http://www.asyura2.com/13/health16/msg/716.html
Tweet |
ヨードうがい薬でうがいをすると風邪をひきやすくなる?水道水が一番効果的?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141214-00010000-bjournal-soci
Business Journal 12月14日(日)6時0分配信
日に日に寒さが増し、空気も乾燥してきており、風邪が流行する季節となりました。風邪の原因は9割がウイルスといわれています。それがのどや鼻などの粘膜に感染して増殖し、炎症を起こします。その結果、のど荒れや鼻水、クシャミ、発熱、頭痛などの風邪の諸症状が現れるのです。
そこで、予防のためにうがいや手洗いの励行が叫ばれています。その際、単に水でうがいをするのではなく、ヨードうがい薬でうがいをしている人も少なくないと思います。ヨードうがい薬は、ウイルスにも効果があるとされており、テレビCMでもそのことが盛んに宣伝されています。しかし、ヨードうがい薬で毎日うがいをすると、かえって風邪をひきやすくなってしまうようなのです。
市販されているヨードうがい薬は「イソジン」(明治)など何種類かありますが、基本的にはどれも同じ成分です。溶液1ml中にポピドンヨードという有効成分を70mg(約7%)含んでいます。そのほかは、エタノール、l-メントール、サッカリンNa、香料などの薬用添加物が使われています。薬用添加物は製品によってやや違いがありますが、有効成分はどの製品も変わりません。ちなみに、有効成分のポピドンヨードはヨウ素(ヨード)をポリビニルピロリドンという化学物質に結合させたもので、日本薬局方に収載された医薬品です。
ポピドンヨードは、ヨウ素を分離してそれが細菌やウイルス、真菌(カビ)に対して殺菌効果を示します。これまでの研究では、エイズウイルスやB型肝炎ウイルスにも有効であることがわかっています。ところが、京都大学保健管理センター(現・健康科学センター)の川村孝教授の研究グループが行った調査によれば、このヨウ素は両刃の剣で、のどの粘膜の細胞をも傷つけてしまうようなのです。その結果、かえって風邪をひきやすくなってしまうのです。
同グループでは2002〜03年の冬季、北海道から九州まで全国18地域でボランティア387名を募り、くじ引きで「ヨード液うがい群」「水うがい群」「特にうがいをしない群」の3グループに分けました。そして、それぞれのうがい行動を2カ月間行ってもらい、風邪の発症率を調べたのです。
「ヨード液うがい群」の人々は、説明書に従い、溶液2〜4mlを水約60mlで薄めて1日に3回以上うがいしました。一方、「水うがい群」は、水約60mlで1日3回以上うがいをしました。なお、1日の平均うがい回数はどちらも3.7回でした。
●意外な結果
その結果は、まったく意外なものでした。まず「特にうがいをしない群」ですが、風邪の発症率は、1カ月あたり100人中26.4人でした。およそ4人に1人が発症していることになります。
次に「水うがい群」ですが、同17.0人でした。これは、「特にうがいをしない群」に比べて、明らかに発症率が低いといえます。やはり、うがいによる効果が現れたと考えられます。
最後に、「ヨード液うがい群」ですが、同23.6人という結果でした。つまり、「水うがい群」よりも風邪の発症率が約1.4倍も高く、「特にうがいをしない群」とほぼ同じ結果となったのです。
●常在菌が風邪ウイルスの侵入を防ぐ
では、なぜこのような結果になってしまったのでしょうか? 調査を行った川村教授は、「ヨード液がのどに滞在する細菌叢を壊して、風邪ウイルスの侵入を許したり、のどの正常細胞を傷害した可能性が考えられる」と分析しています。のどの粘膜にはもともとさまざまな種類の細菌(常在菌)が棲みついていて、いわば人間と共生関係の状態にあり、常在菌は通常病気を起こすことはありません。むしろ、風邪の原因ウイルスや病原菌などの侵入を防いでいるのです。
ところが、ヨウ素が作用すると、それらの常在菌が減ってしまいます。そこに、風邪の原因ウイルスが侵入してくれば、それだけ感染が容易になってしまうわけです。また、のどの正常細胞が傷害されれば、風邪ウイルスが感染しやすくなります。その結果、風邪をひきやすくなるというわけです。
なお、「水うがい群」が風邪を予防する効果が高かったことについては、「水の乱流によって、ウイルスそのものか、ほこりの中にあってウイルスにかかりやすくするプロテアーゼという物質が洗い流されること、また、水道水に含まれる塩素が何らかの効果を発揮したことなどが考えられる」と、川村教授は分析しています。
水道水の場合、細菌などの増殖を防ぐために、塩素が含まれています。それは、蛇口から出た水に0.1ppm(ppmは100万分の1を表す濃度の単位)以上含まれていなければなりません。塩素は殺菌力が強く、細菌ばかりでなくウイルスにも作用してその活動を抑制するようです。
これからは水道水でうがいをするようにしてください。そのほうがお金も手間もかかりません。
渡辺雄二/科学ジャーナリスト
▲上へ ★阿修羅♪ > 不安と不健康16掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。