殺菌した乳酸菌のなかにも、生きた菌と同様の効果が確認されているものがあるという。
乳酸菌の正しい知識を知って健康や美容に役立てよう。
進む乳酸菌研究。殺菌した菌の有効性もわかってきた
ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸の中で悪玉菌の増殖を抑え、腸内の細菌叢のバランスを改善し、腸のはたらきをよくするといわれている。最近では、整腸作用だけでなく、インフルエンザやピロリ菌などの感染予防や、花粉症(アレルギー)、メタボリックシンドローム予防などに関する新しい知見が次々に報告され、特定の菌がもつ機能にも注目が集まっている。
また、生きたまま腸に届く菌だけでなく、殺菌した菌についても研究が進み、その機能が明らかになってきた。例えば、私たちが病気の予防などで利用する不活化ワクチンは、細菌やウイルスを殺して毒性をなくし、免疫をつけるのに必要な成分をワクチンにしたもの。病原体が生きていないワクチンでもその病原体に対する免疫を獲得できるように、免疫に関しては、必ずしも生きた菌のみがはたらくわけではない。
そうしたことから最近は、殺菌した乳酸菌を活用した食品が、免疫に関連するサプリメントを中心に増えている。10年以上にわたり乳酸菌研究に取り組むコンビ株式会社(以下、コンビ)も、エンテロコッカス・フェカリス菌EC-12株という乳酸菌を選定し、食品加工用に粉末状の商品にしており、この素材を使ったサプリメントなどが各社から販売されている。
プロバイオティクスと同様の腸内環境改善効果
殺菌した乳酸菌の摂取による有効性について、日本獣医生命科学大学名誉教授・寺田厚氏は、8名の健康な20代男性を対象とし、EC-12摂取前と摂取期間(7日目と14日目)の便の菌叢を解析する試験を行った。その結果、殺菌した乳酸菌の摂取期間で酢酸、コハク酸、乳酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸が増えた(図1)。短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性の環境にすることで有害な菌の増殖を抑えるので、これらが増えているということは腸内環境が改善していることを示している。逆にインドール、フェノール、パレクレゾールなどの腐敗産物は減少していた。腸内で蠕動(ぜんどう)運動が刺激され、それによって腸内の腐敗が抑えられたことがわかる。
また、殺菌した乳酸菌の摂取期間中、善玉菌のビフィズス菌が増加し、悪玉菌のウェルシュ菌は減少した。ビフィズス菌の菌数変化に関してはプロバイオティクス(腸内菌叢のバランスを改善することで体によい作用をもたらす生きた微生物。これを含むヨーグルトなどの食品をプロバイオティクスと呼ぶこともある)やプレバイオティクス(プロバイオティクスのはたらきを助ける物質。オリゴ糖など)と比較しても遜色ない結果だった。さらに、摂取前に比べて便の重量と水分含有量も増加。明らかな排便促進効果が見られた。
「殺菌した乳酸菌の摂取によって腸内細菌叢のバランスを保ち、腸内環境をより良好にすることがわかりました。下痢や便秘を改善し、腸内疾患の予防にもつながると考えられます」と寺田氏は報告している。
免疫を活性化し、ウイルス感染も防ぐ
寺田氏はマウスを使った実験で、殺菌した乳酸菌のインフルエンザウイルス感染に対する有効性も確かめた。その結果、EC-12を与えたグループのインフルエンザウイルス感染3日後の肺・気道のウイルス量は、対照群に比べて低下していた(図2)。これはウイルスなどの異物を攻撃する自然免疫が活性化していたことを示している。
また、インフルエンザウイルスに感染したマウスは著しく体重が減るが、EC-12を与えたマウスでは体重減少が抑えられた。さらに、感染後期の体重増加と一致して、感染14日後の中和抗体価と特異的IgA量(免疫にかかわる物質)が増加しており、免疫に関係するT細胞、B細胞などの獲得免疫が活性化していることもわかった。
このように、殺菌した乳酸菌でも自然免疫・獲得免疫ともに活性化し、インフルエンザウイルス感染に対して有効に作用することがわかった。
「生きた菌でも同様の作用をするもの、しないものがあり、菌種によって違います。一般に、エンテロコッカス・フェカリス菌というのは感染に対する防御作用が強いといわれています」(寺田氏)
小腸から取り込まれ、腸管免疫を刺激する
このように、殺菌した乳酸菌は腸内環境やウイルス感染に対して、プロバイオティクスと同様の効果が期待できる。
寺田氏によると、プロバイオティクスは菌が生きて腸にまで到達して主に大腸の腸内環境を改善するのに対し、EC-12などのバイオジェニックス(直接、または腸内菌叢を介して体によい影響を与える食品成分)は小腸などから取り込まれ、腸管免疫を刺激するというメカニズムの違いがある。
京都府立大学とコンビの共同研究によって、殺菌乳酸菌が免疫に作用するメカニズムも明らかになってきた。
京都府立大学教授・牛田一成氏によると、EC-12は小腸のパイエル板という特殊な細胞から生体内に取り込まれ、かつ、そこに待ち構えている抗原提示細胞(マクロファージ、樹状細胞などと呼ばれる異物を攻撃する細胞)に強く結びついて、非常に効率よく抗原提示細胞に取り込まれるという。
コンビによると、エンテロコッカス・フェカリス菌EC-12株を最適な条件で殺菌処理をすることにより、高い免疫活性能力を発揮すること、1gあたり5兆個以上の菌を高密度に集めることができるなどのメリットがあるという。0.02g(耳かき1杯分)という少量でカップヨーグルト10個分もの菌数をとることが可能になる。加工にも便利なため、今後はサプリメントのみならず、一般食品の分野でも殺菌した乳酸菌のさまざまな展開が期待できそうだ。
生きた乳酸菌も、殺菌した乳酸菌も、菌の種類によって違う機能や特徴がある。生菌か死菌かにかかわらず、いろいろな種類の乳酸菌関連商品を試してみて、自分に合う菌を見つけよう。この人に聞きました日本獣医生命科学大学名誉教授・獣医学博士 寺田 厚氏 1967年日本獣医畜産大学大学院獣医学研究科修士課程修了。日本獣医畜産大学獣医畜産学部教授、同大学応用生命科学部長等を歴任。2006年同大学名誉教授。専門分野は腸内微生物学、食品衛生学、食品微生物学。 京都府立大学教授・農学博士 牛田一成氏 1982年京都大学大学院修士課程修了。1982-84年フランス国立獣医畜産研究所消化生理研究室留学。京都府立大学農学部助手、助教授を経て2005年より現職。腸内細菌の古典的解析と分子生態学的解析による宿主と腸内細菌の共進化の解明などを研究。
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