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歯1本で寿命が1年延びるという生存率2倍の口腔ケア情報〈週刊新潮〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140817-00010001-shincho-life
「週刊新潮」2014年8月7日号
一昔前、“芸能人は歯が命”というCMが一世を風靡した。現代の医学研究はまさに“歯が命”ということを証明しつつある。歯をより多く残した人の方が長生きしているという調査結果が出ているのだ。
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“8020運動”をご存じだろうか。80歳で歯を20本以上残そうという運動である。
「人の歯は永久歯が28本。これに親知らずを加えると最大で32本あります。以前から丈夫な歯と食生活が健康の源であることは知られていて、8020運動は歯を失うことを少しでも食い止めようと、1989年に厚生省(現・厚労省)と日本歯科医師会が始めたものです」
とは、8020推進財団の深井穫博専務理事。
「歯が20本あると、大体どんなものでも食べられるのです。5本程度だとバナナやうどんのような柔らかいものしか食べられないのですが、20本あればスルメやたくあん、フランスパンも食べられ、まず問題のない食生活を送れます」
深井専務理事は歯の本数と寿命の因果関係を明らかにするため、沖縄県宮古島の住人5719名(男性2268名、女性3451名)を対象に調査を行った。
「1987年から15年2カ月の間、追跡調査をしました。宮古島は転出入が少なく、医療環境を始め、調査対象者がほぼ同じ環境下で暮らしている地域です。40歳以上の男性では歯の数と死亡年齢に差が見られ、80歳以上では男女いずれもその差は顕著になりました。80代男性で10本以上機能歯(虫歯ではなく、きちんと機能している歯)があるグループの15年生存率は54%で、10本未満のグループの25%と比較すると2倍以上の生存率という結果でした」(同)
■歯周病の恐さ
歯はどのような理由で失われるのだろうか。
「一番の原因は歯周病。そしてその歯周病が、日本人の死因の7割を占めるがん、心疾患、脳血管疾患、肺炎の4大疾病を引き起こすことが分かっています」
こう語るのは、国立長寿医療研究センター口腔疾患研究部の松下健二部長。
「がんに関しては、そのメカニズムは完全には解明されていませんが、昨年、米科学誌『セル』にフゾバクテリウムという歯周病原菌が大腸がんの免疫作用を抑制する、という論文が出ました。つまり、歯周病原菌が大腸がんの発生を促進させるということが分かったのです。このことから、他の臓器でのがんも歯周病原菌が関与していると推察されます」
心疾患や脳血管疾患については、
「年をとると動脈硬化が進みますが、血管に入った歯周病原菌が動脈硬化を起こした箇所に定着し、病状をより悪化させて血管を詰まらせ、ついには心筋梗塞に至ります。脳梗塞も同じで、歯周病原菌が脳血管を詰まらせて引き起こす」(同)
肺炎の場合は、誤嚥から起こるという。
「誤嚥性肺炎で亡くなる方の90%以上が65歳以上の高齢者です。通常は細菌が気管に入ると外に出すように身体が反応しますが、お年寄りは反射が鈍い。口内の衛生環境が保たれていないと、細菌が簡単に肺に侵入し、肺炎に至ります」(同)
歯1本で1年寿命が延びるかもしれない。
「特集 平均寿命より「元気に5歳」長生きする5つの最重要スキル」より
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