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『おいしい穀物の科学 (ブルーバックス)』井上 直人 講談社
コメ、パン、うどん......同じ穀物ばかり食べていると病気になる?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140821-06300029-webhon-ent
BOOKSTAND 8月21日(木)6時30分配信
あなたはコメ派ですか? パン派ですか? それともうどん派? 食の好みはそれぞれあるでしょうが、こと健康面を考えたとき、こうした穀物類はバランスよく摂取しないといけません。たとえば、「自分は大好きなコメしか食べない!」とか「パンやパスタなど小麦粉以外は興味なし」と特定の穀物類ばかりを食べていると、健康を損ねる恐れがあるのです。
作物学、植物栄養学、民族植物学の研究者でもある信州大学学術研究院教授の井上直人氏著『おいしい穀物の科学』は、三大穀物とされるイネ、ムギ、トウモコロシを中心とした穀物類について、その進化や栽培化の過程、食料としての特性などに重点を置いて解説している本。
同書の中で井上氏は、穀物を摂食する際、特定の種への依存が強まると、栄養欠乏による病に掛かってしまう恐れがあることを指摘しています。
「ヒトは有史以前から穀物の恩恵をうけているが、それが原因となる病も増えていることは知っておく必要がある。その多くが神経障害をともなうもので、ヒト社会の精神の問題でもある。現代のヨーロッパなどの先進国では、コムギ食品の摂取過多によるアレルギーやそれによる腸炎(セリアック病)が増加しており、現在日本でも増加しつつあるとみられている」
その昔、日本では「脚気」が大流行したことがありましたが、これは縄文期以降続いた雑穀の農耕がしだいにコメ中心の食文化に変化したことが原因だと言われています。また近代に入ってからアメリカ南部の貧困層やイタリアなどトウモロコシ偏食の食習慣がある地域では、ビタミンB郡の欠乏による「ペラグラ」という病気が大問題になったことも。
ちなみに昨今、日本ではそばアレルギーが問題になっていますが、井上氏はその原因について、そばがあまり加熱しなくても食べられるたんぱく質に富んだ穀物であることが災いしている、と言います。
本書はその他に「精白がもたらした栄養問題」や「雑穀は健康にいいのか」など、興味深い内容のテーマが掲載されています。美味しさと健康のバランスを考えた食事を摂りたいと思っている人は、チェックしてみていかがでしょうか?
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