http://www.asyura2.com/13/health16/msg/538.html
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送電線、電源線からの電磁波(低周波交流磁界)の危険性が指摘され、規制が強まりつつある。
4ミリガウス(mG)以上の低周波交流磁界に長期的にさらされると、小児白血病が2倍以上になるなど
健康への影響が多数報告がされている。
環境先進国のスウェーデンでは、幼稚園・小学校などは2−3mGを目安に規制している。
そこで、家庭内の交流磁界がどのくらいか、簡易電磁波測定器を入手し、電源線・電気機器からの
電磁波(低周波磁界)を測定してみた。
電磁調理器や携帯電話・基地局の電磁波による健康被害も懸念されているが、
周波数も人体への影響も異なるため、今回は取り上げない。
「電磁界の性質」 (電磁界情報センター)
http://www.jeic-emf.jp/substation.html
使用した測定器はトリフィールド・メーター(TriField Meter) Model 100XE。
名前の通り、電場・磁場(30-500Hz)とマイクロ波(50MHz-3GHz)の3つの測定が可能。
アナログ・メーター表示で磁界の増減がわかりやすく、感度もよい。
正確な測定は無理だが、大体の値は把握・比較できる。今回は磁界を0-100mGのレンジで測定した。
このようなの普及型測定器は、簡易型の放射線線量計と同じで、安全かどうかを判断するのは難しく、
危険なホットスポットを見つけるためのものと考えたほうがよいだろう。
「トリフィールド・メーター」
http://www.trifield.com/content/trifield-meter/
http://www.ureruzo.com/tri.htm
http://denjiha.macco.co.jp/trifield/
電線に交流電流が流れることで交流磁界が生じる。電流が大きいほど磁界も強くなる。
電気機器のスイッチを切り、電流が流れなければ当然磁界は生じない。
測定は、一日で最も電気を使う夜7-8時に行なうのがよいだろう。
電気製品は全部オンにしておく。消費電力の大きなものはオン・オフしてその違いを調べてみる。
以下、4階建てアパートの2階で測定してみた結果である。
まず室内の壁沿いに測ると、場所によってずいぶん値が違うことに驚いた。
大半は1-2mG以下であるが、一ヶ所、壁から50センチ離れても20mGというホットスポットがあった。
おそらく壁の中に上・下階への太い電線があり、大電流が流れているのだろう。
また配電盤の近くも磁界が強く、30センチ離れて20mGであった。
電気器具も測定してみた。
オーディオアンプ 10mG @30cm (測定器との距離)
デスクトップPC 4mG @30cm
プリンタ 3mG @30cm
液晶テレビ 4mG @30cm
ヘアドライヤー 10mG @10cm
シェーバー 10mG @10cm
掃除機 15mG @100cm
電熱器 10mG @30cm
電子レンジ 10-50mG @50cm
最近の携帯電話充電用など小さいACアダプタはスイッチング電源を使っているので、磁界の漏れは小さいが、
旧式の大きなACアダプタや、重く大きな変圧器(トランス)を使ったオーディオアンプやなどは磁界が強い。
デスクトップPCなどコンピュータ機器は意外と少なかった。
クロック周波数が高く、またスイッチング電源を使っているためだろう。
これらの機器でははるかに高い周波数での輻射が問題になる。
磁界の強さは磁界源から2倍離れれば1/4、3倍離れれば1/9と距離の2乗に反比例し、離れれば急激に減衰する。
残念ながら周波数が非常に低いので、鉄板等で囲っても遮蔽効果はほとんどない。
とにかく磁界の強い場所から離れることである。
また、電流が流れなければ磁界も発生しないので、なるべく節電することだ。
スイッチ付きのテーブルタップを使い、使用するときだけオンにするのもよい。
一日に数分しか使わない電気カミソリやヘア・ドライアーのようなものは、それほど神経質になる必要は
ないかも知れないが、長時間を過ごすベッド、寝床の位置は要注意だ。
ベッドは壁につけて置くことが多いが、頭や体が強い磁界にさらされないような場所を選ぶこと。
壁から離して置いたほうがよいかも知れない。とくにデリケートな赤ちゃんや妊婦は気をつけるべきだろう。
私のベッドは壁にぴたりと付けていたが、タンスを壁際に移動しベッドを壁から離した結果、
磁界は半分以下になった。家具の配置替えで磁界の影響を低減できればそれに越したことはない。
また、持っていないので今回は測定できなかったが、電気カーペット・毛布の類は、身体への距離はゼロ、
しかも長時間使うので要注意だ。発熱体が埋め込まれている床暖房も気をつけたほうがいいだろう。
2-3階で、窓のすぐそばに柱上変圧器(電柱の上に取り付けてある灰色の容器)がある場合も、
注意したほうが良い。とにかく距離を取ることだ。
屋外でも測定してみた。
送電線の下が約35mG、ビルの脇などにある地上設置型変圧器(金属製の四角い箱)は20-30mGと高かった。
配電盤もそうだが、耳を近づけるとブーンとうなりが聞こえるものは、強い磁界が出ていると思ってよいだろう。
今回使用したトリフィールド・メーター以外にもいくつか簡易型測定器が売られている。
2万円前後で買えるが、今や一軒に一台、必携となった感のある放射線線量計と違い、
頻繁に使うものでもない。数人でお金を出し合って買うか、レンタルするのもいいだろう。
買うとき注意することは、50-60Hzの交流磁界が測定できるものを選ぶことだ。
静磁界を測定する磁界計(ガウス・メーター)では交流磁界は測定できないので注意されたい。
あまり神経質になるのもどうかとは思うが、家の中にホットスポットがある場合は、
そこに長居することは避けたほうがよいだろう。
基本的には節電を心がけることだ。電流が流れなければ磁界も生じない。
引越しを考えている人は、事前に新居の測定をしておくと安心だ。
こういった需要に答えて、最近はこういった測定器を備えている不動産屋さんもいるようだ。
繰り返すが、今回測定したのは、電源線や電気製品から発生する低周波磁界だけである。
携帯電話、基地局、電磁調理器等の電磁波は、周波数が高く、人体への影響も異なり、
別の測定、議論が必要である。
(参考リンク)
「自宅は高電圧線の近く 電磁波の影響はあるか」 (阿修羅・愚民党 2006/5/18)
http://www.asyura2.com/0510/health11/msg/424.html
「高圧送電線の電磁波」 (earth reading lab)
http://www.earth-reading.com/jintaihenoeikyou.html
「電磁波コム」
http://www.denjiha.com/
(注意)
トリフィールド・メーターは家庭用電源周波数50ないし60Hzで校正してあり、それより高い周波数では、
測定値が高めに出るので補正が必要とのこと。(補正に対応したモデルもある)
交直流変換器(インバータ)を使ったハイブリッド自動車や電車など、50-60Hz以外の磁界の測定には
注意が必要だ。
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