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コーヒー飲む人 糖尿病なりにくく肝がんリスク低い疫学調査(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/13/health16/msg/666.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 06 日 07:16:25: igsppGRN/E9PQ
 

コーヒー飲む人 糖尿病なりにくく肝がんリスク低い疫学調査
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141106-00000008-pseven-life
週刊ポスト2014年11月14日号


 世界中で嗜好品として親しまれるコーヒーについては各国で疫学調査が行なわれ、様々な結果が発表されてきた。国内の患者数が700万人、予備群も含めると2000万人以上いるとされる糖尿病は中高年の多くにとって気になる病気である。運動や食習慣、遺伝などの因子がよく知られるが、実は「コーヒーをよく飲む人は糖尿病になりにくい」という研究結果が国内外にある。

 2002年にオランダのロブ・M・ヴァンダム氏(国立シンガポール大学医学部准教授)が医学誌『ランセット』に発表した論文では、約1万7000人のオランダ人男女を平均約7年間追跡している。その結果、「コーヒーを1日7杯以上飲む人の糖尿病(2型)発症リスクは、2杯までしか飲まない人に比べて半分程度」とする結果が出たのだ。

 日本でも、国立がん研究センターがん予防・検診研究センターの「多目的コホート研究」で同様の調査が行なわれている。40〜69歳の日本人約5万6000人(男性約2万5000人、女性約3万1000人)を対象に10年間追跡調査を行なったもので、その成果が2009年に学術誌に発表された。

 その結果、「1日にコーヒーを5杯以上飲む人」は「ほとんど飲まない人」に比べて糖尿病の発症率が男性で約2割、女性では約6割も少ないことが明らかになった(なお、いずれの研究でもコーヒーに砂糖を入れるかどうかは調査の前提になっていない)。この「多目的コホート研究」ではコーヒーをよく飲む人は「肝がん」の発症リスクが低いことも指摘されている。

 約9万人の男女を8〜11年追跡した調査の結果、コーヒーをほとんど飲まない人に比べ、ほぼ毎日飲む人では肝がんの発生率が約半分になり、1日5杯以上飲む人では約4分の1にまで減っていることがわかった(2005年発表)。

 がん関連では口腔・咽頭がんのデータもある。管理栄養士の安中千絵氏の解説。

「2013年にアメリカがん協会が行なった約97万人を対象にした大規模な追跡調査があります。追跡期間中に口腔・咽頭がんで死亡したのは868人でしたが、コーヒーを多く飲んでいた人ほど口腔・咽頭がんによる死亡率が低かった。1日4杯以上コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて40%ほど死亡率が低くなっていました」


 

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コメント
 
01. 2014年11月07日 04:53:08 : qNc7Ek8VKU
※ただしブラックに限る

02. 2014年11月07日 05:36:02 : jXbiWWJBCA

【第514回】 2014年11月7日 垣田達哉 [消費者問題研究所代表、食品問題評論家]
「健康マーク」食品で健康になれるわけじゃない!厚労省が抱える矛盾と疑わしい本気度
――消費者問題研究所代表・垣田達哉
来年4月から始まる健康マーク
厚労省「これだけでは健康になれない」
来年4月から基準を満たした商品に表示される「健康マーク」
 来年4月、塩分量やエネルギー(カロリー)量などの国が示した基準値を満たした弁当や総菜に、「健康マーク」を表示することが許可される制度がスタートする。スーパーマーケットやコンビニ、宅配から外食産業まで、どんな業種業態であろうと基準を満たせば健康マークを表示することができる。
 今月16日に公表された厚生労働省の「日本人の長寿を支える健康な食事のあり方に関する検討会」の報告書によると、この認証制度は「消費者は、分かりやすいマーク(適切な情報)をもとに選ぶことで、手軽に「健康な食事」の食事パターンに合致した料理を入手し、組み合わせて食べることができる」一方、「小売業や外食産業は、作り手の優れた技術により質を保証した料理を提供し、そのことをマーク(適切な情報)で表現できる」とある。
 マークが表示された食品や料理が、健康な食事のパターンに合致するということは、「国が認証した健康マークの食品を食べていれば、健康で長生き(長寿)できる夢のような制度」に思えるが、健康はそんなに簡単に得ることはできない。
 認証マーク制度を作った厚労省も「マークが表示された食品を食べれば健康になれるということではない」とハッキリ言っている。厚労省に問い合わせると、まず「健康マークという言い方はしてほしくない」という。「では、どう呼んだらいいのか」と聞くと、『「健康な食事」の普及のためのマーク』だという。中間を省略すれば健康マークになるが、厚労省は「そんな省略はしていない」という。「それでは長いから、短く呼べないのか」というと、「決まっていない」という。
厚労省自身の矛盾
1日の目標摂取量の確保は困難に?
 厚労省は、健康マークと呼ばれることで、消費者が「マークが表示されたものを食べれば健康になれる」と誤解するのを警戒しているのだ。
 そもそも厚労省や国は、以前から健康21や食事バランスガイドなどで、1食分ではなく1日分でのバランスのとれた食生活を推奨している。しかも、年齢や運動量の差による違いも考慮した食事摂取基準を示している。
 今回の認証制度では「塩分(食塩相当量)は1食3g未満」が条件(基準)になっている。1日3食分では9g未満になる。2015年版食事摂取基準では、1日あたりの塩分目標摂取量は、12歳以上の男性は8g未満、女性は7g未満である。認証マークの食品・料理を食べると摂取目標値を上回る。
 摂取カロリーは、認証マーク制度では「1食分650kcal未満」。1日3食分で1950kcal未満になる。ところが食事摂取基準では、1日当たりの推定エネルギー必要量は、18〜49歳の男性で2300〜3150kcal、女性で1650〜2300kcalである。認証マークの食品・料理を食べただけでは、多くの人が目標摂取量を確保することができない。
 厚労省が作った目標値を、厚労省自身が破っていることになる。
拡大画像表示
国はなんの認証も保証もしてくれない?
本気で作ったと思えない制度
 これだけでも厚労省が本気で作った制度とは到底思えないが、本気度がないことを示す実態が他にもある。この認証制度は、有機JAS制度のように第三者機関などが認証するものではない。認証に国や公正な機関が携わることはなく、あくまで自己認証制度になっている。小売店や製造者、外食産業などの事業者が、基準を満たしていると思えば、勝手にマークを表示することができる。
 では、国の基準が実際に守られているかどうかを、厚労省などが監視・摘発するのかというと、来年4月からスタートするというのに「その点はまだ何も決まっていない」という。事業者側のやりたい放題になる可能性もある。厚労省は、食事バランスガイドのように定着しないと予想しているのではないだろうか。というより「認証マークの食品を食べれば健康になれると誤解されて定着すると困る」のは厚労省自身である。むしろ定着しないことを望んでいるのではないか。
 では、どうしてこんな制度を作ったのか。それは安倍首相が成長戦略の一つとして強引に推し進めたからだ。そもそも、家庭料理より小売店で販売される弁当・惣菜や、外食を奨励することが健康につながるとは思えない。1日あたりの食生活全体で健康を考えてきた厚労省(世界的にも同様)にとっては、今回の制度作りはこの上もなく迷惑千万な作業であったろう。
 健康マーク食品を食べていれば健康になれるというのは幻想である。
トクホや健康食品で健康になれるわけじゃない
コンビニやスーパーマーケットでは、「健康マーク」のついたお弁当や総菜が続々と現れるかも……
 国が決めた認証マークが表示された食品を食べたからといって健康になれるわけではないことと同じように、国が認可している特定保健用食品(トクホ)を食べたからといって、健康になれるわけではない。
 2010年3月、トクホの認定を審議している消費者委員会新開発食品調査部会では、トクホの行き過ぎた広告が議論された。その部会で、一人の委員が「私たちがやっているのは、どうせ飲むならこれよりこっちというのが大前提だと思う」と発言している。
 トクホ認定商品であっても、そこに表示されている効果は非常に限定的なもので、ましてやすべての人に効果があるわけではない。ところが、トクホに過大な期待をしている人がいる。
 そうした人の中で、何よりも勘違いがはなはだしいのは「俺は今日○○を飲んできたから、多少飲み過ぎても構わない」とか「食べ過ぎても、あとでこれを飲めば太ることはない」といった言い訳で、自分を納得させようとする人だ。
「今夜はまた飲み会だから、その前にこれを飲んでおこう」というように、暴飲暴食するための口実にトクホ商品を利用している人がいる。トクホ商品どころか、どんな薬であっても、暴飲暴食を肯定するものはない。
 暴飲暴食は身体に悪いのに、それでもするのは、ストレス発散以外の何物でもない。効果がないことがわかっているはずなのに、あえてトクホで逃げ道を作ろうとすれば「暴飲暴食をする自分に対し、後ろめたさを増幅させるだけ」である。かえってストレスが溜まるだけだ。暴飲暴食をしたいときは、「今日は健康に悪いことをする」と割り切った方が、よほどストレス発散になるだろう。
コラーゲンを補給しても生成されない?
過度な期待と過剰摂取は厳禁
 国が何の認証も保証もしていない、いわゆる健康食品も、それを食べたからといって健康になれるわけでも、病気が治るわけでもない。そこを理解している人は多いが、体の不調を改善するためや、不調にならないようにするための予防として、健康食品を利用する人は多い。そこにも大きな落とし穴がある。
 健康食品で多用されている言葉が、「配合」「補給(サプリメント)」「吸収」である。健康食品を飲食することで、配合されている成分を体内に補給し吸収したとしても、体内でそのままその成分が身に付くわけでもなければ、新たに生成されるとも限らない。
 例えばコラーゲンを食べても、そのまま体内でコラーゲンになるわけではない。
 コラーゲンとしては吸収されず、たんぱく質同様、必ずアミノ酸やペプチドに分解されてから吸収される。たとえ、吸収されやすい低分子コラーゲンであっても、体内で再びコラーゲンの合成に利用されるかはわからない。
(独)国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報では、次のように指摘している。
「肌や関節のためにコラーゲン食品を食べる」ことは、「コラーゲンの材料であるアミノ酸を食べた」ことにはなりますが、そのアミノ酸が再び体内でコラーゲンに再合成されるかどうか、また、再合成に利用される場合であっても、「顔の皮膚」「膝の関節」等という「期待する特定の部位」で再合成が行われるかどうかは定かではありません。
 コラーゲンはたんぱく質である。国の栄養調査でも、たんぱく質の摂取不足は指摘されていない。たんぱく質の一部であるコラーゲンの摂取不足も指摘されていない。ましてや、コラーゲンの1日あたりの摂取必要量など存在しない。
 安全性・有効性情報では、次のように過剰摂取の心配も指摘している。
コラーゲンは基本的にはグリシン-x-yの繰り返し構造になっており、アミノ酸のバランスを考えても、決して良質のタンパク質源ではないのです。コラーゲンばかり偏って食べるということは「コラーゲンを構成しているアミノ酸ばかり食べている」ということになるので、他のアミノ酸とのバランスが崩れる可能性もあります。
 コラーゲンに限らず、健康栄養成分といわれる物質が、体調を改善したり、体調を崩す予防になるということは、ほとんど証明されていない。「飲まないより飲んだほうが良い」と思っていても、それが過剰摂取になり健康に悪影響を及ぼす可能性もある。
 健康食品に、過度な期待と過剰摂取は厳禁である。
http://diamond.jp/articles/-/61754 

03. 2014年11月12日 07:11:23 : jXbiWWJBCA

 
コーヒーの適量は1日2〜3杯!? 健康のために飲むのはおかしい
全日本コーヒー協会の西野豊秀専務理事に聞く
2014年11月12日(水)  小野口 哲

 近年、コーヒーへの関心が高まっている。ここ数年で「がんの発生を抑制する」「脳梗塞・脳出血の発症が少ない」「運動前のコーヒー摂取が脂肪燃焼を助ける」といった、コーヒーの健康効果が数多く報告されるようになった。そんな中、昨年、コンビニコーヒーが一気に始まり、コーヒー消費を底上げしている。コーヒーの国内需要は堅調に伸びる一方で、今年は世界的なコーヒーの不作の影響で、コーヒーの価格上昇が著しく、店頭の価格も値上がり傾向にある。
 今回は、全日本コーヒー協会の西野豊秀専務理事に、コーヒーの健康効果や適切な飲む量、そして今後の価格動向について話を聞いた。(聞き手は小野口哲)
以前は「コーヒーは体に悪い」と言われていた
まず、全日本コーヒー協会について教えていただけますか。

西野 豊秀(にしの・とよひで)氏
全日本コーヒー協会 専務理事。昭和43年農林省入省。平成19年6月に食品リサイクル法の改正を終え、7月に退職。農林水産省を退職後、平成19年10月から現職。平成24年6月からは全日本コーヒー公正取引協議会常務理事も務める。
西野:全日本コーヒー協会は、社団法人として1980年に設立されました。国際コーヒー機関という組織があるのですが、そこが日本でコーヒーの消費振興を目的に、日本のコーヒー業界をまとめてほしいという意向があり設立されました。
 国際コーヒー機関は当時、商品協定で大きな役割を担っていた団体で、外務省と農林水産省が社団法人化を支援して全日本コーヒー協会ができました。途上国からのコーヒー輸入を促進してもらいたいということでできたわけです。
 実は、1980年(昭和55年)ごろは、「コーヒーは体に悪い」という噂がまことしやかに流れていました。
当時私は小学生でしたが、確かに、カラダにいいものじゃないと教わりましたね。大人になったら飲んでもいいもの、と。
西野:私は当時、農林水産省にいました。昭和53年にコーヒーを担当している課で、ある産地のドリップコーヒーを飲んだのですが、ものすごくおいしかった。これはうまい!と。
 それまでもインスタントコーヒーを家で飲んでいましたが、まったく違いました。家でもこういうものが飲めるようになると、すばらしいと思いましたね。そこで、さっそくコーヒーミルなどを買いに行ったのですが、帰ってきたら上司から、「君、そんなものを飲んでいると若くして胃がんになって死んでしまうぞ」と言われました(苦笑)。それくらい、コーヒーは危ないものという評価だったんですね。
 1980年に全日本コーヒー協会ができた後も、世間では「コーヒーはやはり体に悪い」と言われていました。
肝臓がんを抑制する効果は「ほぼ確実」
西野:そこで、全日本コーヒー協会でも、「コーヒーと健康」ということで、本当にコーヒーが体に悪いのかどうかを確認しなければいけないということで、研究助成事業をやり始めたわけです。それで調べていったところ、「コーヒーは体に悪いどころか、むしろ体にいいのではないか」という事実がいろいろ分かってきたのです。
 例えば、国立がん研究センターでは、8万〜10万人という単位で食事と病気の関係を調べています。

科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究のエビデンス評価(国立がん研究センターのホームページより)
 上の図は国立がん研究センターのホームページにあるエビデンス評価です。矢印が下に向いているのは発生を抑制するもの、上へ向いているのは助長するものです。ここでコーヒーは肝臓がんの発生を抑制するが「ほぼ確実」、大腸がんも「可能性あり」という結果が出ています。以前は、コーヒーは胃がんのリスクを高めるのではないかという向きもありましたが、最近の研究では、胃がんとの関連性は確認できませんでした。
 2013年には、国立循環器病研究センターと国立がん研究センターの共同研究により、「毎日コーヒーを飲む人には脳梗塞・脳出血の発症が少ない」という報告もされています。先日は、聖路加国際病院脳神経外科部長の篠田正樹先生から、「コーヒーを週に1回以上飲む人は、飲まない人に比べて脳内の微小出血が少ない」という研究結果が発表されています。来年開催の日本脳卒中学会で発表されると聞いています。今、高齢化社会になっているということもあって、コーヒーを飲もうという雰囲気が強まっているのでしょう。また、インスタントコーヒーもドリップコーヒーも健康面への機能は同じです。念のため。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸に注目が集まる
コーヒーの健康効果が、医学的な視点から報告されるようになったのはここ数年、という印象がありますね。
西野:コーヒーは体にいいという報告が出始めたのは、20年前くらいからです。それがぐっと広まってきたのは2010年頃からです。
 先ほど紹介したのは、研究の一部です。運動前のコーヒー摂取が脂肪燃焼を助けるといった研究結果も出ています(京都大学大学院の森谷敏夫教授の研究)。他にも、さまざまな報告がされています。全日本コーヒー協会のホームページでも紹介しているので、ぜひ一度ご覧になってください。実際、体にいい側面があるのは確かでしょう。
 コーヒーには、800以上もの成分が含まれるといわれています。どの成分がどう作用しているかは、まだ分かっていませんが、注目されているのがクロロゲン酸という成分です。コーヒーには、クロロゲン酸というポリフェノールの一種が非常に多く含まれています。クロロゲン酸は抗酸化作用があるため、がんの抑制につながるようです。今、どの研究者もクロロゲン酸に注目していますね。
健康効果への期待が先行している
 ただ、最近我々が非常に心配しているのは、クロロゲン酸が体にいいということで、非常に高い値を表記して販売している商品がいくつか登場していることです。通常のコーヒーから抽出できるレベルを超えていると思えるものもあります。我々は今、コーヒーのクロロゲン酸が、こういう分析方法で測るとこういう含有量ですというのを、日本食品分析センターさんと一緒に調査しようとしています。我々としては、信頼に足る数値で販売していただきたいと考えています。
クロロゲン酸の効果が認知されてきたため、数値だけを追ってしまうような動きが出つつあるのですね。最近の行き過ぎた期待の表れなんでしょうね。

西野:そうなんですよ。コーヒーは嗜好品です。「おいしい」というのが先にあるべきです。健康にいいという研究結果はとてもうれしいのですが、健康ばかりが先にいってしまうのはおかしいと思っています。
 健康を増進するためにコーヒーを飲むかといったら、それは間違いでしょう。コーヒーはあくまで嗜好品で、美味しさを楽しみ、リラックスしてもらいたいですね。
適量は、1日2〜3杯ぐらいが目安
西野:実際、コーヒー協会にそういった問い合わせがあるんです。「私はがんになりたくないから、コーヒー嫌いなんだけど飲もうと思っている」と。そこで、「1日何杯飲めばいいですか」とまじめに質問されるのです。そんなときは「嫌いなものを飲まない方がいいですよ」と答えています。嫌いなものを飲むと、体にむしろよくないかもしれませんよね。
嫌いなものを敢えて飲まなくてもいいと思いますが、1日当たりどのくらい飲むのが適量なのかは気になります。私も毎日コーヒーを結構飲むので、飲み過ぎでは?と心配になることがあります。
西野:これはよくある質問です。いろいろな論文を見ても、1日2杯程度とか3杯程度などといろいろ書いてあります。あくまで目安ですが、2〜3杯くらいが1つの目安になると思います。
 でも、基本は無理に飲むことはありません。嫌々飲む2杯より、おいしく飲む1杯の方がよっぽどいいと私は思いますよ。
 飲み過ぎれば、胃にくる人だって当然います。通常のドリップコーヒーなら、3杯、4杯飲んでも大丈夫ですが、飲み方(抽出の仕方)にもよります。昔ブラジルでは、カフェジーニョという煮出すタイプのコーヒーが飲まれていたのですが、砂糖を大量に入れるため甘くて口当たりがいいので多く飲んでしまうのですが、ものすごく胃に負担がかかります。これを3杯くらい飲むと、私などは食欲がなくなりますね。
エスプレッソも同じですね。エスプレッソをドリップコーヒーと同じ感覚で飲んだら体にはよくないでしょうね。
西野:そうですね。通常のドリップコーヒーで2〜3杯ぐらいなら、そんな負担はかからないと思います。当然、個人差があることも忘れてはいけません。また、個人的な感覚では、空腹時に飲むのはやっぱりよくないと思いますね。
コーヒーが健康効果ばかりが指摘されていますが、ネガティブな要素はないのですか。
西野:コーヒーに含まれるカフェインですね。全日本コーヒー協会のホームページでも「カフェイン摂取に気を付けてください」と紹介しています。妊娠されている方は、コーヒーやお茶などカフェインを含むものを控えられた方がいいです。
 妊娠時にどうしても飲みたい方は、お医者さんに相談した上で、1〜2杯に控えるなど配慮すべきです。もちろん、コーヒーを控えて緑茶をがぶがぶ飲んだら一緒のことですが、やはりカフェインの入っているものは注意すべきです。大事なことですね。母乳で子供を育てている方も、赤ちゃんに行かないように注意された方がいいと思います。
コンビニコーヒーで若者や女性に広がった
最近のコーヒーの消費量はどうなっているのですか。健康効果が注目されたこともあって、伸びているのでは?
西野:健康効果が明らかになる中、昨年は、コンビニエンスストアで、コンビニコーヒーが一気に始まりました。これがコーヒーの消費を底上げしてます。
 統計データを見ても、昨年は非常に伸びました。2013年の消費計で2万トン近く伸びました。比率では4%以上伸びています。ただ、実際の飲用ということでは2%ぐらいだと考えています。どういうことかというと、コンビニコーヒーが伸びたので、欠品対策のため流通在庫が増えているんじゃないかとみています。

日本のコーヒー消費量の推移(全日本コーヒー協会による調査結果を基にグラフ化した)
ここ10年のコーヒー消費量を見ると、2006〜2007年くらいに一度ピークを迎えた後、一時期減って、最近また増えてきたのですね。
西野:そうです。2007年から2008年にドーンと落ちたのは、景気のせいです。リーマンショックの影響です。コーヒーは嗜好品なので、景気が悪くなると消費は落ちる傾向にあります。去年増えているのは、複合的な要因でしょう。アベノミクスの効果もあって需要が伸びたのと、コンビニコーヒーの登場です。コンビニのレギュラーコーヒー販売は大きかったと思います。
 この影響で、これまでコーヒーをあまり飲まなかった層が飲むようになったと感じています。元々、コーヒーの消費ボリュームゾーンは40〜60代で、若い人はあんまり飲まなかったんです。特に女性は飲まなかった。これがコンビニコーヒーの登場で、若者や女性がコーヒーに接する機会が増え、消費につながったのでしょう。
自分では当たり前のように飲んでいたので気付かなかったのですが、コーヒーはミドル以上が飲む飲み物だったのですね。
西野:ええ。20代はもともと少なかったですね。ただ、昔は20代後半や30代になると飲む人が増えたものですが、最近は30代前半になっても飲まない人が増える傾向にありました。
それはどうしてですか。
西野:苦いから嫌だというんです。ビールと同じです。今の若い方は苦いというものに対してあまり親和性を持てないようですね。そういった層に浸透できなかったところで、コンビニコーヒーが登場して、飲んでみたら「コーヒーって美味しい!」ということになったのかもしれませんね。実際、美味しいと思いますよ。
 最近は、インスタントコーヒーの消費量が減少傾向にあります。その一方で、レギュラーコーヒーが増えています。おいしいものを飲む文化にシフトしています。これは先進国共通にみられる傾向です。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、食文化として、コーヒー文化が成熟してきているのではないでしょうか。
 面白いのですが、発展途上国に行くと、インスタントコーヒーの方が高級品というケースもあるのです。インスタントは加工されているから付加価値が評価されるのでしょう。
干ばつなどの影響でコーヒー価格が急騰
最近、コーヒー豆の価格が上がっているとニュースに出ていますね。
西野 :そうなんです。10月末時点で、1ポンド当たりだいたい200セント前後になっています。今年の1月ごろは120セントぐらいでしたから、著しく高騰しています。
 多くの商品相場が下がっている中、コーヒーは上がっています。それはなぜかというと、ブラジルの干ばつの影響です。中南米でのコーヒーの生産は、表作と裏作があって、今年は表作なのです。それにもかかわらず減産なんです。
 今、世界のコーヒー生産地で、頭の痛い問題となっているのが気候変動です。ブラジルは、もともとは南の方のパラナ州あたりがコーヒー産地だったんですね。霜害を避けるためだんだん北に上がっていって、今はミナスジェライス州というところがブラジルの一番の生産地になっています。
 ところが、ミナスジェライス州あたりは霜害の代わりに干ばつに遭うようになったのです。干ばつで生産が落ちているところに、同じアラビカ種のコーヒーが採れる中米のグアテマラ、コスタリカなどで気候変動の影響を受け大雨が降って、サビ病が発生しています。それで木がダメージを受けて減産になっています。カリブ海に浮かぶジャマイカも、やはりハリケーンやサビ病でダメージを受けています。
ジャマイカは大変だそうですね。日本人が大好きなブルーマウンテンの産地ですね。
西野 :ええ。もう今は、ブルーマウンテンコーヒーをほとんど販売できなくなっています。入手できない豆になりつつあります。ちなみに、ジャマイカのコーヒー輸出の約8割は日本向けです。
長期的には価格上昇は避けられない
 そういった数々の問題があって、アラビカ種のコーヒーは世界的に今、生産量が落ちています。ところが、おいしいコーヒーはアラビカ種なので、需要はしっかりあります。だから価格が上がるわけです。
 最近では、ロブスタ種という、味は多少劣りますが、生産しやすい品種の輸入が増えています。ベトナムやインドネシア産のコーヒーの多くはロブスタ種です。今、ベトナムからの輸入がどんどん増えているのは、この影響があります。ロブスタ種の価格は、アラビカ種のほぼ半分程度です。

日本のコーヒー生豆輸入量の上位24カ国(全日本コーヒー協会のホームページより)
ロブスタ種は、生産しやすいのですか。
西野:ロブスタ種は病気に強いんです。
 アラビカ種は赤道の近くの国々で生産されることが多いのですが、海抜2000〜2500メートルなどの高地でないと、すぐ病気が蔓延するんです。そういうところが今、気候変動で大雨が降ったりして、生産量が上がらないわけです。
 一方のロブスタ種は暑い平地でも平気です。だから、中米でも今、アラビカからロブスタに切り替えるという流れもあると聞いています。そうなると、ますますアラビカ種は足りなくなります。
コーヒーの価格上昇傾向は、今年の一時的なものなのでしょうか。それとももうしばらく続きそうですか。
西野:かなり深刻だと考えています。2020年ぐらいまで、コーヒーの消費は年率で2.5%ぐらいで伸びると予想されています。生産がそれに追いつくかどうかという問題があります。
 先ほどお話ししたように、気候変動で生産が伸びない状況がある中で、世界的には人口爆発ですから食料需要が増えています。栽培する地域に何を植えるかという問題も出てきます。インドネシアなどでもコーヒーの収益性が低いということで、コーヒー生産をやめるところも出てきているようです。コーヒーは、手で摘まなければいけない作業があって、収穫に人件費がかかります。人手不足になってくれば対応できなくなります。
 短期的には干ばつの影響が大きいですが、今後ブラジルなどで豊作になったとしても、長い目で見ればやはり、ゆっくりと価格が上がっていく傾向にあると考えています。特に、高品質のアラビカ種についてはそういえるでしょう。



キーパーソンに聞く
日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141107/273561/?ST=print


04. 2014年12月25日 23:45:44 : XnXA5FH1Ws

コーヒーのおもしろい話が載ってます。

ブラームスの辞書
http://brahmsop123.air-nifty.com/sonata/


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