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写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
がんも脳卒中も発見が遅れ…若作りの人ほど重大病を招く
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/155895
2014年12月20日 日刊ゲンダイ
師走は、みんなヘロヘロだ。疲れが顔に出る。でも、同じように仕事をして、忘年会に参加しているのに、いつも元気で若々しい人もいる。そんな人は概して健康的と思われがちだが、決してそんなことはない。
「元気な人の方が“万が一”のときは危ない。若作りの人は要注意です」というのは、聖路加国際病院内科名誉医長で、西崎クリニック院長の西崎統氏だ。そういえば、ミスター・ジャイアンツもヤングマンも、脳梗塞で倒れ、重い後遺症が残っている。なぜ若作りの人は危険なのか。
「ポイントは、血圧と脈です。血圧は活動している日中に高くなって、夜間から寝ているときに下がります。この大きなリズムに加えて、ストレスや運動などの影響で、さらに上下する。健康診断で正常な血圧でも、仕事中の血圧が異常に高い人は少なくないのです。脈も、運動やストレスの影響で変化します。健康第一の医師が、脳梗塞や脳出血を起こすのは、概して夜勤明け。徹夜による睡眠不足とストレスのダブルパンチで、血圧や脈が乱高下し、重大病を引き起こすのです」
■無理するほどNK細胞が弱る
「自分は元気だ」という健康感と周りからの評判が健康自慢を増幅させていく。仕事と忘年会の疲れがたまっていても、週末は午前中から「健康のため」と運動で汗を流してから、午後は家族サービスに出かける。体力自慢で感覚的に「疲労回復は早い」と思っていても、体に感じない疲れが蓄積されていく。それが目に見えないストレスとなり、血圧や脈を乱し、血管にダメージを与えるのだが、血管の病気だけでなく、がんもヤバい。
「たとえば、肺がんは心臓の裏にできると、エックス線ではかなり大きくならないと、見つかりにくい。肺の奥にできるタイプは、症状が乏しい。大腸がんも同じで、できる場所によっては、便通異常が表れにくいことがあります。大腸がんは“生活習慣病のがん”といわれるようになっていて、欧米食の影響が強い。つまり、健康自慢を気取って、いつまでも元気に肉を食べている人ほど、発症しやすいのですが、若作りの人は病気の意識が薄いので、がんも発見が遅れやすい」
徹夜に強いのは、若さの象徴ではない。無理をすればするほど、がんと戦うNK細胞の活性が下がる。最大8割近く落ちるという。“がんとの戦闘要員”が8割も休んでいたら、体はがんに負けてしまう。「睡眠不足もヘッチャラ」と若ぶっている人ほど、がんにもなりやすいのはそのためだ。
では、どうすればいいか。
「とにかく休むことですが、若作りの人は“運動=体にいいこと”と刷り込まれているため、疲れていても過度な運動をしがちです。仕事も運動もでは、そのうち体は悲鳴を上げます。肩凝りや頭痛は血圧が上がったときに生じやすい。脈の異常は疲れがたまっているとき。これらの症状が表れたら、休むことです」
本当に若々しくありたければ、安息日をつくることだ。
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