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コレステロールなんか、気にする必要なし 医学博士が断言「逆張り健康法」腹八分目を続けたら病気になる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39754
2014年08月09日(土) 週刊現代 :現代ビジネス
ステーキ、トンカツ、ビールにケーキ……「体のために」と好物を我慢してきた人に朗報だ。これまで信じてきた健康法は、逆にあなたを不健康にしているという。常識を覆す驚きの真実を紹介しよう。
■本能に従えばいい
「食べすぎは良くない」「腹八分目が健康にいい」―いまや当たり前となっている健康の常識。だが、そうした「思い込み」が逆に寿命を縮めてしまっているなんて信じられるだろうか。免疫学の権威で、順天堂大学医学部特任教授(医学博士)の奥村康氏はこう断言する。
「粗食が身体によい、腹八分目にしなさいなどと言いますが、とんでもない話です。健康管理をしっかりしている真面目な人ほど、不健康になっている可能性があります。
コレステロールの数値を心配する人も多いですが、気にする必要はありません。検査の数値をあまりにも気にしすぎるのは、かえって病気になりやすい。情報が溢れている現代では、健康のための正しい知識が浸透していないと感じています」
自分が食べたいものを何でも食べていたら、病気になってしまうというのは大間違いだ。むしろ体に悪いと思っていたことが、健康のためになっていたということは、意外に多い。これまでの常識の逆をいく「逆張り健康法」を紹介していこう。
まず、奥村氏は「長生きしたいなら、食べたいものを食べたいだけ食べたほうがいい」と主張する。驚くべき健康法だが、そこには三つの理由がある。
一つ目は、さまざまな食べ物を摂取することが、長寿につながっているからだ。
「戦後、昭和23年頃に日本人の成人男子が食べていたお米の量は、平均して一日3~4合でした。現在の3倍ほどの量です。肉類などは高級品でしたし、おかずがなかったから、米を食べるしかなかったんです。
いま、日本人の寿命がこれほどまでに延びたのは、戦後、外国の食文化が入ってきて、米だけでなく卵や肉類などさまざまな食材を食べるようになってきたからと考えられている。アメリカの栄養学者による研究で、分析されています。
同じ先進国のドイツやフランスは、今も昔も食生活はさほど変わっていないので、日本ほど平均寿命は延びていません。アメリカの場合、平均寿命はあまり延びていませんが、ステーキや寿司などバラエティ豊かな食事ができる富裕層に限ると、寿命は非常に延びているのです」
二つ目は、「食べたいと思ったものは、いま身体が必要としているもの」だからという考え方である。
「たとえばライオンが動物を殺して食べるとき、必ず肝臓を真っ先に食べます。それは、肝臓にはもっともビタミンが豊富で栄養があるから。生きるために必要なのです。それを、本能的に欲する。人間も同じで、ビフテキが食べたいと思ったら、それを食べるのが一番いい。身体が必要としているものを食べたいと思うのです。無理して粗食をするなんて、やめたほうがいい。粗食でベジタリアンの人が長生きするというデータはありません」
三つ目の理由は、最近広まっている「カロリー制限が長寿につながる」という学説が、じつは人間には当てはまらないというもの。
「食事量を控えたほうが長生きするという理論がありますが、それはすべて動物実験の結果がもとになっています。人間に当てはめて考えるのがそもそも間違いなのです。
ネズミやサルといった動物は、食事を与えるとそこにあるだけ食べる。なぜなら、次はいつ食べられるかわからないからです。食べられるときに、体内に入るだけ食べるというのは動物の本能なんです。
ですが、この本能に関しては、人間は他の動物とは決定的に違います。朝ご飯を食べたら、『次にいつ食事ができるかわからない』なんてことは、現代ではまずありえない。必ず食事ができることがわかっているので、それを考慮して、食べる量を本能的に調整しているんです。お腹いっぱい食べたと思っても、人間にとってはそれが『腹八分目』。それにもかかわらず、無理に食事量を減らす必要なんてまったくありません」
つまり、人間は無意識のうちに食事量を調整しているのだ。この主張からすれば、お腹いっぱい食べても問題ないことになる。
■「肉より魚」は間違い
食べたいものを食べていいと言われても、肉や脂肪分の高い食事を摂りすぎたら、肥満やコレステロールが気になるという人も多いだろう。だが、冒頭で奥村氏が言ったように、それらの数値も、気にしすぎる必要はないという。
日本応用老年学会理事長で『なにをどれだけ食べたらよいか。』の著書もある柴田博氏(医学博士)は、「とくに肉と脂肪を摂ったほうがいい」と言う。
「年をとったら肉よりも魚を食べたほうがいいというのは、間違いです。60歳以上の日本人は肉の摂取量が少ないので、もっと積極的に食べるべきなのです。
過去に100歳以上の高齢者(百寿者)105人を訪問調査したことがあります。すると、百寿者の方々は、一日の摂取カロリーに占める動物性たんぱく質の割合が、日本人の平均値よりも10%近く高かった。それまで私も、肉は控えたほうがいいと思っていましたから、この結果には衝撃を受けました。
また、国立がん研究センターが45~74歳の約8万人を対象に行った研究では、肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸を多く摂取している人ほど、脳卒中のリスクが低いという結果が出ています。彼らは、日本人の平均よりも脂肪と肉の摂取量が1・3倍多かった。日本人では、肉も脂肪も多めに摂っている人のほうが、長生きできるということを示しているのです」
肥満に関しては、BMI(体重〈kg〉を身長〈m〉の2乗で割った数値)が24以上でも心配いらない。
「30歳以上の男女1万人を14年間追跡調査した研究で、もっとも死亡率が低いのはBMIが24~27・9の人たちという結果が出ました。日本肥満学会が定めた基準では、BMI25以上が肥満とされますが、これを真に受けてダイエットしたら、かえって死亡率を上昇させることになってしまいます」(柴田氏)
東京都健康長寿医療センター研究所が6月12日に発表した最新の研究成果では、「痩せた男性(BMI15・9~21)は、太った男性(BMI24・9~39・9)に比べて介護リスクが2倍になる」という事実も判明した。太っているほうが長生きというのも、いまや健康の「新常識」だ。
■「酒をやめた人」が早死に
コレステロールも、健康の大敵というイメージがあるが、そうとも限らない。数値を下げる努力をするどころか、「高いほうがいい」という考え方もある。
「そもそも、コレステロールは体内にとって必要不可欠なもので、細胞膜をつくる大切な材料。だから、コレステロールが減ってくると、細胞の機能や構造に障害をきたしてきます。さまざまな研究成果から、コレステロール値が高いほうが長生きすることははっきりしている。さらに、コレステロール値が低いほどがんの死亡率は高く、脳卒中のリスクも高くなるということも、研究から明らかになっています」(柴田氏)
ちなみに、コレステロールは全体の約70%が、肝臓や脳など体内のさまざまな臓器で作られており、食べ物から摂り込まれるのは30%程度。そのため、食事を摂る際にコレステロールを気にするのもナンセンス。卵を食べるとコレステロール値が上がる、などと言われているが、「一日何個食べても大丈夫」(柴田氏)という。
病気のリスクだけではない。意外なところでは、コレステロールは頭の回転にも影響を及ぼしている。前出の奥村氏が言う。
「体内で作られるコレステロールのうち、約30%が脳で作られています。脳はコレステロールも栄養として使うため、脳の働きと深く関係しています。たとえば、子どもの成績とコレステロール値の相関関係を調べると、コレステロール値が高い子は成績もいい傾向にある。子どもに限らず、コレステロール値が高い人は、頭の回転が速く、話の面白い人も多いんです。
300以上ある人は少し下げたほうがいいですが、それ以下ならクスリはまったく要りません。クスリで無理に下げると、無口になって、うつになる。過去に、大学の学者が行ったJRとの共同研究で、駅のホームから飛び込み自殺をした55~60歳男性のほぼ全員がコレステロール値を下げるクスリを飲んでいたという結果も出ています」
欧米では、「コレステロール値は低いほどいい」との概念はないという。日本だけが世界の水準から外れているのは、クスリの売り上げが大きく関わっていると指摘する医師は多い。日本におけるコレステロール低下薬の市場は、年間3000億円規模とも言われる。クスリを売りたい製薬会社やそれに協力する医師がいるからこそ、コレステロールが悪者にされてしまっているのが現実である。
食道がんや肝硬変の原因となる酒。脳の萎縮にもつながると言われており、過度な飲酒は禁物、というのが定説だ。だが、無理に禁酒をすると逆効果だという。
前出の柴田氏が、東京都小金井市に住む70歳の男女について、「飲酒習慣のある人」「飲酒習慣のない人」「酒をやめた人」の3グループに分けて10年間追跡調査をしたところ、意外な事実が判明した。
「もっとも早死にするのが、『酒をやめた人』のグループでした。飲酒している人よりも悪い結果となったのです。酒をやめた人は、社会的な交流が減少し、身体的な活動も減る傾向が見られた。いま酒を飲んでいる人は、『酒をやめるよりは飲み続けたほうがまし』とも言えるのです」(柴田氏)
アルコールを摂取することで、緊張がとけ、適量であれば血圧が下がることも知られているが、その「適量」が難しいところ。「毎晩1合以下ならOK」という見解は多いが、前出の奥村氏は、「二日酔いしない程度なら飲んでいい」とする。
「二日酔いするほど飲むと、脳にダメージを与えますが、そこまで飲まなければ問題ない。そもそも、人によって酒を飲める量は違いますし、1合まで、などと一概に量は決められません。私も毎晩のようにお酒を楽しんでいますが、私自身の基準ではワイン1本までなら二日酔いしないので、気にせず飲んでいます」
酒を飲まない人ならば、ついつい甘いものに手を伸ばしてしまうという人もいるだろう。高齢者に限って言えば、「間食や砂糖は悪」というのも、間違った概念だという。
「1980年にアメリカで中年を対象に行われた研究で、『間食をする人の死亡率は高い』と発表されたことに起因しますが、その結果は日本人には当てはまりません。私たちが日本の高齢者を調査した研究では、逆に間食をすることは好ましいという結果が出たのです。
高齢になると咀嚼力や消化吸収力が低下するので、ご飯や麺類よりも消化吸収の速いブドウ糖や果糖を好むようになります。これは自然なことで、炭水化物を減らして甘いものを摂ったほうがいい。甘味を味わうことで、脳の中枢の側坐核が刺激され、やる気や快感が高まる。さらに、『幸せホルモン』と呼ばれる脳内のベータエンドルフィンの生成を高めるので、うつの予防にもつながるのです」(柴田氏)
■「いい加減」にいこう
運動に関しては、こんな逆張り健康法もある。「ジョギングなど激しい運動はしすぎないほうがいい」というものだ。無理をすると命の危険さえある。
「激しい運動をすると、老化を早める活性酸素が大量に発生してしまいます。また、身体の免疫力を維持している免疫細胞は、激しい運動をした直後に急激に働きが低下する。このとき、風邪などをひきやすくなります。とくに朝起きてすぐのジョギングは危険。体内の水分が不足していますし、血圧が一気に上がって心筋梗塞や脳梗塞をおこしやすい。ウォーキングなどゆっくりとした運動がいいんです」(前出・奥村氏)
これまで紹介してきたように、巷にはさまざまな健康法が溢れているが、「これをやってはダメ」「こうしなければならない」と、型にはめて節制することこそが、病気の引き金になってしまっているケースはあまりに多い。
奥村氏は、免疫学の立場から考えると、とくに50歳を過ぎたら、健康で長生きするためには「いい加減さ」が必要だと主張する。
「たとえば、50代までタバコを吸い続けていま元気でいる人は、禁煙はしなくていい。タバコで解消できるストレスもあるので、無理に遠ざけるものでもないと思っています。禁煙することで強いストレスを感じるくらいなら、タバコよりもストレスのほうが悪いと、断言します。
免疫細胞が活発に働くことで病気を予防してくれますが、加齢とともにその働きは弱まる。そこにストレスがかかると、免疫細胞の活性はさらに低下して、病気にかかりやすくなってしまいます。免疫力を高めるには真面目をやめて、明るくマイペースな『少々不良』になること。50歳を過ぎたら、ストレスを溜めずに今を楽しむことが一番の健康法と言えるでしょう」
専門家の話を聞いて、気持ちがラクになった人も多いのではないか。健康で楽しく過ごすため、今日から「逆張り健康法」、試してみてはいかがだろう。
「週刊現代」2014年7月5日号より
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