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日本で販売されている牛乳は100％“安心・安全”な国産って知っていますか？〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140627-00000012-sasahi-soci
dot. 6月27日(金)18時29分配信
６月は牛乳月間。２６日、大阪市内で、中央酪農会議主催による「“いま、日本の酪農を考える”〜 飼料価格の高止まり、国際化による不安などで岐路に立つ酪農 〜」と題する説明会が開かれた。
１９６３年に４２万戸あった日本の酪農家は、配合飼料や資材の価格上昇などによる経営環境の悪化で相次いで廃業に追い込まれ、２０１３年には全国で２万戸未満にまで減少した。今年になってからも、４月の消費増税、ＴＰＰ等の国際交渉、国際乳製品需給のひっ迫など、酪農家にとって懸念される動きが続いている。先行き不安による投資控えや、後継者不足による離農や作目転換など、日本の酪農は今、深刻な危機に直面している。
主催者である中央酪農会議事務局長の内橋政敏氏は、「日本の酪農の生活基盤が揺らいでいる」と訴えた。昨年１０月の牛乳価格引き上げ以降も、肥料の価格高騰は続いている。チーズなどの乳製品は海外依存度が高いが、こちらは安定輸入が難しくなってきている現状もある。酪農の役割は牛乳の供給だけでなく、牧場には環境を向上させる機能があるほか、一般生活者に余暇や教育の場を提供するといった社会的な役割もあると主張。乳牛の改良による世界トップクラスの搾乳量の実現など、努力を続ける日本酪農への理解を求めた。
資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫氏は、「世界の中の国際乳製品需給の状況と日本酪農市場」と題して報告した。世界の乳牛飼育数や生乳・乳製品生産量、輸出入量の需給バランス、中国・ロシア・アジア諸国の需要増加による“国際市場乳製品価格の上昇”とひっ迫の懸念について説明。さらに異常気象による穀物生産量の減少や、消えたミツバチ問題、除草剤の効かないスーパー雑草の急繁殖などの自然界の気になる兆候も交えて警鐘を鳴らした。
生産現場を代表して発言したのは兵庫県三木市の西山農さん。兵庫県の教育ファーム第1期認証牧場である「西山牧場」を経営する。兵庫県教育委員会食育実践推進委員も務め、酪農体験、アイスクリーム製造販売や稲作を通じて、消費者に国産牛乳の重要さを伝えている。西山さんは、こう語りかけた。
「日本にいて、日本の酪農家が絞った牛乳が飲めるという当たり前のことに酪農の存在意義があると思う。食は命を繋ぎ育む大切なもの。この大切な食を、輸入に大きく依存するのは危険ではないか」
国産を守るためには、酪農家に余力が必要だと西山さんは訴える。「余力ができると魅力が生まれ、後継者も出てくる。そのためにも、生産基盤が維持できる乳価になってほしいんです。あと１０円でいいんですよ」。自らを「ただの牛飼い」と称する西山さんの瞳は、真剣そのものだった。
安全・安心でおいしい食べ物は、安定した、魅力ある生産現場から生まれる。その当たり前のことに、消費者はもっと敏感であっていいのではないか。
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