03. 2015年1月03日 08:21:44
: b5JdkWvGxs
アンチ牛乳派の意見としては、例えば次のようなものがあります。(1)牛乳のカルシウムは日本人には不向きだ (2)牛乳は子牛のための飲み物であって人間の飲むものではない (3)えさにホルモン剤が入っている (4)牛乳ではなくて豆乳にすればよい いろいろ言われてしまう牛乳ですが、実際には長い食経験があり、栄養価が高く、用途が幅広く、安価であり、すぐれた食品です。ただし、アレルギーなどで飲めない人がいることも事実でしょう。牛乳はカルシウムが豊富ですが、カルシウムについては、近年の国民健康・栄養調査から見てもわかるように、摂取量が推奨量に達していない状況が続いています。 前述の(1)〜(4)の説はどれも根拠が「謎」ですが、(1)の説は、多量のナトリウムがあるとカルシウム排泄が促進されるという説と、日本人は牛乳を消化しにくいという説がごっちゃになって生まれたのかもしれません。 牛乳は多量のナトリウムを含む食品ではなく、牛乳のカルシウム吸収率(40%)は、小魚(33%)や野菜(19%)などに比べて高いことが知られています。 牛乳が日本人に不向きかどうかという点でいえば、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素ラクターゼが日本人には少ないという問題があげられます。乳児期はラクターゼがあり、母乳などを消化できますが、成長すると少なくなり、乳糖を分解できず、牛乳を飲むとおなかがごろごろするといった症状が出ることがあります。これを乳糖不耐症と呼んでいますが、アジア人に多いとされています。 この場合、牛乳を少しずつ飲むとか、温めて飲むといったことができますが、無理に飲みたくないのであれば、他の食品からカルシウムをとればよいのです。たとえば、木綿豆腐では100g(1/3丁)で120mg、乾燥ひじき8gで112mgのカルシウムがとれます。 (2)の「牛乳は子牛のための飲み物であって人間の飲むものではない」という説については、人間は動物や植物など他の生物の体を食べているので、理解に苦しむ説です。牛乳については宗教的な禁忌も聞きません。牛を神聖視するヒンドゥー教でも乳製品は多量摂取するそうです。 牛乳は子牛のためのものというなら、人間の赤ちゃんには母乳、そして乳児用調製粉乳(特別用途食品)があり、利用されています。母乳の栄養価は牛乳とは異なり、乳糖など炭水化物が多く、カルシウムなどミネラル類は少なめです。乳児用調製粉乳は、栄養成分を添加したり低減したりして母乳に近づけています。 (3)「えさにホルモン剤が入っている」という説については、肉用牛の肥育を促進する肥育ホルモン剤が話題になることがあるので、混同されたのかもしれません。牛の耳にピアスをつけるようにして投与するもので、海外諸国で利用されています。肥育用の合成ホルモン剤については、日本では食品衛生法により、基準値が設定されています。なお、日本では肥育用のホルモン剤は使用されていません。 (4)の「豆乳を飲めばよい」という意見が、実は一番気になる点です。 豆乳は、栄養価が牛乳と異なります。カルシウム含有量(100mlあたり)は牛乳で110mgに対し、豆乳は15mg、調整豆乳で31mgです(五訂増補日本食品標準成分表)。したがって、カルシウムを豆乳でとろうとしたら、他の食品とうまく組み合わせる必要があります。 豆乳で気をつけたいことは、含まれる大豆イソフラボンの量に幅があり、中には含有量が多い製品もあることです。大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た構造の物質であり、体内でホルモンのように作用する場合がある“植物エストロゲン”の一つなので、妊娠している人や小さなお子さんは過剰摂取にならないように注意する必要があります。 http://www.foocom.net/column/answer/9316/ 牛乳の飲みすぎは骨粗鬆症を招くのか 質問
米国アルバート・アインシュタイン医科大学外科教授の新谷弘実氏の著書「病気にならない生き方」の中でカルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムはかえって体内のカルシウム量を減らしてしまう。 その理由として、「牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度が急激に上昇する、体は血中のカルシウム濃度を通常値に戻そうとする恒常性コントロールが働き血中の余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄してしまう」と記述している(上記著書P73)。 この著書は社会的にも大きな影響があるのでぜひ専門家のご教示をいただきたい。(兵庫県・奥宮祐正、精神科) 回答 京都女子大学家政学部 食物栄養学科教授 田中 清 「牛乳を飲むと尿へのカルシウム排泄が増加して、結局体内のカルシウム量が減る」というのは無茶な意見です。 もし多量にカルシウムを摂りすぎたとしても、尿中に排泄されるのは過剰な分だけで、それを排泄し終わった時点で、増加していた尿中排泄は元に戻りますから、決してカルシウム喪失は起こりません。栄養素名を変えて例えば、 「野菜を摂りすぎると、過剰の水溶性ビタミンが尿に排泄されるので、ビタミン欠乏症になる」 とするといかがでしょうか。上記議論の胡散臭さがお分かりいただけると思います。 生体には、内部環境を一定に保つ恒常性コントロール(ホメオスターシス)機構が備わっていますが、血清カルシウム濃度の異常は生命に関わりますから、とくに厳密に制御されています。海水には多量のカルシウムが含まれますから、海に住む生物はカルシウム不足にはなりませんが、陸上生物は常にカルシウム不足の危機にあり、そのために骨に大量のカルシウムが貯えられています。
副甲状腺ホルモン(PTH)・活性型ビタミンDの基本的役割は、血清カルシウム濃度が低下しそうになったときに、それを維持することです。PTHは、(1)骨吸収亢進・(2)腎尿細管におけるカルシウム再吸収促進・(3)(ビタミンD活性化を介して)腸管からのカルシウム吸収促進という機構によって、血清カルシウム濃度を維持します。 大量のカルシウム摂取により血清カルシウム濃度が上昇したとすると、それによりPTH分泌が抑制されますので、尿細管でのカルシウム再吸収が低下して、尿中へのカルシウム排泄は増加します。 しかし血清カルシウム濃度が正常に戻ると、抑制されていたPTH分泌が回復しますので、増加していた尿中カルシウム排泄も元に戻りますから、結局排泄されたのは過剰のカルシウムだけです。すなわち新谷氏の説は、ホメオスターシスを全く考えていない暴論です。 今回ご指摘の箇所以外にも新谷氏は、 「過酸化脂質量が多い」 「アトピー・花粉症が増える」 など、牛乳が有害であるという理由を多数挙げていますが、すべて科学的根拠に欠けるものです。 この点に関しては、骨粗鬆症・栄養学・乳製品の専門家によって行われた座談会に、非常に詳細かつ科学的な反駁が示されています1)。 日本人の食事摂取基準[2005年版]では、カルシウム摂取の目安量はおおむね1日700mgですが、国民健康・栄養調査における日本人のカルシウム摂取量は常に1日500mg台でしかありません。
国民に積極的にカルシウム摂取を呼びかけねばならないにもかかわらず、牛乳摂取の是非という極めて社会的影響の大きなテーマに関して、このように何の根拠もない誤った情報が流布されるのは非常に困ったことです。 文献 1)折茂肇、青沼明徳、桑田有、江澤郁子、上西一弘:座談会 牛乳を飲むと骨粗鬆症になる?−健康情報ウソ、ホント−、The Bone, 22(1), 71〜79(2008) http://www.pariet.jp/helpful/vol55/no570/sp23.html 公開質問状 (平成19年12月18日 記者発表配布資料『資料No.1「公開質問状」』と同じです) 拝啓 初春の候、新谷先生には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 突然お手紙を差し上げましたが、私ども「牛乳乳製品健康科学会議」は、新谷先生がご著書「病気にならない生き方」に記され、また種々の講演会などで述べられているお考えに対して、その科学的根拠等に大きな疑問を持っております。 私どもとしましては、医学・栄養学・食品科学等の立場から、健康的な生活に役立つ正しい情報を提供する必要があると考えております。そのため以下の8項目に関して私どもの見解を申し述べさせていただきますので、折り返し新谷先生のご見解をお知らせいただきたいと思います。 1.新谷先生はご著書「病気にならない生き方」 105ページで 『市販の牛乳は「錆びた脂」ともいえる。』、 106ページで 『ホモゲナイズすることにより、生乳に含まれていた乳脂肪は酸素と結びつき、「過酸化脂質」に変化してしまいます。』、 108ページで 『超高温にされることによって、過酸化脂質の量はさらに増加します。』 と述べておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解
牛乳をホモゲナイズおよび殺菌しても乳脂肪が酸化されることは殆どありません。 乳脂肪は他の一般的な大豆油やコーン油などより多価不飽和脂肪酸が十分の一以下と少なく、もともと酸化されにくい脂肪です。 また、乳脂肪は牛乳中では脂肪球として存在し、ホモゲナイズすることにより脂肪球は小さくなり、その合計の表面積は増えますが、乳たんぱく質(カゼインやホエイたんぱく質)で被覆され、酸化されにくい形態となっています。 さらに、通常のホモゲナイズや殺菌は、外気と直接触れない工程で行われておりますので、酸化に必要な酸素が牛乳に溶け込むのは難しく、脂肪が酸化する可能性は極めて低い状態にあります。 実際、同じ工場の「原料乳」と「ホモゲナイズおよび殺菌したパック入り牛乳」の酸化指標(過酸化物価)を測定した結果では全く差がなく、酸化は認められませんでした。 2. ご著書73ページで
『カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウム量を減らしてしまう』 と述べられておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解
牛乳を飲むことで体内のカルシウムが減ることはありません。 体内のカルシウムは99%以上が骨と歯にあり、その他は血液や組織の中にあります。骨と血液中のカルシウムは、ホルモンやビタミン(カルシトニン・副甲状腺ホルモン・活性型ビタミンD)の働きで常に交換されており、血液中の濃度は約10mg/dlに保たれています。 飲んだ牛乳のカルシウムのうち、吸収されたものは、からだの血液や組織(大部分は骨、その他は血液・筋肉)に入り、蓄えられます。組織中のカルシウムは体内各組織間でバランスが保たれており、不要な部分は排泄されます。 カルシウムはもともと消化吸収率の低い栄養素ですが、牛乳のカルシウム吸収率は高く、日本人の若年女性を対象としたカルシウムの吸収率に関する試験によると、牛乳は40%、小魚は33%、野菜は19%と牛乳の吸収率が優れており、また蓄積率も牛乳の方が高いと報告されています。 多くの日本人はカルシウムの摂取量が、厚生労働省食事摂取基準の目安量に対して不足しており、牛乳は最も有効な食品と言えます。 3. ご著書70ページで
『牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる』 と述べておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解
牛乳を飲むことにより骨粗鬆症になることはありません。 牛乳・乳製品の摂取を増加させると小児期では骨密度の獲得に寄与し、中高年期では閉経後の骨量減少を抑制することが報告されています。 日本人の60歳以上の女性の牛乳摂取頻度と骨の健康状態について調査した報告では、子供の時から牛乳などでカルシウムを積極的に摂る習慣をつけ、最大骨量を増やすことが重要だと述べられています。 また、女子栄養大学による中・高校生男女6,000人を対象とした調査では、牛乳の摂取量が多いほど骨量が多いと報告されています。 さらに、厚生労働省の食事摂取基準では母子保健の立場から、妊婦におけるカルシウムの付加的摂取が望まれています。 牛乳を飲むことによりカルシウムの摂取ができ骨粗鬆症の予防に有効であるとの研究が世界中の研究者により報告されています。 なお、ハーバード大学で米国人7万8,000人を12年間追跡した論文では、牛乳を多く飲むグループと少ないグループの骨折リスクなどについて調査しています。そこに“牛乳あるいは食物起源カルシウムをより多く摂取すると骨折発生が減るという証拠は見出されなかった”とは記載されていますが、牛乳を多く飲むグループが骨粗鬆症になるとの記載はありません。 ナース健康調査では“1日にコップ2杯以上のミルクを飲んだ女性と1週間にコップ1杯未満のミルクしか飲んでいない女性での大腿骨頸部や前腕を骨折する率は少なくとも同じだった”とは記載されていますが、牛乳の摂取が多いほど骨粗鬆症になりやすいとの記載はありません。 4. ご著書73ページで
『牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界四大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう。』 と述べておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解 前述しましたハーバード大学の論文では、牛乳の高消費量が骨折リスクを下げることはないと報告されていますが、牛乳をたくさん飲むことで大腿部骨折が多いとの報告はなく、骨粗鬆症が多いとの報告もありません。 北欧の女性では他国と比べて大腿部の骨折が多い傾向にありますが、これは運動の種類・運動量およびカルシウムの体内への吸収に大きなかかわりを持つ日光などの影響があるためで、牛乳が原因とは考えられていません。 カルシウムの摂取不足が骨折の危険因子であるという研究データは内外で多く報告されていますし、継続的な牛乳摂取が骨折リスクを上げないという報告もあります。 日本「骨粗鬆症学会」「骨代謝学会」「内分泌学会」「産婦人科学会」「整形外科学会」などで牛乳・乳製品を摂取することで骨粗鬆症になる、あるいはリスクが高まるという発表が行われたことがなく、「アメリカ骨代謝学会(ASBMR)」「アメリカ骨粗鬆症財団(NOF)」「国際骨粗鬆症財団(IOF)」「世界保健機構(WHO)」でもそのような発表はありません。 5.ご著書69ページで
『牛乳ほど消化の悪い食べ物はないといっても過言ではありません。』 『牛乳に含まれるタンパク質の約八割を占める「カゼイン」は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです。』 と述べられておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解
牛乳は消化吸収に優れた食品の一つです。 牛乳たんぱく質(カゼイン)は胃の中で酸や酵素により、固まりますがそれにより消化されにくくなることはありません。 カゼインは牛乳中ではリン酸カルシウムの関与のもとコロイド粒子として存在し、内部はたんぱく質分解酵素が自由に入れる緩やかな構造を持っており、容易に分解されます。 肉は加熱により消化されやすくなるとの理由で加熱して食べますが、その理由はたんぱく質が加熱により消化酵素の作用を受けやすくなるからだと考えられています。 一方、牛乳中のカゼインは肉のように熱を加えなくとも、そのままの形で消化酵素により容易に消化可能な構造を持つ極めて優れた食品たんぱく質です。 食品たんぱく質の消化率を比較したデータによりますと、牛乳は98.8%、牛肉は97.5%、鶏卵は97.1%と主要なたんぱく質食品の中で、牛乳の消化率は最も優れています。 6.ご著書72ページで 『日本ではここ三十年ぐらいのあいだに、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで急増しました。(中略)その第一の原因は、(中略)学校給食の牛乳にあると考えています。』 と述べられておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解
アトピーや花粉症が単純に学校給食牛乳に起因するという科学的根拠は全くありません。学童期のアトピー性皮膚炎は牛乳などの食物よりも環境要因が悪化因子となっており、学校給食における牛乳の摂取には変化が無いにも関らず、有症率が減少(1992年17.3%→2002年13.8%)していると報告されています。 一方、花粉症は近年増加していますが、学校給食の牛乳が原因とされる報告は全くありません。 乳幼児期にみられるアトピー性皮膚炎や成人の花粉症、アレルギー性鼻炎などが増えていますが、その原因となるアレルゲンは食品ばかりでなく環境の中の花粉・ダニ・昆虫・建材・排気ガス・チリ・埃などあらゆるものに起因しています。 7. ご著書70ページで
『市販の牛乳を(中略)子牛に飲ませると、その子牛は四、五日で死んでしまうそうです。』 と述べられておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解
市販の牛乳を子牛に飲ませても全く安全で、健康に生育し、それが原因で死ぬことは決してありません。 生まれてすぐの子牛は母牛の胎盤を通して免疫たんぱく質を受けていませんので免疫成分を多量に含んだ母牛の初乳を一週間ほど与える必要がありますが、その後の子牛に市販の牛乳を母牛から授乳するのと同じように温めて飲ませても、健康に全く影響はありません。実際に、通常どおり初乳を与え受動免疫を得た生後4〜18日の子牛を対象に市販牛乳を4〜10日間、1日に4リットル(2リットル×2回)給与する試験が行われましたが、哺乳牛には体調に何ら異常は認められず、その後も順調に生育しております。 8.ご著書75ページで
『ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点でほとんどが胃酸で殺されます。(中略)腸まで届いたとしても、はたして常在菌と手を取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか。』 と述べられておられますが、この見解を裏付ける科学的根拠をお教え下さい。 牛乳乳製品健康科学会議の見解
紀元前数千年前から利用されてきた歴史的・世界的食品であるヨーグルトの健康効果は海外でも広く認められています。 ヨーグルトは乳酸菌が死滅しても、乳酸発酵生成物や菌体成分による健康に対する効果があります。また、ヨーグルトの乳酸菌の中には”生きたまま腸に届く”ことが検証され、効果を発揮するものもあります。 特定保健用食品として認められているヨーグルトには「○○菌の働きにより腸内細菌のバランスを整えておなかの調子を良好に保ちます」「○○菌の働きにより腸内環境を良好にします」、さらに「○○菌株の働きにより腸内環境の改善に役立ちます」など生菌・死菌を含めた効果が科学的根拠に基づいて述べられています。 ヨーグルトや牛乳成分は、腸内善玉菌の代表格であるビフィズス菌などの腸内細菌に利用されることにより、腸内細菌のバランスに影響し腸内で善玉菌が優勢になりヒトの健康に有益な影響をもたらします。 以上のように8項目に関して私どもの見解を申し述べさせていただきました。新谷先生のご見解をお知らせいただきたくお願い申し上げます。なお、当問い合わせ内容はメディア等に公開したいと考えておりますので、予めご承知置きください。
なお、「牛乳乳製品健康科学会議」の事務局を社団法人日本酪農乳業協会に置いておりますので、お問い合わせとご回答は下記までお願い致します。ご多忙とは存じますが、新谷先生のご見解を2007年4月30日までにお知らせいただきますようお願い申し上げます。 末筆ながら、新谷先生のご健勝をお祈り申し上げます。 敬具 2007年3月28日 牛乳乳製品健康科学会議会長 (健康科学大学 学長) 折茂 肇
牛乳乳製品健康科学会議事務局 社団法人日本酪農乳業協会(担当:青沼 明コ) 〒104-0045 東京都中央区築地6丁目4番10号 カトキチ築地ビル9階 電話(03)6226−6351 http://www.j-milk.jp/news/8d863s000007j0p1.html 牛乳有害説から見る、詭弁の基本。 2006年08月18日
毎日新聞 牛乳「有害」本が波紋 でもやっぱり「有益」は多数派 このニュース記事が本当のことならばかなりゲーム脳みたいな論法が使われ、公然とまかり通っている・・・らしいのでかなり嫌なところ。 この問題自体は真面目に議論するのも少し憚られるのですが、これらの話(つまり真偽よりもこのニュースで取り上げられている内容は)はとても詭弁の基本挙げていて、非常に面白いサンプルになります。 (多分、毎日新聞の記者は、立場上おおっぴらにできないが、この本が詭弁だと主張したいのじゃないかと思う。賛成論の後に必ず否定論を載せているし。) 『日本人が1年間に飲む牛乳は1人平均約35リットル。
デンマークやオランダなどは優に100リットルを超える。 チーズなど乳製品を含めると、その差は4倍前後にもなる。 しかし、高齢者の大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)(太ももの付け根)の骨折率は北欧諸国の方が日本より高い。このため「牛乳は防止策にならない」との指摘がある。』 これは最もメジャーな統計トリックです。
AとBの差について、何に原因があるかは統計では算出できない場合があります。 具体的に言えば北欧諸国と日本では牛乳以外の差がありまくりで、この骨折率の原因は牛乳以外にある可能性が非常に高いため、牛乳を根拠とするのは立派な詭弁だということです。 統計から牛乳の骨折率の関係を調べたい場合、全員同じ日本人から牛乳をよく飲む人間とそうでない人間を何千人か(多ければ多いほどいいけど)サンプリングしてそこから求めたほうが正確です。 できれば追跡調査をするべきですが。 『子牛の成長を促す牛乳には、硫酸エストロンなどの女性ホルモンが含まれている。 佐藤章夫・山梨医科大名誉教授はこの視点から、今年6月の環境ホルモン学会で「硫酸エストロンはビスフェノールAなどの環境ホルモン(内分泌かく乱物質)よりも強い」との説を発表し、注目された。』
ここで注目すべきは、主語が牛乳は、ではなく、硫酸エストロンは、となっている点です。
イソフラボンは有名な女性ホルモンですが一般に健康成分として知られています。 ですから女性ホルモンが(または環境ホルモンが)有害物質に直接繋がるというわけではありません。 また硫酸エストロンがビスフェノールAよりも強いという事実は、牛乳が環境ホルモンよりも有害ということになるわけではないということは理解していただけるでしょう。 『同名誉教授は、雌ラットに発がん物質と同時に牛乳や水などを与えた実験結果から、牛乳に乳腺腫瘍を促進させる作用があったとして「牛乳を大量に飲み続けると卵巣がんなどのリスクが高まる」との仮説を提起した。』
ラット実験は書籍「買ってはいけないは買ってはいけない」で多く指摘された詭弁の1つとなりえる可能性があります。
ラットによる実験は生物への影響を調べる上で非常に有益ですが、詭弁に使われることも多くあります。ラットへ与える物質の量は人間換算すると非常に大きくなり、影響が誇張される場合があるので注意するべきです。 例えば書籍「買ってはいけない」では、ラットへある物質を投与し続けるととある病気になる、という文章があるのですが、書籍「買ってはいけないは買ってはいけない」では、水でさえラットに大量投与しつづければ下痢を引き起こす、となっています。 牛乳の例で言えば1日2本牛乳を飲むと下痢を起こすといわれるように、非常にタンパク質の刺激が強い飲み物であることが知られています。 このように一定量を超えると悪影響を及ぼす危険性は無視できないのは確かですが、ラットの体重と人間の体重から一日どれくらいの牛乳がこの影響を出すのか算出するべきです。 実際のデータについてはこちらで見つけました。 http://food.kenji.ne.jp/review/review193.htmlより 『4 「ヨーグルトを与えたラットのすべてに白内障がみられたこと を報告」(247頁下段17、18行目)の記載について (事実) 本実験は、ラットに対するヨーグルト摂取量を、体重60kgの人間に換算して一日当たり21.6kg〜24kgとするなど極端な条件を設定したものである。このような日常生活では想定できない摂取量による実験結果を根拠としてヨーグルトの摂取と白内障との因果関係を結びつけた記載は不正確で誤解を与えるものである。』
体重の3分の1のヨーグルトは普通にストレスで死ねると思います。
また、実験は基本的に人間で行うべきで、ラットは代替手段であるため、牛乳の実験でラットは使うべきでは無いと言えます。 毒物の実験でラットを使うのならわかりますが、そこらじゅうに大量のサンプルが存在する人間社会にいるのにも関わらず、ラットで牛乳実験をすることは正確性に欠けるでしょう。 ラットはラットであり、人間ではありませんから、別の原因が作用する可能性は非常に高いです。 『ネット上で取り上げられることが多い有害説の論拠の一つが「牛乳は子牛が飲むもの。人が他のほ乳動物の乳を飲むのは不自然」との考え方だ。』
これは既に詭弁にさえなりません。
不自然であるか、不自然でないかという議論は、悪徳商法で使用され、たまに騙されてしまう人がいますが、殆どの人は感覚的にこれが間違った主張であることを見抜きます。 分かりやすい例を挙げれば、 「動物は服を着ないのが自然だ。人間は動物である。よって人間は服を着ないのが自然だ。(→だから裸で生活しようと繋がる)」 といった三段論法でありますが、頭の「動物は服を着ないのが自然だ」の根拠が無いため詭弁になっています。 http://tail.s68.xrea.com/blog/2006/08/post_33.html ダマされるな!牛乳有害説の有害性 2014年4月29日火曜日
好き嫌いなくなんでも食べることは昔から親が子に教えてきたこと。だが、福島原発事故以降、日本国内で食品の安全性や放射線汚染の影響等が異常な程に注目を浴びるようになり、その後も産地偽装問題等食品関連の問題が続いたことで話題性は高まるばかり。
なかでも比較的放射線の影響を受けやすい牛乳は、その有害性が声高に主張されている。 とはいえ、牛乳の有害性は原発事故以前に既に牛乳有害説として食に神経質な一般人の間で支持を集めていた。 牛乳有害説の主軸は、放射線汚染というよりも牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素ラクターゼの不足である。
大半の日本人が乳糖を分解する酵素を持たない(もしくは不足している)乳糖不耐症であるため、下痢等の症状に苦しむことになるという。 牛乳を飲んでもカルシウムを吸収できないどころか、飲んだことで深刻な下痢に悩むことになるそうだ。そんな牛乳有害説を支持するとある保護者がブログに書いたセンセーショナルな記事 (http://ameblo.jp/3shin5kan/entry-11763752382.html) が注目されている。 結論から言えば、牛乳有害説はまともな根拠すらない全くの嘘。
牛乳は今も昔も重要なカルシウム摂取源であって、その他にもビタミンやミネラルをバランス良く含む素晴らしい食品なのだ。 牛乳有害説の中心的な根拠となっている乳糖不耐症それ自体は嘘ではない。 ハーバード公衆衛生大学院の研究結果によれば、アジアの人々の90%が乳糖不耐症であり、これはヒスパニックの人々(50%が乳糖不耐症)や北欧の人々(15%)に比べて明らかに高い数値と言える。 肝心の日本人はというと、元東京大学医学部教授の上田英雄氏が実施した調査結果をそのまま引用すると、実に95%もの人々が乳糖不耐症なのだという。 乳糖不耐症の人に過剰な量の乳糖を投与すると下痢等の症状が確認されるのだが、これは消化吸収されずに大腸に到達した乳糖が腸内の浸透圧を上げることで、腸壁から水分が染み出し、便が軟化することによる。だが、東京大学大学院農学生命科学研究科の清水誠教授は論文で、
「乳糖30g(牛乳700ml相当)ではひとりも下痢を起こさないため、コップ1〜2杯の牛乳では多くの場合、問題がない」 としている。それでも牛乳有害説の論者は、牛乳と下痢との関係性を主張し続けるだろう。例えば、聖霊女子短期大学生活文化科の塚田三香子教授が学内で実施したアンケート調査では、牛乳を苦手とする学生のうち28.1%の学生が飲まない理由として「お腹がごろごろする」ことを挙げている。 牛乳を飲むことと下痢との関係を否定する学者もいれば、肯定する学者もいる。個人的には、小学校入学後に学校給食で毎日のように出される牛乳がどう考えてもご飯に合わないので、ひと通り食べ終えてから牛乳を一気に飲んでしまったことが原因なのではないかと思う。冷えた飲み物を一気飲みすれば、牛乳に限らずお腹に良くないことは当たり前のことである。とはいえ、一度幼少期に苦手意識をもってしまえばそれを克服することは容易なことではない。
前出の塚田教授は、マウスを用いた実験を通して、乳糖を含む食品を投与し続けた個体の方が、乳糖を含まない飼料を与えた個体よりも乳糖分解酵素の活性を持った細菌類の数が上昇し、乳糖不耐症を軽減する効果を得たことを証明している。この実験結果を受けて塚田教授は、
『「乳糖不耐症と自覚する集団は、乳類を摂取しないためカルシウム摂取量が低い」ということが確かめられている。このような集団に起こるのは、「牛乳による不快な症状を自覚しやすい人は牛乳など乳製品を取らない、すると乳糖を摂取する機会がないために乳糖分解を助ける腸内細菌叢が形成されない、細菌による乳糖分解の助けもないために牛乳をのむと益々乳糖不耐症の症状が自覚されやすい。」という循環が成り立ってしまうためである。』 と結論付けた。 それでもまだ牛乳有害説の支持者はこう訴えるだろう。
「我々は人間だ、マウスじゃない」 だが、牛乳有害説を崩す根拠はこれだけではない。
アメリカ国立衛生研究所の研究員がThe American Journal of Clinical Nutritionで公開した論文では、乳糖不耐症の被験者とそうでない被験者との間で牛乳に含まれるカルシウムの吸収率の差が大きくないことが明らかにされている。 また、同論文では1983年に実施された同様の実験でも乳糖不耐症の被験者のカルシウム吸収率が通常よりも18%程低下したという実験結果を紹介しているが、これは言い換えれば、乳糖不耐症の人でも80%以上のカルシウムを吸収できることを意味している。 その点、冒頭のブログ記事では、
『特によく聞くのが、「カルシウムが多くて骨が強くなる」です。 でも実は牛乳ってそんなにカルシウム多くないんです。牛乳100g中に110mgのカルシウムが含まれています。ひじきには1.4倍 小松菜には1.5倍 大根の葉っぱには2倍切り干し大根には5倍昆布には6.5倍ワカメには7倍煮干には22倍のカルシウムが含まれています。』 と、牛乳が必ずしもカルシウムを豊富に含む食品ではないことを挙げているが、公益社団法人日本栄養士会はHP上で 『カルシウムは吸収率の低い栄養素ですが、牛乳のカルシウムの吸収率は他の食品に比べ高く(牛乳:約40%、小魚:約33%、野菜:約19%)、手軽にある程度の量を摂取できます』 と説明しており、実質的な吸収率を考えれば牛乳が圧倒的に効果的な食品であることは明らかであるといえる。 そもそも大勢の生徒に限られた人員と経費で食事を準備しないといけない学校給食において、ひじきだの大根の葉っぱだのを献立に採用するよりも、牛乳を1人1本ずつ与えた方がより経済的かつ効果的である。それに、学校給食の献立は、牛乳に含まれるカルシウムの吸収を助けるビタミン類のバランスが良くなるように組まれている。とりわけ牛乳との相性の良いビタミンDは、日光を浴びることで生成できるため、牛乳の文句を言う位なら給食をしっかり食べて外で思いっきり遊んだ方が子供の健康のためになるのではないか。
結局のところ、このブログの著者が信奉する牛乳有害説は、全く根拠なき嘘なのである。
兵庫県丹波市に住む著者が福島原発の放射線汚染の心配をするあたり既に意味不明ではあるものの、NPO法人新宿代々木市民測定所が公開している牛乳の放射線汚染度のリストを見ても今のところ深刻な健康被害を与えるような牛乳は市場に出回っていない。むしろ、訳の分からない説に囚われて、罪のない子供が貴重なカルシウム源を失っていることに同情の念さえ芽生えるといったところだ。 なにはともあれ、牛乳は最高の食品であることに変わりはない。
この著者のように、牛の乳を人が飲むことを疑問視するのであれば、そこは徹底して加工食品も食べずに裸で暮らせば良いのだ。ブログのコメント欄にある読者がこんな質問を投げかけた。 「でわ、アイスも、ケーキも、ピザも食べないんですね?これらも乳製品ですが?」 肝心の著者はというと、 「知った上で食べてますよー。みんな好きですし。 あれこれ選択した上でですが。体にいいからという間違った思い込みで食べたり食べさせたりするのがよくないといいたいんです」 と答えている。 間違った思い込みとは何か、考えを改めるのは今からでも遅くはない。 http://tairakun.blogspot.jp/2014/04/blog-post_6652.html まだ「牛乳有害論」を信じている人が居るのね〜・・・!?ヾ(▼ヘ▼;) 2010-06-27
以前ベストセラーになった「病気にならない生き方」に記されている「牛乳害悪論」は、既に全く根拠の無い出鱈目であるに過ぎない事が明らかになっていると自分は考えている。 だが現在mixiの「マクロビオティック(玄米菜食)コミュニティーの『牛乳について教えて下さいトピック 』」で、「牛乳が身体に悪い」と断じて発言を繰り返している人が居る。
「やれやれ、またか。」というのが正直な感想である。 既にmixiでは、自分が知っているだけでも以下のトピックで「牛乳害悪論」への疑問が呈されており、それが誤りである事も明らかになっていると、自分は考えている。
・食育〜子どもの食事「牛乳って本当に身体にいいのでしょうか? 」 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=8141837&comm_id=29283 ・オーガニックライフ (エコ&健康) 「牛乳を飲むと骨がゆがむ・エボリューション 」 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=39651641&comm_id=30883
(このトピックは、「牛乳を飲むと骨がゆがむ」というトピックが、トピックを立ち上げた人間(トピ主)の主張する意見と反対の意見が多数を占めたためか、トピ主がトピックを削除するという暴挙を行った為、削除されたトピックに記された情報再構築も兼ねて立てられた。
なお余談だが、この「エボリューションを立ち上げたトピ主」さんは、オーガニックコミュ及び mixiとGREEで60以上のコミュニティーの管理者である「よっく」氏により、その他数名の会員(いずれも科学と論理に秀でた論客であった)と同時期に該当コミュニティーを強制退会処分となっている。) 又その他の情報源として、その最も重要なものは、牛乳乳製品健康科学会議が公開している「(新谷弘美医師に対する)公開質問状 記者発表配布資料一覧 」であろう。
新谷医師に対して行った公開質問状に対する新谷医師の回答は、科学的根拠が極めて薄い、或いは全く無いものであると思われる。
なお新谷医師は現在「コーヒーエネマ(腸洗浄、浣腸)」と「ミラクルエンザイム」なる怪しげな商売を行っている事が、そのHP から読み取れるのが笑える。
そして毎日新聞小島記者の記事と、食品安全情報で紹介されている、米国小児科学会の「乳糖不耐の子どもたちに健康的な食事の一環として乳製品を薦めている」発表もある。
アメリカは移民の国であるから、元々乳製品を多くとる習慣の無かった日本や東南アジア、中国系の移民も含めた雑多な人種により構成されているが、その様な国でも「健康的食事」として、「乳糖不対症」の子供にも、乳製品を薦めている。 この事実をどう考えるか? 「牛乳害悪論」は全く根拠の無い出鱈目であると自分は判断している。 以下にこれら二つの記事を紹介するが、前者は既にネット上から削除されているので、その全文を記載している別サイトを紹介する。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「安心!?食べ物情報 Food-Review 360号 2006.10.01 」 http://food.kenji.ne.jp/review/review360.html 【以下、上記サイトから抜粋】
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ 牛乳:「有害」本が波紋 でもやっぱり「有益」は多数派 「健康飲料」の代名詞的存在の牛乳を「有害」とする説が書籍やネット上で取り上げられ、波紋を広げている。一方で「有益」とする考え方は、栄養学などの世界で今も多数派だ。主な論点を知っておきたい。【小島正美】 【中略】
●骨粗しょう症 牛乳に多く含まれるカルシウム。摂取源として牛乳は有益なのか。 有益でないとする根拠の一つが、骨粗しょう症と牛乳との関係だ。 【中略】
これに対し、近畿大医学部の伊木雅之教授(公衆衛生学)は「平均的な骨の密度は北欧人の方が高く、体形の問題が大きい」とみる。 同教授によると、背骨の骨折率は日本人の方が高いが、大腿骨では逆転する。 「西欧人の大腿骨頸部の骨は斜めに長く伸びているため、お尻が大きくて体重が重い西欧人は転倒などで骨折しやすい。北欧人の牛乳摂取量が少なかったら、骨折はもっと増えるはずだ」 と言う。 ●環境ホルモン
【中略】
これに対し、山口大農学部の中尾敏彦教授(獣医学)は 「牛乳中のホルモンを摂取しても、女性の体内を流れているホルモンの量に比べれば微々たるもの」 と影響に疑問を呈す。一方、新潟大医学部の中村和利助教授(公衆衛生学)は 「牛乳とがんとの関係はまだ仮説の域を出ておらず、冷静な議論が必要だ」 と話す。 ●子牛のための栄養
ネット上で取り上げられることが多い有害説の論拠の一つが 「牛乳は子牛が飲むもの。人が他のほ乳動物の乳を飲むのは不自然」 との考え方だ。 これについて岐阜大学応用生物科学部の金丸義敬教授(食品機能化学)は 「野菜や肉、魚なども人間のために存在しているわけでなく、牛乳も数ある食材の一つ。必要な栄養素を牛乳から取ってもおかしくない」 と話す。 飼育法の問題を指摘する声もある。いま、酪農家たちは大量の乳を出すスーパーカウ育成を目指しており、酪農学園大大学院の中野益男教授(環境生化学)は 「飼育法が工業化され、牛の生理に合わなくなっている問題は確かにある」 と言う。 「ただ、だからといって牛乳自体が有害というわけではなく、牛乳と飼育法の問題は分けて考えるべきだ」 と話す。 http://cc.msnscache.com/cache.aspx?q=4013291226451&lang=ja-JP&mkt=ja-JP&FORM=CVRE --〔↑引用おわり〕------------------------------------------ もっとはっきりと
新谷本はトンデモ本であり、全編デタラメだ! と書けばよさそうなものですが、新聞記者というのは政府を批判するとき以外はなかなか紳士的なものです。 遠回しな書き方ですが、小島記者は新谷説を全面的に否定していると考えてよいと思います。 「野菜や肉、魚なども人間のために存在しているわけでない」 というのは面白いですね。こんな簡単で完璧な反論も思いつかない人が大勢いるのには驚きます。 【記事紹介終了】
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【食品安全情報blog 2006-09-06(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20060906#p1 )より引用】 AAPの臨床報告では乳糖不耐の子どもたちに乳製品を薦めている A new clinical report from the AAP recommends dairy for children with lactose intolerance 5-Sep-2006 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-09/ndc-anc090106.php 米国小児科学会が乳糖不耐の子どもたちに健康的な食事の一環として乳製品を薦めている。
乳糖不耐であっても乳製品を完全に避ける必要はない。 助言の内容としては、 ・ ミルクを飲むときは食べ物と一緒に
・ チェダーチーズやスイスチーズのような時間の経ったチーズは乳糖が少ない ・ ゆっくり乳製品をとり始めること。徐々に量を増やす。 ・ 乳糖を減らす。乳糖削減ミルクや乳製品を食べる ・ 生きた菌のいるヨーグルトは乳糖分解を助ける (乳糖不耐はミルクアレルギーと混同されやすいが、違う。乳糖分解酵素の不足による。) PEDIATRICS Vol. 118 No. 3 September 2006, pp. 1279-1286 (doi:10.1542/peds.2006-1721) http://ameblo.jp/inugamiakira/entry-10574884548.html
06. 2014年10月23日 21:14:38 : b5JdkWvGxs 1日1杯の牛乳が糖尿病リスクを下げる 死亡率は4割低下 2014年09月25日 牛乳やチーズ、ヨーグルトなどは、脂肪分がたっぷり含まれているので、健康に悪そうなイメージがあるが、実は糖尿病の予防効果があるという研究が発表された。 乳製品の脂肪が2型糖尿病の予防に役立つ
牛乳やチーズ、ヨーグルトなどをよく食べるでは、全く食べない人に比べ、2型糖尿病の発症リスクが23%低下することが、約2万7,000人の観察研究で明らかになった。ウィーンで9月に開催された「第50回欧州糖尿病学会」で発表された。 乳製品の1日の消費量は、週に5サービング程度が最適だと言う。1サービングはコップ1杯(200mL)の牛乳、ヨーグルト(200g)、チーズ40gに相当する。 ただし、脂肪分が含まれる食品のうち、肉の摂取量が多い人では糖尿病の発症リスクが上昇することも明らかになった。 食品に含まれる脂肪は、糖代謝とインスリン感受性に影響を与えるため、2型糖尿病の発症で重要な役割を果たしていると考えられている。 脂身の多い肉などに含まれるコレステロールや飽和脂肪酸を多く摂取すると、2型糖尿病リスクが上昇するが、動物性脂肪のなかでも乳製品に含まれる脂肪分は糖尿病の予防に有用であるようだ スウェーデンのルンド大学糖尿病センターのウルリーカ エリクソン氏らは、2万6,930人(年齢45〜74歳)の食事データを収集し、高脂肪乳製品や低脂肪乳製品などの食品ごとの摂取量を五分位に分類し、2型糖尿病リスクを比較した。 14年間の追跡期間中に、2,860人が2型糖尿病を発症した。牛乳やヨーグルトなどの高脂肪の発酵乳製品をもっとも多く摂取していた群では、もっとも少なく摂取していた群に比べ、2型糖尿病の発症リスクが23%低かった。糖尿病を発症した患者の60%は乳製品を窃取していなかった。 牛乳などの乳製品を摂取すると死亡率は4割低下
オーストラリアのモナッシュ大学の研究では、伝統的に乳製品を食事でとる習慣がない地域であっても、乳製品を毎日少量とると心臓病や脳卒中のリスクを減らすことができることが明らかになった。 研究には、台湾の約3,810人の成人男女(19〜64歳)が参加した。台湾には牛乳やヨーグルトなどの乳製品を食べる習慣はなく、参加した男性の30%、女性の22%は乳製品を食べる習慣をもっていなかったという。 がんと心血管疾患は、台湾でも主要な死亡原因となっているが、乳製品を週に3〜7回食べていた群では、全死因による死亡率が39%も減少していた。乳製品を全く食べない人は、そうでない人よりも血圧やBMIが高く、体脂肪も多い傾向がみられた。 「牛乳などの乳製品によって、健康に不可欠な幅広い栄養素を摂取できます。調査では、1日1回程度の摂取で乳製品の効果を十分に得られることが示されました」 と、モナッシュ大学のマーク ウォルクヴィスト教授は述べている。 研究について、英国糖尿病学会のリチャード エリオット氏は
「乳製品の脂肪は、一般的な動物性脂肪と違い、2型糖尿病の予防に役立つかもしれない」 と指摘している。 「ただし、乳製品を過剰に摂取すると肥満につながるので、"乳製品だけを食べれば良い"とは思わない方が良い。治療の基本は栄養バランスの良い食事であることを忘れてはなりません。塩分、飽和脂肪酸、糖分の過剰摂取は、糖尿病を悪化させるおそれがあります」と注意を促している。 http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/022459.php
07. 2014年10月23日 21:19:48 : b5JdkWvGxs 牛乳には生活習慣病を予防する働きがあることが認められています。 栄養成分が豊富な牛乳の摂取は栄養過剰になり、生活習慣病のリスク要因になるという誤解が一部にあります。 しかし各種の研究データでは、牛乳はがん、高血圧、高脂血症、糖尿病などのリスク要因にならないばかりか、そのリスクをコントロールしたり、低減する働きが認められ、生活習慣病の予防に貢献していると考えられます。 ------------------------------------------------------- 「過ぎたるはなお、及ばざるがごとし」といわれるように、牛乳が栄養バランスに優れた食品だからといって、毎日牛乳だけといった極端に偏った食生活を続けていると、生活習慣病を招きかねません。これは牛乳にかぎらず、どの食品についてもいえることです。 牛乳だけを摂取して健康を損ね、「牛乳は体によくない」といった主張は、栄養学の基本を無視した考えといえるでしょう。 生活習慣病の予防の基本は、食生活の改善です。平成12年に策定された国の食生活指針に示されているように、「主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」、「野菜、果物、牛乳・乳製品、豆類、魚などを組み合わせて」摂ることが、健康を増進し、QOLを向上させるための必須条件です。1日30品目の食品を摂るという食生活の基本を守り、その中に牛乳を上手に取り入れることが大切です。 牛乳のカルシウムには、生活習慣病予防の第一歩である肥満を予防する働きが認められています。
肥満は中高年だけでなく、若者、子どもにまで幅広い年齢層に広がっています。肥満は万病の元といわれるように、さまざまな生活習慣病の引き金になります。したがって肥満の解消は、生活習慣病予防の第一歩といえます。 米国の疫学調査で、牛乳・乳製品に含まれるカルシウムには、体脂肪率や体重を下げる働きがあることが明らかになっています。 糖尿病は、血液中の糖(血糖)の濃度が慢性的に高くなる病気です。糖尿病は、予備軍を含めると1,620万人もいるといわれています。糖尿病は、初期の段階では自覚症状がないため、半数以上が治療を受けていません、糖尿病は、放置しておくと、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こします。さらに動脈硬化を進展させ、心筋梗塞や脳梗塞などの発症のリスク要因となります。 糖尿病には、インスリンを分泌するB細胞が破壊されてインスリンが欠乏する1型糖尿病と、肥満などでインスリンは分泌されていてもその働きが悪くなって発症する2型糖尿病があります。日本人では2型糖尿病が大多数を占めています。 2型糖尿病では、インスリンが分泌されてもその働きが悪くなるインスリン抵抗性症候群という病態がありますが、牛乳・乳製品の摂取によって、インスリン抵抗性が改善されるという報告が出されています。 また、最近GI(グリセミック・インデックス)という新しい栄養指導の指標が導入され、糖尿病の食事指導にも採用されています。GIは食後の血糖値の変化を示す指標で、糖尿病では、食後の血糖値の上昇を抑えることが、糖尿病の悪化を防ぐカギとなっています。牛乳はこのGIが低く、肥満や糖尿病の予防・改善につながる食品として期待されています。 なお、牛乳が1型糖尿病の発症と関係があるという主張が一部にありますが、その関係は証明されていません。 日本人に多い高血圧、高脂血症のコントロールにも牛乳の効用が認められています。
日本人の高脂血症は約2,000万人といわれています。高脂血症も自覚症状がないため、未治療の患者さんも少なくありません。最近では、高脂血症は中高年だけでなく、子どもや若者にも増加してしているのは、油脂に加えて糖質の多い清涼飲料やアルコールの過剰摂取などが大きな原因となっています。 高脂血症には、総コレステロール値が高い高コレステロール血症、中性脂肪が高い高トリクリセリド血症、悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロール値が高い高LDLコレステロール血症があります。 高脂血症は肥満、糖尿病、高血圧を合併すると動脈硬化を促進し、心筋梗塞を招く「死の四重奏」となります。 牛乳には脂質が含まれるため、その摂取はコレステロール値を上昇させるように思われますが、いくつかの調査によると1日600ml程度までは、血清コレステロール値を上昇させないことがわかっています。 日本人には高血圧の人が3,000万人もいるといわれています。高血圧の85〜90%を占めるのが本態性高血圧で、加齢とともに患者数が増えてきます。本態性高血圧の発症には、遺伝的素因と環境要因が影響しています。環境要因には、肥満、塩分の過剰摂取のほか、運動不足、喫煙、ストレスなどが挙げられます。 牛乳にふくまれているカルシウムが、高血圧を予防することが疫学調査で明らかになっています。ただし、そのメカニズムは解明されていません。 また糖尿病、高脂血症、高血圧などによって動脈硬化が進み、心疾患(心筋梗塞・狭心症)を発症しますが、牛乳・乳製品の摂取は、心疾患のリスク要因にはならないことが、欧米の疫学調査で明らかになっています。 牛乳には、がんの発生率を低下させるというデータが出されています。 日本人の死亡原因で最も多いのががんで、全死亡数の約3分の1を占めています。がんの原因となるものは、喫煙、食事、放射線、環境汚染、食品添加物、ウイルスなどで、いずれもわれわれの身の回りにあるものです。したがって、ガンを予防するためには、これらの要因を避けることと、がんに対する免疫力、抵抗力を強くすることです。この免疫力、抵抗力は、生活習慣、特に食生活と深く関っています。 最近日本人に増えている大腸がんや乳がんは、動物性脂肪の過剰摂取が、胃がんは塩分の過剰摂取が関与していると指摘されています。 牛乳とがんの関係ですが、疫学調査によると牛乳の摂取により、胃がん、大腸がんや乳がんの発生率が低下するというデータが出ています。また三次機能の研究で牛乳には、免疫力、抵抗力を高める働きがあることが認められています。 寝たきりの原因となる骨粗鬆症の予防には牛乳は欠かせない食品です。 高齢化社会のなかで介護が必要となる原因として、脳血管疾患に次いで多いのが転倒・骨折です。転倒・骨折は骨粗鬆症が背景要因となっているカースが大半です。骨粗鬆症は閉経後の女性に急増する病気で、日本では約1,000万人の患者さんがいるといわれています。 骨粗鬆症の予防にはカルシウムの摂取が重要であることはよく知られています。牛乳はそのカルシウムの補給源として最適な食品です。牛乳の積極的な摂取により、骨折率も低下するというデータが報告されています。 このほか、関節に激痛の発作を起こす痛風(高尿酸血症)についても、牛乳の摂取により、そのリスクが低下するという疫学調査が報告されています。 http://www.zennyuren.or.jp/qa/wakaru50/gairon3.htm 08. 2014年10月24日 00:19:39 : kHy5lg5R3c コメントを読んで、我が国の牛乳信仰の強さを改めて感じました。 それとも単に b5JdkWvGxs が一人で騒いでいるだけ? 09. 中川隆 2014年10月24日 08:19:01 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs 牛乳といえば、カルシウムのとれる栄養食品であると同時に、生クリームの原料でもあり、脂肪分を含んでいるため「飲むと太る」と思いこんでいる人もいるようだ。 しかし、海外のこれまでの研究では、牛乳や乳製品を多くとる食生活を送っている人は、むしろメタボになりにくかったり、血圧が下がったりする効果がある可能性が示唆されていた。 この研究結果は日本人にもあてはまるか、が今回の研究テーマだ。一般社団法人Jミルクが2014年9月25日に開いた第37回メディアミルクセミナーで、「牛乳乳製品によるメタボリック症候群予防の可能性」というテーマで報告された。 研究を主導したのは細井孝之医師(医療法人財団健康院健康院クリニック副院長、予防医療研究所所長)。細井さんは、
「日本においてはなぜか、牛乳を飲むと太る、血清脂質プロフィールを悪化させる、といった漠然とした疑問が散見されることがあるが、実は、海外では逆に牛乳や乳製品を多く摂っているほどメタボリックシンドロームが少ないことが報告されている」 として、日本人を対象に調べることにした。 20〜60歳の男性200人を2グループに分け、102人には24週間、食事指導に加え、毎日400グラムの牛乳・乳製品をとる生活を続けてもらい、残り98人には食事指導のみを行って、血圧や腹位、コレステロール値などの推移を調べた。 その結果、牛乳や乳製品をとったグループの人たちは、そうでない人たちに比べ、血圧の低下の幅がより大きかったという。 「日本人の食生活における、乳・乳製品とメタボリックシンドロームの予防、改善の関連性について、わが国発の有効なエビデンスになるであろう」と細井さんは話した。
今回の研究に協力した男性200人は、
腹囲85cm以上、BMI25kg/平方メートル以上、 総コレステロール200mg/dL(≒LDL120mg/dL)以上、 空腹時中性脂肪150mg/dL以上、 空腹時血糖値100mg/dL以上、 収縮期血圧130mmHgまたは拡張期血圧85mmHg、 の6つの指標のうち2つ以上に該当する人たち。 喫煙者、牛乳アレルギーなど牛乳の摂取に健康上の問題のある人、重篤な心疾患や脳血管疾患、腎疾患、糖尿病の病歴のある人は除外した。全員に、食事からの適正なエネルギーと栄養素の摂取についての指導を行った。
牛乳や乳製品を摂取したグループもそれ以外の人たちも、食事指導によって腹囲や血圧、体重、体脂肪率、総コレステロール数などが改善したことは共通していたという。 鶏が先が卵が先か? という因果性についてよく話がされるが、良い食事習慣によってメタボが改善されたことにより身体が軽くなり運動習慣ができたのか? それとも牛乳や乳製品を摂る習慣がきっかけとなり、自らの健康への意識が高まり、運動習慣ができたのか? この結果からも適度な運動と食生活の改善がメタボ改善の早道といえそうだ。 いずれにせよ、日本人の食生活における牛乳・乳製品の関連性と、これからの研究に注目しておきたい。 この研究結果は、Journal of Nutritional Science and Vitaminology (JNSV) 5:305-312, 2014 に掲載されている。 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141001-00000011-sasahi-hlth
|