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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/156291
インフルエンザが大流行している。東京都は7日、99年の調査開始以来、最速で流行警報を発令した(新型インフルが拡大した09年を除く)。マスクでガードしている人が少なくないが、感染をブロックできるかどうかは、結局、免疫力に尽きる。専門家はどう予防しているのか。免疫学の権威で、東京医科歯科大名誉教授・藤田紘一郎氏に聞いた。
「免疫力は一日の中で波があって、日中に高く、夜間に下がるため、無防備な夜間の対策がカギ。インフルエンザウイルスは、湿度に弱く、加湿器で寝室の湿度を70%にキープしています」
のどの加湿は、水を飲んでもできる。
「日中は口を湿らす程度の水を20〜30分おきに飲む。来客の後に必ず飲むし、夜にトイレで起きた後も飲みます」
水飲みを実践する小児科医は少なくない。インフルや風邪の患者を診察した後、口に侵入したウイルスを洗い流すイメージだ。
■睡眠、食事、入浴、運動で防ぐ
免疫は、ウイルスや細菌と直接戦うNK細胞のほか、腸内細菌も担当する。その役割分担は、腸内細菌が7割。彼らを強化するのが肝心で、それが食事だ。
「野菜や豆、雑穀に含まれる食物繊維が腸内細菌のエサになり、納豆やキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品は腸内細菌の活動を活性化します。ポイントは食べ方です。体を動かすエンジンには、糖を活用する“解糖エンジン”とタンパク質を使う“ミトコンドリアエンジン”があります。50代を過ぎると、ミトコンドリアエンジンが主流になるため、穀類は白米より玄米、パンは食パンより胚芽パンなどで取り、なるべく炭水化物を控え、肉や魚からタンパク質を取ることです」
藤田氏は食事で炭水化物を取るのは昼だけ。事務所近くの食堂で、“五穀米の小”のみだ。3食のメニューは、朝はみそ汁と納豆、サラダ、昼は五穀米、豚汁、焼き魚、山芋やオクラなどネバネバ食材、夜は野菜の煮物、サラダ、肉か魚。「週に2回はステーキを食べる」という。このような食生活でミトコンドリアエンジンがフル回転し、NK細胞も腸内細菌もよく働くようになる。
「ミトコンドリアエンジンは、体を温めるとスムーズに動くので、時間に余裕があると、自宅近くの温泉に行きます。もちろん、寝る前の入浴も欠かしませんよ」
ゆとりある生活をモットーにするため、「翌日でOKなら、仕事を翌日に回す」という。サラリーマンだと、そういう仕事のやり方は難しいだろうが、せめて仕事とプライベートをしっかり分けることはできるはず。毎日リラックスタイムをつくることだ。
「徹夜したり、暴飲暴食したりすると、免疫力が全体的に下がります。免疫力が相対的に低い夜は危ない。新年会などで無理をした翌朝に、熱が出るのはそのためです。だれでも付き合いはあるので1日は仕方ありませんが、私は夜更かしを何日も続けないようにしています」
運動も免疫力を高めるため、移動は電車を乗り継ぎ、なるべく歩く。水を飲むから、マスクはつけない。週末は、ジムで水泳と水中ウオークで汗を流す。そんな心がけで「何十年もインフルに感染していない」というから、試す価値はある。
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