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認知症予防に有効? 「強化食品」の魚肉ソーセージ〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140704-00000001-sasahi-hlth
週刊朝日 2014年7月11日号より抜粋
認知症予防に有効といわれている食べ物の代表格が魚だろう。「魚を定期的に食べている人は、認知症のリスクが下がる」という研究結果は、世界各国で報告されている。その理由として、魚に含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(イコサペンタエン酸)」という栄養素が脳の認知機能に関わっていることが明らかになってきた。
DHA、EPAはアブラの一種だ。これらは「n−3系多価不飽和脂肪酸」と呼ばれ、脳の神経細胞をつくる材料となり、脳の機能を保つ効果があるという。島根大学医学部の橋本道男准教授(環境生理学)は、こう解説する。
「水分を除いた脳の約60%が脂肪からできています。その脂肪のなかに含まれるのが、DHA、EPAといったn−3系脂肪酸です。なかでもDHAは、記憶や学習に関わる海馬と呼ばれる部分では、脂肪酸全体の30〜40%を占めています。ラットの実験では、DHAに、アルツハイマー型認知症の原因といわれる、アミロイドβ(ベータ)の沈着を抑制する作用があることがわかっています」
橋本准教授は、島根県に住む、認知症と診断されていない健常高齢者(平均年齢73歳)約100人に、DHA、EPAが含まれる食品を1年間、毎日食べてもらう研究を実施した。その結果、記憶力テストの数値は食べる前よりも改善し、一方で、食べていないグループでは数値が下がった。
「認知症の発症を遅らせるかどうかまではわかりませんが、広い意味で、DHAやEPAが認知機能の低下を抑制している可能性があります」(橋本准教授)
DHAをもっとも多く含む食べ物は、マグロのトロだ。そのほか、サバ、アジ、サンマといった青魚にも多く含まれている。
「DHAを含むn−3系脂肪酸の摂取量は1日2グラムが目安とされていますが、とくにDHAを2グラムとることが重要。サバやアジなら半身(100グラム)で約1グラムのDHAが含まれます。最低でも1日に1グラム以上とったほうがいいでしょう」(同)
一方、EPAを含むのも魚が中心だが、魚以外の食べ物から摂取する方法もある。白菜などの葉野菜やエゴマは、α(アルファ)リノレン酸という脂肪酸を含んでおり、これが体内でEPAに変換するため、代用になるという。
DHAやEPAはいずれも使われない分は排出されてしまい、体内にためておくことができない。毎日、一定量を食べ続けなければ予防効果が持続せず、「やめたら認知機能が落ちてしまうことは証明されている」(同)という。
だが、現代の食生活で、毎日魚を食べるのは簡単ではないだろう。
そこで注目されるのが、「強化食品」と呼ばれるものだ。橋本准教授の研究で使われたのも、DHAとEPAを含む強化食品のひとつ「リサーラ」(マルハニチロ製)という魚肉ソーセージだ。先の研究では1日2本ずつ食べたといい、これでDHAを1.7グラム、EPAを0.4グラムとれる。
「今の高齢者世代にとって、魚肉ソーセージは子供のころに食べていたなじみのあるおやつなので、研究に協力してもらった方々にとっても受け入れやすかったようです。畑仕事の合間などでも簡単に食べられるのもメリットでした」(同)
こうした成分はサプリメントとしても販売されている。だが、食べ物から摂取するのに比べると効果が劣るという研究があり、とり方にもコツがあるという。
「DHAやEPAはアブラなので、吸収されるときに肝臓でつくられる胆汁酸が必要です。胆汁酸は食べ物が胃や腸に入らないと分泌されないので、食べ物をとらずにサプリメントだけを飲むと、体内への吸収が悪くなると考えられます」(同)
こうしたDHAやEPAの効果については、厚労省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の報告書では、「目標量を示すほど十分な証拠は今のところない」としている。報告をまとめた一人、名古屋大学大学院医学系研究科の葛谷(くずや)雅文教授はこう指摘する。
「魚の摂取量が多い人は認知症になりにくいという報告はあり、その説が否定されているわけではありません。ですが、発症予防につながるかを研究した有力な報告はありません。最低でも4、5年間での予防効果をみた長期的な研究を実施する必要があるでしょう」
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